2014年8月5日:パート4

 本日の午後、内閣府領土対策室のHPとYouTubeにアップされた山本一太領土担当大臣の新たなメッセージ(日本語全文)を掲載する。

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<山本領土担当大臣のメッセージ動画(原稿)>
(政府インターネットテレビ、領土・主権対策企画調整室HP、YouTubeに掲載)

領土担当大臣の山本一太です。

(基本的立場)
 我が国にとって、中国や韓国は大切な近隣の国々です。中国は、世界の平和と繁栄に貢献する潜在的な力を持つ大国です。中国との貿易総額は、40年余りの間に約10億ドルから3,000億ドルを超えるまでに拡大しました。今や中国は日本にとって最大の貿易相手国です。韓国は,我が国と自由、民主主義といった基本的価値を共有する重要な隣国です。安倍総理は、日中関係について、「中国とは戦略的互恵関係の原点に立ち戻る努力が必要だ」と述べています。さらに、日韓関係についても、「日韓の良好な関係は、両国のみならず、東アジアの平和と繁栄にとって不可欠である」と明言しています。安倍総理の一貫した立場は、「中国、韓国とは、困難な課題があるからこそ、率直に話し合うべきだ。対話のドアは常にオープンになっている。」ということです。

 日中、日韓関係の発展が地域の安定と繁栄に欠かせないことは言を待ちません。が、我が国の領土と主権に関して譲歩することは出来ません。竹島、それから北方四島、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに我が国の固有の領土だからです。その点では、尖閣諸島も同様です。安倍内閣は、「我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜く」決意を明らかにしています。その決意の下に、安倍内閣は歴代内閣として初めて領土担当大臣を設けました。私が初代の担当大臣に任命されました。

 中国、韓国は領土、主権の問題に関して、国際的なアピールを強めています。いくら日本の主張が正しくても、その事実が国際社会で正しく認識されなければ意味がありません。日本政府が一丸となって様々な形で情報発信を行っています。特に注意しなければならないのは、日本は戦後国際秩序と国連憲章の趣旨・原則に対する深刻な挑戦を行っているというような独自の主張の存在です。これは明らかに事実に反します。我が国は、自由で民主的で、基本的人権や法の支配を尊ぶ国をつくり、戦後69年にわたって平和国家としての歩みを進めてきました。これは世界に誇るべきものであり、その歩みは今後とも変わりません。

 中国、韓国政府が口にしない重要な点が1つあります。それは、戦後一貫して、日本が中国、韓国との関係を重視し、両国の経済発展に大きな貢献を果たして来たという事実です。日中関係について言うと、我が国は、1972年の日中国交正常化以来、中国の発展を一貫して支持してきました。総額3兆円以上のODAなどを通じて、インフラ整備や教育、医療、貧困対策などの支援を実施してきました。2008年、日中首脳会談で署名された「『戦略的互恵関係』の包括的推進に関する日中共同声明」において、中国側は、日本が、戦後約60年余り平和国家としての歩みを堅持し、平和的手段によって世界の平和と安定に貢献してきたことを積極的に評価しています。日本と中国の協力関係を強化していくことは、両国のみならず地域や国際社会にとっての利益につながります。

 日韓関係の戦後史を見てみましょう。両国関係は、1965年の国交正常化以降、大きく発展してきており、今や両国間の人々の往来は年間500万人を超えるまでになりました。また、これまで日本は、1965年以来の5億ドルを初めとする経済協力、1997年の通貨危機の際の支援など、経済協力や技術協力によって韓国を支援し、その高度経済成長に大きく貢献してきました。韓国側も、1998年の日韓首脳会談において、戦後の国際社会の平和と繁栄に日本が果たした役割を評価しています。日本と韓国の協力関係を強化していくことは、両国のみならず東アジア、さらには国際社会の利益となるものです。日本政府は大局的観点から韓国との協力関係を構築するために引き続き努力をしていく考えです。私は、「戦後、日本が平和国家、民主主義国家として、中国、韓国との関係を常に重視し、両国の発展に大きく寄与した」、この事実を、中国、韓国国民の皆さんにはもちろんのこと、国際社会に広く知ってもらいたいと考えています。

 加えて、領土、主権をめぐる問題、尖閣にそもそも「領土問題」は存在しませんが、この問題に関する中国と韓国の主張の決定的な欠陥を指摘しておきたいと思います。

(中国の主張に対する反論)
 中国が尖閣諸島の領有権を主張し始めたのは、東シナ海に石油埋蔵の可能性が指摘され、尖閣諸島に注目が集まった1970年代に入ってからなんです。(それまで70年以上もの間、中国政府は領有権を全く主張していません。)さらに、中国は、尖閣諸島が1895年の下関条約に基づいて日本に割譲され、その後の1943年のカイロ宣言によって中国に返還されるべきだと主張していますが、これは全くの誤りです。下関条約やカイロ宣言は、尖閣諸島を対象としておりません。また、そもそもカイロ宣言のような政治文書では領土についてのいかなる変更もできないんです。戦争の結果としての領土処理というものは、サンフランシスコ平和条約のような国際約束を通じてのみ行われるものです。サンフランシスコ平和条約では、もちろん尖閣諸島は日本の領土として扱われています。

(韓国の主張に対する反論)
 竹島について強調したいことがあります。それは、韓国が、1952年に「李承晩ライン」なるものを国際法に反して一方的に設定し、従来より我が国が領有してきた竹島をそのライン内に取り込んだという歴史的事実です。その後、韓国は、竹島を不法占拠し続けています。我が国は平和的手段による解決を図るべく、竹島の領有権問題を国際司法裁判所に付託することを韓国側に再三提案しましたが、韓国はこれを受け入れず、現在に至っています。

(我が国の領土・主権をめぐる情勢認識)
 さて、領土・主権をめぐる問題では、近年、東シナ海や南シナ海において、力による現状変更の試みが頻発しています。このことがアジア太平洋地域において緊張を高めています。我が国周辺を含めて、法の支配に基づく地域の平和と安定に反する行為が残念ながら繰り返し起きているんです。

 今年5月末にシンガポールで行われたアジア安全保障会議、いわゆるシャングリラ・ダイアローグで安倍総理が述べたように、いかなる領土や主権に関する主張も①国際法に基づくべきであり、②力による威嚇は許されず、③問題は平和的に解決されるべき、です。このような「法の支配」の徹底の重要性が国際社会においてしっかりと理解され、共有されることが不可欠です。

(平和国家)
 最後に改めて言っておきたいと思います。我が国は、第二次世界大戦後、一貫して、自由、民主主義と基本的人権を尊重し、国際法を順守する平和国家として、アジア地域を中心とする国際社会の平和と繁栄に貢献してきました。また、大切な近隣の国々である中国や韓国と、苦しいときにはお互いに手を差し伸べ合って来ました。繰り返しますが、このような「平和国家」としての我が国の歩みは、今後も一切、変わることはありません。これは、安倍総理も、2012年12月の第二次安倍内閣の成立以来、繰り返し強調してきたところです。これが、我が国が掲げる国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の基盤です。我が国は、この地域において緊密な関係を有するパートナーや隣国と緊密に協力をし、国際法の原理に基づく秩序を維持し強化していきたいと考えています。そして、ダイナミックな成長を続けるこの地域が今後とも平和で安定し、更なる繁栄を続けるよう努力をして行かなければなりません。今後ともこれが我が国の進む道です。

(結び)
 私は初代の領土担当大臣として、これからも、我が国の領土・主権をめぐる正確な事実関係や国際法上の根拠、我が国の立場について、冷静に、かつ論理的に、様々な機会をとらえて国内外に発信していくつもりです。日本が領土、主権をめぐる国際的な発信力を強め、法の秩序に基づく平和的な外交交渉によって問題を解決していくためには、国民の皆さんの理解と後押しが必要です。領土、主権をめぐる問題にぜひとも関心を持ち、積極的に向き合ってください!安倍政権の決意を応援してください!お願いします。
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「fs山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」