2014年6月2日

 韓国の通貨危機への日本政府の支援に対する韓国側の評価は、当時のマスコミ報道、金大中大統領訪日時の日韓共同宣言、金大中大統領の参院本会議場での国会演説の中で明確に示されている。 改めて振り返ってみたい。 

 先ずは、日本メディアの記事を見てみよう。 1997年12月4日の日本経済新聞は、日韓首脳会談について次のように報道している。

 「橋本首相は(略)、韓国の金泳三大統領と(略)電話で話し、(略)日本が韓国に百億ドルの融資を実施する考えを直接伝えた。(金泳三)大統領は日本の支援に謝意を示す一方、日本が欧州諸国などにも対韓支援を働きかけるよう要請した。」

 98年10月に韓国の金大中大統領が来日。 小渕恵三総理との首脳会談の後、日韓共同宣言を発表した。 内容は以下のとおり。   

<金大中大統領来日時の日韓共同宣言(1998年10月18日、東京)>

「金大中大統領は、日本によるこれまでの金融、投資、技術移転等の多岐に渡る対韓国経済支援を評価するとともに、韓国の抱える経済的諸問題の解決に向けた努力を説明した。小渕総理大臣は、日本経済再生のための諸施策及びアジア経済の困難の克服のために日本が行っている経済支援につき説明を行うととともに、韓国による経済困難の克服に向けた努力を引き続き支持するとの意向を表明した。両首脳は、財政投融資を適切に活用した韓国に対する日本輸出入銀行による融資について基本的合意に達したことを歓迎した。」

 10月8日、参院本会議場で金大中大統領が国会演説を行った。 「奇跡は奇跡的に始まらない」というこの名演説は、実際に議場で聴いた。 このスピーチの中で、金大統領が日本の支援に言及している。

<金大中大統領の国会演説(1998年10月8日、参院本会議)>

『昨年の12月19日、私が当選した時、わが国の外債総額は実に1550億ドルに達していました。うち、すぐに返済すべき短期外債が230億ドルであったのに対して、外貨保有高はわずか38億ドルに過ぎませんでした。それこそ、国家破綻の危機に瀕していたのでありました。

 そのような外貨危機を克服する過程で、日本の支援が大きな力となりました。日本は韓国の短期債務延長にあたり、その3分の1を超える79億ドルを、中長期債務に転換してくださいました。世界のどの国よりも、多くの協力をしてくださったのであります。

 「苦しい時の友人が真の友人」という言葉があります。私はこの席をかりて、改めて日本の積極的で誠意のこもったご協力に対し、衷心より感謝の意を表する次第であります。』

 あ、ご飯が炊けた。 今晩の夕食はハンバーグ。 サラダも作らないと。 この続きは、「韓国通貨危機に対する日本の金融支援の評価:その4」で。


「fs山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」