2014年5月7日

 夜8時過ぎ。 今晩のメニューはカレーに決めた。 ご飯が炊ける前に、本日最初のブログを書く。

 昨年の9月、IT政策担当、科技イノベーション政策担当大臣として初めて米国西海岸を視察した。 世界を牽引するITベンチャー企業の拠点であるシリコンバレーを訪れた誰もが感じるように、この地域の溢れるエネルギーと可能性に圧倒された。 

 現地滞在中に会ったあるベンチャー企業関係者が言った。 「日本の大臣でシリコンバレーに立ち寄る人は結構、いる。が、皆、ただ感心して帰るだけで、その後の展開がない。頼まれれば会うけど、ハッキリ言って我々にとっては意味のない会合(useless meeting)だ。もし、シリコンバレーのイノベーション創造サイクルを学び、この地域の活力を安倍政権の日本再興に取り入れたいのなら、IT、イノベーションを所掌する閣僚として、もう一度、足を運んで欲しい!」と。

 この言葉がずっと心に残っていた。 それもあって、大臣在任中に、もう一度、西海岸を訪問するチャンスを狙っていた。 前回の出張では行けなかったTwitter本社はもちろん、ぜひ訪ねたいと思っていた幾つかのベンチャー企業があった。 

 たとえば、シリコンバレーを中心に全米に拡大しつつあるモノづくりコミュニティー「Tech Shop」とか、音楽とSNSを結びつけるサービスを提供するSmule社(自分が発した声が著名ラッパーのティーペインの声に変換されるアプリは最高!)とか、日本人女性がCEOを務める女性専門のスタートアップ支援のベンチャー「Women's Startup Lab」には、スゴく興味があった。 結局、全部、見ることが出来た。 内閣府のIT室がうまく日程を調整してくれたからだ。(感謝)

 サンフランシスコやシリコンバレーで活躍する日本人起業家等との再会も楽しみだった。 実際、彼らとの夕食懇談会で、ツィッターでも取り上げた「恐るべき20代コンビ」に遭遇した。 日本の将来に希望が持てる気がした。(ニッコリ) なかなか約束を取るのが難しいエド・リー・サンフランシスコ市長との会談がセットされているのを見て、これだけでも行く価値があるなとも思っていた。

 が、しかし、今回、海外出張先として(パリではなく)米国、特に西海岸地域を選んだ大きな理由の1つは、同時期にベイエリアの視察に訪れていた「Japan Dreams Project」(ジャーナリストの船橋洋一氏が代表理事を務める日本再建イニシャティブが主催)の関係者から、現地での幾つかの企画に加わって欲しいという要請があったことだ。 このメンバーがスゴく魅力的だった。 

 米国西海岸訪問に参加した30数名の名前をざっと挙げてみると…船橋洋一氏、LIXILグループ取締役会長の潮田洋一郎氏、社長兼CEOの藤森義明氏、ユニゾンキャピタル代表取締役の江原伸好氏、ASTROSCALE社のCEO創業者の岡田光信氏、Twitter副社長でTwitterJapan会長の近藤正晃ジェームズ氏、株式会社インテカーの代表取締役社長で内閣府参与でもあるウィリアム斎藤氏、弁護士の塩崎彰久氏(塩崎元官房長官の長男)、ローソン代表取締役CEOで競争力会議のメンバーでもある新浪剛史氏、森ビル株式会社の取締役執行役員の森浩生氏…等々。 夫妻で参加していたひとも、4、5人いた。

 サンフランシスコに到着したのは4月28日。 そこから、直接、Japan Dreams Project関連のディナーセッション「日米及びアジア新興国との新たな経済関係の構築について」が行われていた市内のホテルに向かった。 ルース前駐日米国大使に続いて、8分の挨拶。 その後は、各テーブルで夕食を食べながらの意見交換。 同じテーブルには、ルース前駐米大使夫妻、船橋洋一氏、潮田会長がいた。 ルース前大使夫妻と(初めて)じっくり話をすることが出来た。

 翌日のランチセッション「イノベーション推進のための日本と米国西海岸の関係強化」では、科技、IT担当相として「日本でにおけるイノベーションの取り組み」についてプレゼンをやった。 米国某企業関係者のプレゼンに続いて意見交換。 議論の最後に、こう提案した。 「日本と米国西海岸の間に、かつての下田会議のようなメカニズムを作ったらどうだろうか?」と。

 あ、お湯が沸いた。 熱い紅茶を飲んでから、何本か大事な電話をかける。 この続きは次回のブログで。

 
「fs山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」