2013年9月17日

 フランクフルトー東京間の飛行機の機中からのブログ。 恐らくあと数時間で成田に到着する。

 ビゴー仏国原子力庁長官とのバイ会談は、中身の濃い意見交換になった。 細かいやり取りについては書かない。 が、さすがは原子力の専門家。 問題の本質をズバリと指摘していた。

 ビゴー長官は、4、5ヶ月前(?)にも、フィオラゾ仏国科学技術担当相と共に来日している。 在東京フランス大使館で会って以来だ。 フランス政府との連携の重要性を再認識した。

 さて、今回の出張の最大の目的は、日本政府代表(=安倍内閣の科学技術担当大臣)として、IAEA総会で演説することだった。 総会では、最初に天野事務局長の再任を含む幾つかの議事が承認された。 その後、各国代表によるスピーチに移った。 

 日本政府の演説は、ロシア、EU代表のリトアニアに次ぐ3番目。 理想的なポジショニングだ。 日本の後は、米国、イランだった。 国連機関の総会で、日本の演説が米国より先というのは、ほとんど例がないのではないか? 東京電力・福島第一原子力発電所の事故がそれほど世界の注目を浴びているという証左だ。 が、小澤ウィーン国際機関代表部大使の交渉力(=政治力)も見事だった。

 演説は全て英語でやった。 ちょっぴり苦労したのは、ポディアム(演台)が思ったより暗くて、字が読みにくかったこと。(もう少し文字のフォントを大きくしてもらえばよかったかなあ…) スピーチの時間は18分。 発音はともかく、ひとつひとつの言葉に誠意を込め、抑揚をつけてハッキリ話した。 安倍政権のエネルギー政策、福島第一原発の汚染水漏れ問題への取り組みの概要を説明すると同時に、北朝鮮の核問題にも言及した。

 総会演説後の記者会見には、小澤代表部大使、近藤原子力委員長にも同席してもらった。 会見室には、各国の記者たちが集まっていた。 日本のメディアはもちろん、米国のブルンバーグや中国の新華社通信の記者からも質問が出た。 ほとんど自分が対応した。 落ち着いてさばけたと思う。 記者会見終了後、そのままウィーン国際空港に直行した。

 各国からの関心が高い汚染水漏洩問題に関しては、午後に設けられた説明会(サイドイベント)で、日本政府代表団として総会に参加した規制委員会関係者や経産省担当者から、(技術的な点も含めて)詳細な説明が行われたはずだ。 大勢の各国メディアが集まったらしい。

 今回のウィーン出張で強く感じたのは、原子力政策の分野における日本の国際社会での存在感の大きさ。 総会議長のスピーチでも、IAEA事務局長の言葉の中でも、各国代表の演説でも、(当然のことながら)「フクシマ」が何度も登場する。 米国政府もフランス政府も、福島第一原発をめぐる様々な状況、日本政府の取り組みを注視している。 彼らが特に気にしているのは、日本のエネルギー政策の方向性だ。

 日本に着く前に、何か少し食べておこう。 この続きは次回のブログで。

 
山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」