2013年9月5日:パート4

 午後6時40分。 成田空港到着まであと1時間。 フィリピン出張報告のNo.4が書けそうだ。

 スービック経済特区に続き、クラーク経済特区を視察した。 クラーク地区に着いたのは昼1時前。 さっそく、開発を担当するクラーク開発公社(CDC)のドゥガテ長官を訪ねた。 「日本の山本大臣がクラークに来ると聞いて、中国への出張を取り止めた」とのこと。 本当だったら、スゴく嬉しい。(笑) 

 CDCで特区の説明を受けた後、中心街、クラーク空港を視察した。 ドゥガテ長官自ら、同じバスに乗って同行してくれた。 クラーク地区で奮闘するヨコハマタイヤ・フィリピンの工場にも立ち寄った。

 クラーク空軍基地跡地である経済特区は、スービックと同じルソン島のパンパンガ州アンヘレス市にある。 マニラの北約80kmの位置になる。 総面積は33.400ha。 特区内には、国際空港、工場、ホテル、ゴルフ場、免税店、カジノ等がある。 進出日系企業数は32社だ。  スービック経済特区と同様の税制、関税等の優遇措置が設定されている。

 クラーク地区の最大の強みは、何と言っても大規模な国際空港を有していること。 ドゥガデ長官が、「周辺諸国とのアクセスもいいし、スービック地区及びマニラとも高速道路で接続されている。国内の重要なハブ拠点になっている」と力説していた。

 印象に残ったのは、2つの経済特区とも、米軍基地時代の種々のシステム(道路交通網や居住の安全性等)をうまく引き継いでいること。 フィリピン国内で夜に1人歩き出来るほど治安がいいのは、スービックとクラークくらいではないかという話も聞いた。

 米軍基地の施設やインフラを含む様々なシステムを、最大限、地域の経済活性化に活用する。 加えて、種々のメニューを有機的に結合させ、投資先としての魅力を最大化する。 こうした点は、沖縄における米軍基地返還後の跡地利用を考える上でも、参考になると思う。 

 あ、飛行機が降下を始めた。 天候が不安定なせいか、かなり揺れる。 間もなくシートベルトサインが点灯するはずだ。 そろそろパソコンをしまわないと。  

 
山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」