2013年9月6日

 間もなく夜9時。 食後のヨールグルを食べながら、パソコンのキーボードを叩いている。 今晩のメニューは、ご飯、豆腐と油揚げとワカメの味噌汁、コロッケ、焼き鳥、納豆だった。 美味しかった…なあ。 

 2020年のオリンピック開催地決定まであと2日。 安倍総理もブエノスアイレスに入る。 毎晩、寝る前にこうつぶやいている。 東京への招致が成功しますように! 

 さて、ここからはフィリピン出張報告の続き。 クラーク経済特区からマニラ市内のホテルに戻ったのは午後5時。 午後5時30分に予定されていたデル・ロザリオ外務大臣との会談は、30分以上、遅れた。 この日、ロザリオ外相は本当に忙しかったのだ。 それでも、ちゃんと時間を作ってくれた。 カズミン国防大臣とは、翌日の朝8時30分から会談した。 両大臣と中身の濃い議論が出来た。

 ロザリオ外務大臣は73歳。 フィリピン主要企業の役員を多く務めて来た財界の重鎮だ。 長年に渡って、マニラ首都圏マカティ市長を務め、2010年の副大統領選挙にも当選している。 次期大統領候補の1人と言われる大物政治家だ。

 物腰は柔らかだが、1つ1つの言葉に重みがある。 領有権の問題では一歩も譲らない。 アキノ大統領の信頼も厚く、大統領に何でも直言出来る唯一の(?)閣僚だと聞いた。 ロザリオ外相は、「日本とフィリピンの関係はスーパー同盟だ」と言うほど、対日関係を重視している。 日本政府は、こういう人を大事にしなければならない。 心からそう思った。

 外相との会談では、先ず自分から議論の口火を切った。 海洋政策担当大臣として、海洋分野における日本とフィリピンの協力の推進を担っていきたいと考えていること、南シナ海と東シナ海の問題は繋がっており、いかなる国であっても「力による現状の変更」は認められないこと、法の支配が早期に確立されることが何より重要であること等を述べた。 併せて、尖閣をめぐる日本の主張についても説明した。

 これに対して、ロザリオ外相からは、南シナ海の問題等に関するフィリピン政府の立場やASEANの現状についての話があった。 外相との細かい議論の中身は書かない。 が、会談の最大の成果は、領土担当大臣(及び海洋政策担当大臣)である自分とロザリオ外務大臣との間で、改めて「力を背景とした一方的な現状変更の試みは許されない。法による支配の確立が最も重要だという強いメッセージを日本とフィリピンが共に国際社会に発信していくべき」という認識で一致したことだ。

 コラソン・アキノ政権下で大統領警護隊長を務め、陸軍司令官としても活躍したカズミン国防大臣との会談でも、同様のやり取りがあった。 今回のフィリピン出張は、直前まで日程が固まらなかった。 あまり報道はされなかったが、このタイミングで、フィリピンの外務大臣、国防大臣と会談し、領土・主権の問題等について意見交換出来たことには、大きな意味があったと確信している。 あ、お湯が沸いた。 続きは熱いほうじ茶を飲んだ後で。

追伸:正式な会談が終わった後、ロザリオ外務大臣と立ち話をした。 リラックスしたいい雰囲気だった。 通訳抜きでこんな会話を交わした。 

「山本大臣はとても若く見える。まるで20代の青年みたいだ。(笑)」 「ええ、外相がおっしゃったように、実際の年より若く見えるとよく言われます。でも、私は、18年も政治家をやっているベテランなんです!」「ああ、そうか。山本大臣は、5歳から政治家をやっているってことですね!(笑X2)」    


山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」