2013年12月23日:パート2

 夕方。 インドチャイを飲みながら、その5に突入する。 その1~その4で、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)をめぐる健康・医療戦略室の事務方の主張に反論した。 我々が示した「科学技術予算に占める医療分野の割合は2割」というデータは不適切だとする彼らの指摘が誤っていることを論理的に説明した。

 同時に、「SIPの対象施策の4割以上が医療分野」という結論を導き出すために健康・医療戦略室が独自に作り上げた土俵(=アクションプラン施策のうちの科学技術振興費に限定したデータで算定する)が実態に合わないことも、分かりやすく、冷静にアピールした。 申し訳ないが、健康・医療戦略室の論理構成は、かなりのダメージを受けたと思う。

 政治には、「論理」と「情念」がある。 今回は、政治家としての情念の部分を訴えたい。 ひとことで言うと、1年前に安倍総理から指示された「総合科学技術会議の司令塔機能強化」を実行するために、そのための2つの大きな柱であるSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)とImPACT(革新的研究開発推進プログラム)を創設するために、内閣府のスタッフ(総合科学技術会議の事務局)がどれほどの苦労を重ねて来たかを分かってもらいたいということだ。 

 さらに言うと、この2つのプログラムを立ち上げるために、総合科学技術会議の民間議員を含む多くの方々がどれだけ心血を注いでくれたのかを理解して欲しいということだ。

 さらに次のこともつけ加えたい。 厳しい財政状況の中でも、SIPには26年度予算で500億の枠を、ImPACTには25年度補正予算で550億の基金を確保することが出来た。 来年の通常国会で25年度補正予算と26年度予算が成立すれば、2つとも実際に動き出す。 が、ここまで持って来るのは、本当に大変だった。 内閣府にSIPの予算を計上するための各省との折衝も、両プログラムの予算をめぐる財務当局との交渉も、難航を極めた。

 科学技術担当大臣である自分が先頭に立ち、内閣府のスタッフも、総科学の民間議員も、全員が一丸となって予算獲得のために頑張った。 特に科学技術部局の役人たちの努力は並大抵のものではない。 

 関係各省にも協力をお願いし、甘利経済再生担当大臣や日本経済再生本部の応援も得て、財政当局との難しい調整を繰り返した。 その結果、やっとのことで、予算の獲得にこぎ着けた。 健康・医療戦略室の人たちには、その経緯を、このプログラムの創設のために奔走した現場の人々の思いを分かってもらいたいのだ。

 あ、そろそろ「直滑降ストリーム」(英語版)のPV用プレゼンの中身を考えないと。 この続きはその6で。  


fs山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」