2014年7月27日:パート4

 米国出張に出かける前、睡眠時間を削って書き上げた「山本一太の自民党群馬県連活性化プラン」(最新案:7月22日)の全文を以下のとおり掲載する。 オリジナルの提案に挿入されていた見出しや図が、どうしても入らない。 字ばかりだと、どうも読みにくい。 やり方を聞いて、後で訂正する。

『山本一太の自民党群馬県連活性化ビジョン(最新案)~「守り」から「攻め」の県連へ。』(7月22日)
                               
 今の執行部に不満があるわけではない。それどころか、政権転落後の苦しい野党時代を絶えぬき、与党に返り咲いたこれまでの執行部の努力と実績を大いに評価している。

 それでも、8月末に予定される県連会長選挙は、オープンな形で実施すべきだと確信している。開かれた県連会長選挙を通じて、①来年4月の県議選(統一地方選)勝利の起爆剤とする、②県連の組織や県連会長の役割を見直す契機とする、③中央への発信力と、中央の政策のカスタマイズ能力を高める、の3つを実現出来るからだ。

 以下、この3点について具体的に説明したい。なお、この提言(県連会長候補としての公約)はあくまで素案だ。県議会議員を含む関係者の意見も聞いた上で、内容をブラッシュアップしていきたい。
 
 会長選挙をオープンな形で行うべきだと考える第一の理由は、会長選挙が、来年4月に行われる県議選(統一地方選)の勝利のための起爆剤となることだ。

 オープンな会長選挙が実現すれば、群馬県各地で複数の候補者による街頭演説や討論会が行われることになる。各候補者の主張やメッセージをあらゆる手段で発信する、またそうしたプロセスが報道されることによって、党員をはじめとする県民の方々に、自民党の政策を伝えられる。自民党の存在感を大きく高めることが出来る。来年の県議選(地方統一選挙)を前に、自民党をアピールする絶好の機会を逃す手はない。

 加えて、会長選挙には、党員として自民党を支えていただいている方々に、自民党員である意義(メリット)を実感してもらうという効果もある。県連会長や党総裁(=総理大臣)を自らの投票で選べるということが、自民党員になる(又は自民党員であり続ける)ための強いインセンティブになることは間違いない。ましてや、党総裁選挙の規定が修正され、次の総裁選挙からは党員投票の比重が大きくなる。こうしたプロセスを通じて、自民党が民主的で開かれた党であることを知らしめることは、さらなる党員獲得、党勢拡大に繋がるはずだ。

 「県議選の前にあまり波風を立てるのはいかがなものか?」「選挙になれば県連が分裂しているというイメージを与えるのではないか?」という意見もあるだろう。しかし、例えば県連会長選挙をやることで、県連内にかつての「福中対決」の時代のような対立構造がよみがえることは考えられない。今の県議団は結束が固く、常に助け合っている。県連会長選挙をやったくらいで、今さら2つに割れて争うようなことはあり得ない。特に、今の1期生・2期生の県議は、県連一本化の後で当選しており、福田系・中曽根系といった意識はない。

 加えて言うと、万一県連会長選挙になったとしても(山本一太が立候補出来る状況になったとしても)、こちらから大切な同志に踏み絵を踏ませるようなことは考えていない。どの県議がどの候補者につくみたいな構図を避ける方法もある。たとえば、「党員の自主投票に任せる」というルールの下で実施してもいい。むしろ、そのほうが望ましいと思う。

 もう1つ、考えておくべき点がある。来年4月まで、自民党の今の高支持率がこのまま維持されると想定するのは、楽観的過ぎるとういうことだ。集団的自衛権や消費税など、賛否の別れる議論がこれからさらに本格化してくる。自民党にとって逆風の状態で選挙を迎えることも十分にあり得る。

 国会議員団、県会議団を含む県連全体が、あらゆる方策を使って1センチでも先に進む気持ちを持たなければ、激戦が予想される次の県議選で完全勝利を成し遂げるのは簡単ではない。現職・新人の全員当選を果たすためには、常に危機感を持ち、「攻めの姿勢」を貫くことが求められる。リスクを恐れて守勢に回ったら、突然の爆弾低気圧には抗し切れない。県連会長選挙という舞台を活用して、こちらから打って出るべきだ。


 開かれた会長選挙を実施するべきだと考える第二の理由は、会長選挙が、県連の組織や県連会長の役割を見直す機会になるということだ。会長選は、県連の意義・役割・活用方法を改めて考える契機になる。県連は、国会議員、県会議員を含む所属議員や党員にとって、もっと活用しやすい場所になれる。

 そのためにも、現在はけっしてスムーズと言えない県連における国会議員団と県会議員団のコミュニケーションの頻度を増やすべきだ。せっかく個々の議員は素晴らしい英知を持っているのに、それが総合力として発揮できていない。国会議員と県議会議員の会議を定期的に開催することを提案したい。

 さらに言うと、県連と市町村長、市町村議長などとの連携ももっと強化するべきだと思う。たとえば県内の市長には県議出身者も多く、人脈や政策面でも共通点が多い。にもかかわらず、組織としての連携が十分に取れていないのはもったいない。

 加えて言うと、一般党員の方々とのコミュニケーションも不断に行っていく必要がある。重要課題についてはアンケートを実施して意見を聞いたり、議員側からの説明の機会を増やしたりして、双方向のコミュニケーションを図っていくことが望ましい。県連がそのポテンシャルを最大限に発揮するためには、全党員の英知を結集する体制を作ることが不可欠だ。


【組織改革の具体案1】国会議員と県議会議員の会議の定例化

 県連の組織改革の具体案をここに示したい。まず、県連規約にある「国会議員・執行部会議」と「国会議員・県議会議員合同会議」は、国会議員と県議会委員の意思疎通のために極めて重要な会議だ。が、あまりにも開催の頻度が少ない。これを、例えば毎月1回の会議に定例化することを提案する。

①国会議員・執行部会議

 「国会議員・執行部会議」は、国会議員、幹事長、総務会長、政務調査会長、県議団長、筆頭副幹事長がメンバーとなっている。国会議員を含む幹部が定期的に顔を合わせることは、県連の機能を高める上で極めて重要だ。執行部の風通しを良くしておくことで、時々の課題に素早く対応できるし、先の見通しも立てやすくなる。県連の課題対応力が格段にアップする。

②国会議員・県議会議員合同会議

「国会議員・県議会議員合同会議」は、文字通り国会議員と県議会議員全員による合同会議である。これを定例化することで、国会における最新の立法の動きを報告する、群馬の実情を把握する、集団的自衛権やTPPのような重要課題の動向について意見交換をやり認識を共有する、といったことが可能になる。

 加えて、県議会から国に提出した意見書を出しっ放しにしないという点でも、これらの会議が役に立つ。これまで県から国への意見書は、国会や担当省庁に届けられた後、ほとんど放置されていた。この対策として、群馬県連では、県選出の各国会議員にも意見書を配り、省庁での扱いをフォローしてもらう仕組みを作った。が、しかし、提出された意見書が実際にどうなったかを県選出の国会議員に確認する機会はない。定例会議が出来れば、意見書への対応を国会議員団から県会議員団に報告することも可能になる。

【参考】自由民主党群馬県支部連合会規約(平成26年1月)(抜粋)
第10条 党務運営の重要事項を審議し、決定するため国会議員・執行部会議を置く。
2 国会議員・執行部会議は国会議員、幹事長、総務会長、政務調査会長、県議会議員団長及び筆頭副幹事長で構成する。
3 国会議員・執行部会議は会長が招集し、その運営に当たる。
4 会長は、必要に応じ他の役員を出席させることができる。
第16条 本会の重要事項を決定するとともに、国政・県政に関する情報を共有するため、国会議員及び県議会議員で構成する国会議員・県議会議員合同会議(以下、合同会議という)を置く。
2 合同会議は、会長が招集しその運営に当たる。
3 合同会議は、構成員の3分の2以上の出席がなければ成立しない。
4 特に緊急を要する事項については、合同会議の決定を以て大会の議決に代えることができる。但し、次の大会で報告するものとする。

【組織改革の具体案2】タスクフォースの設置

 次に、時々の課題に応じて柔軟に「タスクフォース」を編成して議論する体制を作るという提案をしたい。こうした「タスクフォース」の設置は、今回の「山本一太の県連活性化プラン」の目玉の1つだ。現時点では、①予算戦略タスクフォース、②SNS活用タスクフォース、③保守理念タスクフォース、④県連改革タスクフォース、の4つの組織の設置を考えている。

①予算戦略タスクフォース

 タスクフォースの中で自分が最も重視したいのは、「予算戦略タスクフォース」だ。このタスクフォースは、毎年度の予算編成に対して、県連が事前に「戦略的資源配分方針」を作成することを目的とする。たとえば、科学技術政策分野においては、政府内(内閣府)に設置されている総合科学技術会議(5月から総合科学技術・イノベーション会議)が国の予算編成に先立って「資源配分の方針」や「重要施策アクションプラン」を打ち出している。それと同様に、タスクフォースが各部局の予算を俯瞰し、実際の予算編成に先立って資源配分の方向性を示す。政調会長を中心に、分野毎に主査を置いて議論するイメージだ。

 重要なのは、群馬県連が群馬県の未来図を描くことにもっと積極的に参画していくことだ。県連が県の予算編成の大枠を県に提案し、それを参考にしながら県が予算編成をするという方式は、全国でも他に例がないと思う。これまでの県連と県執行部の関係を大きく転換する改革になる。全国的に、県の執行部が作った予算を追認するだけなどと揶揄される議会が多い中で、先進的なモデルとなるはずであり、こうした斬新な手法を群馬から全国に発信していきたい。

 もちろん、県の予算編成権は知事にある。しかし、県議会の「与党」である自民党県連には、自分たちの考える予算戦略を知事に提案し、作られた予算が県連の方針をどこまで反映しているのかをチェックする役割があってしかるべきだと思う。「与党」として知事に予算の考え方を示すことは、知事に判断材料を提供し、知事の政策を補強することにも繋がる。県政の大きな方向性を決める予算戦略に、県連としてもっと積極的に関わっていく。そのためのツールとして「予算戦略タスクフォース」を活用したい。

②SNS活用タスクフォース

 「SNS活用タスクフォース」は、SNSを活用した発信の強化や、所属議員のSNS活用の充実に取り組むタスクフォースだ。目的は、ブログ、動画、フェイスブック、ツイッターなどを利用した発信の仕組みを確立し、県連としての(=個々の所属議員の)政策発信手段の選択肢を広げ、発信力の強化に結びつけること。広報委員長を主査として、SNSに詳しいか、もっと積極的に活用したいと考えているメンバーで組織するイメージだ。

 自分自身が、ブログやニコニコ動画、ツイッターなどを積極的に活用して、ネットによる発信を実践して来た。現時点でのツイッターのフォロワー数(約15万人)は目標の半分にも届いていないものの、視聴率の高いブログや動画配信なども含めた総合的なネット発信力は、国会議員の中でトップを走っているという自負がある。自民党本部が運営している「カフェスタ」(議員によるネット生中継番組)の活動は高く評価しているが、山本一太の「直滑降ストリーム」のほうが先にスタートしていた。番組の平均視聴率(アクセス数)でも圧倒している。

 こうした自らのノウハウを活かして、SNS活用度日本一の県連を目指したい。SNSを駆使すれば、日頃の政治活動で直接会える人々の範囲をはるかに超えた、幅広い層の県民にアプローチすることが出来る。特にSNS利用度の高い若い世代に対しても県連の政策を訴えられる。若い自民党サポーターを増やす効果的な手段になる。最大の特徴はコストがかからないこと。個々の県議が、お金をかけずに政策発信の手段を広げ、有権者へのアピールを強められる。

 SNSの活用は、国政選挙、特に大都市の選挙戦ではすでに不可欠な選挙戦略として位置づけられている。地方選挙においても、SNSのインパクトは益々、高まっていくだろう。日頃からネット上のサポーターやフォロワーを確保し、増やしておくことによって、選挙の際の政策発信・情報発信に威力を発揮する。そのことを踏まえて、県連のSNS発信強化の取り組みは、自民党本部で行っている「カフェスタ」や「ネットサポーターズクラブ」のプロジェクトの群馬版を立ち上げるところから始めたい。SNSの活用強化は、(僭越ながら)SNSを政治活動に最大限活用している自分にしか出来ない県連改革だと考えている。

③保守理念タスクフォース

 もう1つ、早急に立ち上げるべきだと考えているタスクフォースがある。それは、地方の実情を踏まえた自民党の理念を練り上げるための組織だ。「保守」とは何かについて改めてこのタスクフォースで議論し、「王道の保守」を群馬から発信する。そのための枠組みを作りたいと思う。

 自民党には、立党以来受け継がれて来た党是や理念がある。これらは時代に合わせて常に議論され、磨かれ、その中で平成22年に現在の綱領が制定された。こうした伝統を踏まえつつ、戦後4人の総理を輩出した群馬という保守王国の風土の下で、改めて保守のあるべき姿を同志とともに考えてみたい。

 最近、ネット上などで偏狭な排外主義的主張が広がりつつあることに一抹の不安を覚えている。この手の排他主義は真の保守ではない。王道の保守とは、多様性を受け入れる、器の大きい思想、思考であるはずだ。また、地域の人々の日々の生活に根差した、落ち着いた流れの中にあるものだと思っている。そうした、自信に満ちた、懐の深い保守の理念を群馬で改めて創り上げ、内外に発信する。群馬県連の目指す保守の姿を、党全体の理念にも反映させていきたい。

④県連改革タスクフォース

 県連改革を実行に移していくためには、県連改革の全体の流れをコーディネートし、PDCAサイクルを回すためのタスクフォースも必要となる。このチームは県連全体に目を配る必要がある。幹事長や総務会長を中心に、県連の主要幹部で構成するのが望ましい。国会議員も積極的に参画すべきだろう。

 このタスクフォースで、県連改革の方向性を議論し、同時にその進捗管理を行う。加えて、所属議員に対して、改革の理念や具体策を周知し、認識の共通化を図る役割も果たす。このタスクフォースが県連改革全体の司令塔となり、「不断の改革」を発信、実行するサイクルを構築する。すなわち、時代に合わせて、常にダイナミックに、進化し続ける県連を作る中核になる組織だ。

⑤その他のタスクフォース

 これらの他にも、例えば選挙対策など、時々のテーマに応じたタスクフォースを編成し、様々な課題に迅速に反応出来る体制を整えたいと思う。農業、環境、IT、都市政策、観光戦略など、群馬県が対応すべき課題は数多い。これらのテーマについても、その都度、県連としての考え方をまとめ、県の政策、さらには国の政策にも反映させるよう働きかけていく。こうした活動を通じて、「行動する県連」を目指す。 

【組織改革の具体案3】県連会長の役割

 県連会長選挙に関して、大切な同志である1人1人の県連所属県議と意見交換を続けて来た。その中で強く感じるのは、県議団の中に「県連会長というポストにそもそもリーダーシップなどというものを期待していない」という雰囲気があることだ。「国会議員団の話し合いの中で決めてくれるなら、次の県連会長は誰でも構わない」という考え方は、あまりに残念だ。だからこそ、自分は県連会長というポストのコンセプトを変えたいと思っている。

 県連という組織をうまく使えば、県政は活性化する。国会議員、県会議員双方にとって、自らの政策発信や政策実現を助ける舞台装置になる。党員の力を結集すれば、地方から日本を変える流れを作れる。そのことを証明したい強い衝動に駆られている。

 「発信力」は組織にあるのではない。組織を構成する個人に依拠する。県連のトップである県連会長に熱意と行動力があれば、リーダーシップがあれば、県連の潜在力を最大限に引き出すことが出来る。閣僚や国会議員とのネットワーク、メディアやSNSでの発信力、国会審議における発言力などを駆使して、県連の政策発信・実現のためにもっと積極的に動くべきだ。

 例えば、県連会長が閣僚なら、ある県会議員の政策提案を、担当の大臣に直接伝えることだって簡単に出来る。県連会長として県庁のクラブで定例記者会見をやったり、定例記者懇談会を設けたりすれば、個々の県議の政策発信を後押し出来るだろう。もちろん、国会議員団(国会議員)が県会議員団(県会議員)から学ぶべきことも多い。県連活性化のポイントは、国会議員、県会議員を含む県連所属議員、党員の間に「ウィンウィンの関係」を構築することだ。


 オープンな県連会長選挙を提案している第三の理由を述べたい。それは、会長選挙が、中央への発信力や、中央の政策のカスタマイズ能力(=群馬の実情に合わせて地域仕様にする能力)を高める機会にもなると思うからだ。この改革は「県議一人一人の夢の実現を支援する県連づくり」にも繋がるものだ。国会議員団と県議団が、国の政策についての理解を深め、認識を共有し、双方の政策形成・発信に役立てる体制を作る。これこそ、次の県連会長の使命ではないだろうか。

①政策の理解とカスタマイズ能力

 現状では、今の自民党の政策がどうなっているのか、政府の政策がどんな流れになっているのか、各県議が体系的に勉強する機会はほとんどない。が、国の政策と県の政策は、常に密接に繋がっている。「Think globally. Act locally.」(地球視野で考え、足下から行動せよ)という言葉がある。1人1人の県議が、自民党の政策、県の政策は日本全体やグローバルな文脈の中でどう位置付けられるのかきちんと理解した上で、日々の活動を行うことが必要だと思う。

 例えば、県議会での質問も、常に国の政策を意識して行うことが求められるし、地方議員が支持者から国の政策について聞かれる機会も多い。こうした場合には、国の政策を理解した上で、群馬県の状況を加味し、有権者が納得しやすいようにカスタマイズして(=群馬の実情を踏まえた最も分かりやすい形にして)説明する能力が必要になる。

 個々の議員がこの能力を持っているかどうかは、来年の県議選(統一地方選)にも大きく影響する。次の選挙では、集団的自衛権、消費税、TPP、社会保障、医療制度改革、電力改革など、有権者の賛否が分かれる問題について、自民党議員としての立場を質される場面が多くあるだろう。特に、集団的自衛権と消費税は最重要テーマとなるはずだ。自民党議員である以上、「国が決めたことなので知りません」とは言えない。これらは極めてセンシティブな問題であり、群馬県の状況に合わせて上手く説明できるかどうかが、選挙結果に直結する。都市部だけでなく、いわゆる農村部でも無党派層が増えていることを忘れてはならない。

 だからこそ、県議団と国会議員団とのコンタクトが益々、大切になって来る。来年の県議選(地方統一選挙)での政策発信の戦略をすり合せるための作戦会議は不可欠だ。県議の研修プランも、もっと戦略的、組織的に練り上げるべきではないか。例えば数年前、亡くなった大林県議ら県議会の2期生と結成した「チーム8」という勉強会のメンバーで、韓国を訪問した。次世代の国会議員やソウル市議との意見交換、韓流拠点の視察など充実した日程だった。政治家としての視野を広げるための研修の機会を県連主導でもっと積極的に設けるべきだ。

②政策の発信力と実現力

 大臣としての公務の合間を縫い、睡眠時間を削って1人1人の自民党県議とサシの意見交換を積み重ねて来た。この提案を書いている時点(7月18日)で、残りは2名。その2人の県議ともアポが取れている。今回の県連探訪ツアーを通じて、再発見した。県議団はまるで梁山泊。それぞれの県議が個性的で魅力的だし、政治家としての信念や夢、プランを持っている。が、それは一人の議員だけの力で実現できるものではない。そうした夢の実現を県連全体として後押しする、応援するシステムを作りたい。

 そのためには、日本全体、又はグローバルな文脈の中で、各県議が自分の夢や目標をどう位置づけるのか、実現の道筋をどうつけていくのかを把握出来る環境を整備することが重要だ。そのことを県連全体で話し合えたら、どんなに楽しいだろう。前述した定例会議やタスクフォースも議論の舞台となる。このサイクルが立ち上がった瞬間に、各県議の夢は、個々の議員の思い付きではなく、県連全体で実現すべき目標となる。

 こうした夢を、個々の議員や党員のアイデアを、様々な方法で(党員の力を結集して)具体的な戦略や政策として形にする。それを知事に直接、提案する。議会を通じて実現させていく。そのプロセスの中では、県連会長だけでなく、国会議員も重要な役割を果たす。県連会長や国会議員は、記者会見、SNS、国会での発言などを通じて、各県議の夢の実現を後押し出来る。記者クラブでの会見や「群馬版カフェスタ」のスタジオに、県連会長と県議が一緒に座り、政策を訴える。自分が(県連会長として)やりたいのはそういうことだ。

 「直滑降ブログ」にも何度か書いた。「地域の代表として選ばれたという点では、国会議員と県会議員に上下関係はない。対等に協力し合う関係だ」と。それは大臣であっても同じだ。お互いに学び合い、政策を磨き合う関係であるべきだ。ある県議の知恵や意見が国会議員の政策提案に結びつき、国の政治を動かす可能性だって十分にある。

 前例のない試みなので、なかなかイメージが湧かないかもしれない。が、地方の発想で中央を変える、1人の県議の発想が国の政策に影響を及ぼす「ベストプラクティス」(素晴らしい前例)を必ず生み出せると確信している。

 群馬県連のメンバーは、国会議員も県会議員も多士済々だ。県議団を見ても、1人1人の県議が、誇りを持って素晴らしい仕事をしている。が、県連会長のリーダーシップと皆の力を結集する仕組みがあれば、さらにインパクトのある政策を打ち出し、実現していけるのではないだろうか?

 2009年の総選挙で自民党は野党に転落した。その際、保守王国と呼ばれる群馬県でも小選挙区の5議席中、3議席を失うという衝撃の事態に直面した。その時の危機感が、県連改革「3本の矢」の決定に結びついた。①県連会長の公選、②候補者の公募制、③「ぐんま政治塾」の開校だ。

 政権を奪還した1年半前の衆院選挙で、自民党の得票が大きく伸びているわけではない。来年4月の県議選はもちろん、2年後(?)の衆院選挙、参院選挙も全く油断出来ない状況だ。常に危機感を持ち、県連改革を不断に進める姿勢を持ち続けるべきだ。せっかく会長の公選規定を作ったのに、結局、一度も実施されていない。国民、有権者から「元の自民党に戻った」と思われたら、どこかで手痛いしっぺ返しに遭う。

 オープンでフェアな自民党という観点からは、候補者の選定システムも改革したいと思う。本当にやる気と能力がある地方議員がきちっと階段を上れるシステムにする必要がある。いわゆる世襲でも能力があれば全く問題はないと思う。ただし、形だけの公募ではなく、志のある人がちゃんと挑戦できる開かれた制度にするべきだ。

 行動のないところには、何の結果もない。リスクを恐れていたら、何も成し遂げられない。どんな組織も個人から成り立っている。県連のメンバー1人1人が一歩でも前に進もうという情熱を持ち、力を結集すれば、必ずもっと面白いことが出来る。皆さん、4人の総理を出した保守王国から、「群馬モデル」を内外に発信しようではありませんか?!地方から中央の政治を変えていこうではありませんか?!

 そのくらいのことが出来なかったら、群馬選出の政治家になった甲斐がない。人生は限られている。お互いに苦しい選挙を勝ち抜いて、せっかく同じ時代に政治家として出逢えたのだ。力を合わせて、もっとワクワク・ドキドキする県連を作りたい!それが、群馬のため、そして日本のためになると確信している。

 
「fs山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」