2013年9月11~12日

 9月13日の夜。 夕食の準備をする前に、ブログの続きを書く。 「サマーダボス会議」で遭遇した中国の内部事情に詳しい某日本人ジャーナリストが、「政治家では山本さんのブログが一番、面白い!ずっと読んでますよ!」と話していた。 半分、お世辞だと思うが、中身をフォローしているのは事実のようだ。(ニッコリ) 

 少なくとも、ちょっと面白くないことを言われたら、知り合いの記者に一生懸命電話して悪口を広めようとするタイプの小心者政治家とは、発信力のレベルが違う!(笑) よしっ、今日も頑張って更新しよう。 念のために言っておくが、特定の政治家が頭にあるわけではない。(笑X2)

 さて、ここからは「サマーダボス会議」で最初に参加したセッションに関するブログの続き。 ディベートが始まる直前、隣に座っていた気鋭の中国人研究者(北京大学助教授)にこう聞いた。 「Dr.Meng、ディベートは、もちろん、英語でやるよね?」 

 自分よりずっと英語の上手いこの助教授の答えは意外だった。 彼は、3人の同時通訳者が座っているブースを指差しながら、こう言った。 「いや、山本大臣、私は(相手の主張は英語で聞くが)発言を中国語でやる。そのほうが議論しやすいからだ。あなたも日本語でやったらどうか?我々は力を合わせて、このゲームに勝たねばならない!」と。

 それでも、(この時点では)ブロークンイングリッシュでやり抜こうと思っていた。 モデレーターがセッションの口火を切った。 最初にフォーラムのテーマである「ビッグデータは過剰評価されている」という説に関して、聴衆によるネット投票が行われた。 スクリーンに映し出された数字は、賛成が5割、反対が4割だった。

 この結果を受けて、さっそく4人のパネリストによる5分ずつのプレゼンが始まった。 最初のスピーカーである米国人企業家が、モダンなポディアム(演台)を離れて、聴衆の前に立った。 身振り手振りを交えて、「なぜ、ビッグデータが単なる流行に過ぎないのか?」を雄弁に語った。 

 続けて、チームメイトである中国人助教授が同じスタイルで、逆の論陣を張った。 ビッグデータの重要性を、中国語で熱っぽく訴えた。 3人目のスピーカーであるガーナ人の政策研究所所長も、ボディーアクションとユーモアを交えながら、流暢な英語で「ビッグデータの負の側面」をアピールした。

 この様子を見て、政治家としての血が騒いだ。(笑) これは負けるわけにはいかないな、と。 しかも、自分だけが、「用意して来た英語の資料を読みながら発言する」などということは出来ない。 そこで方針を転換。 日英の同時通訳を使うことにした。 モデレーターに「多岐に渡る分野をカバーする大臣」と紹介された後、ゆっくりボディアム(演台)から離れた。 先ずは、英語で次のように話した。

 「参加者の皆さん、今回のセッションは全て英語でやるつもりでした。が、3人のパネリストの熱意に触発されました。この議論は負けたくない。だから、母国語である日本語でやらせてください!」 会場からのささやかな拍手を受けて、しゃべり始めた。 地元の演説と同じように、全身を使ってメッセージを届けた。  いつものライブパフォーマンスだ。 僭越ながら、演説のインパクトなら、誰にもひけは取らない。 何しろ、18年間も政治家をやっているのだ。(笑X2)

 あ、ご飯が炊けた。 これから魚を焼く。 味噌汁とサラダと納豆のコンビネーションでいこう!! 成田空港に向かう前に、もう一本、ブログが書けるだろう。 


山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」