2013年9月19日~23日

 夜9時過ぎ。 釧路から羽田に向かう飛行機の機中にいる。 羽田空港到着予定は、夜10時。 ブログを1本書くには十分な時間だ。

 さて、今回の北方領土視察の日程をざっと振り返ってみたい。 行程は4泊5日だが、入域と出域の手続きを含め、行きと帰りでそれぞれ1日かかる。 実質的には国後島に1日、択捉島に2日というスケジュールだった。

 訪問団が最初の目的地である国後島の古釜布(ふるかまっぷ)に上陸したのは、8月20日の午前8時30分。 先ずは、日本政府の援助で作られた「友好の家」に立ち寄った。 そこでロシア式のパンと塩の歓迎を受けた後、地区の行政府に向かった。 ソロムコ首長兼議長を表敬訪問するためだ。 

 9月の南クリル地区首長選挙で再選されたばかりのソロムコ氏は、大柄で貫禄のある人物。 「この地域の開発は進んでいる。子供の数も増えているし、住民の平均年齢も若い。ロリア政府によるクリル開発計画で保育園の整備が進んでいるため、待機児童の問題はない。失業率は1%程度ではないか」という趣旨のことを話していた。 具体的な数字の言及はなかった。 残念ながら、正確な事実は確かめようがない。

 午前中は、保育幼稚園「アリョンカ」の視察、郷土史博物館の見学という日程。 昼食の後は、ロシア正教会の見学、古釜布墓地の墓参、商店視察、住民交流イベント(着物ショー等)、夕食交流会という流れだった。  全てロシア側が決めたプログラムだ。

 数年前には舗装されていなかったという港から行政府までの道は、整備されていた。 新しい住居の建設も進んでいるようだ。 他方、整備されていない砂利道もあちこちにあった。 老朽化した建物もかなり残っている。 地元紙の記者から、「古くなった建物の住民をどうやって新しい建物に移していくのかが、行政の大きな課題になっている」と聞いた。

 視察した古釜布の保育幼稚園では、2才から7才までの園児110人を預かっているとのこと。 保育園の先生によると、子供たちの両親は共働きのケースが多いとのことだった。 どんな職業に就いているのか聞いたが、明確な答えはなかった。

 交流団訪問時は、3~4才のロシア人の子供たちが昼食を食べていた。 皆、とても可愛かった。 「幼稚園好き?」「日本のこと、知ってる?」と話しかけてみたが、食べることに夢中で(笑)、ほとんど会話にならなかった。 

 街の商店は、食料品を扱う店が多かった。 洋品店、薬局、おもちゃ屋、家電販売店もあった。 食品店の品揃えは豊富だったが、ほとんど同じものを売っていた。 競合しないのかなあ。

 あ、飛行機が降下を始めた。 シートベルトサインも点灯。 この続きは、「初めての北方領土訪問:その2」で。 

   
山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」