2013年9月5日:パート3

 マニラから東京に向かう飛行機の機中にいる。 成田到着まで、あと2時間余り。 ここからは、フィリピン出張報告の続きを書く。

 9月3日の夜にマニラ空港に到着。 市内のホテルに入ったのは、夜10時半過ぎだった。 9月4日の早朝(午前5時30分)にホテルを出発し、スービック経済特別区に向かった。

 現地での最初のスケジュールは、日系企業関係者との朝食会。 7人の幹部と懇談した。 全員が口を揃えて指摘していたのが、現地の労働力の質の高さとコスト競争力。 「フィリピン人の社員は真面目で熱心。英語も出来るし、手先も器用。何より明るい。この点が特区の最大の強みだ」と。 労使紛争もほとんどないということだった。 

 続いて開発担当機関であるスービック湾首都圏庁(SBMA)のガルシア長官と面会。 特区の状況について説明を受けた。 特区の中心街、スービック湾、旧米軍居留地区を視察した後、代表的な日系進出企業の1つである「日立ターミナルメカトロニクス社」を訪問した。

 スービック海軍基地跡地に設けられた経済特区は、マニラから北西約130km。 ルソン島のサンパレス州オロンガポ市にある。 総面積は67.000haで、シンガポールの面積を上回る規模だ。 港湾、国際空港、工場、造船所、ホテル、ゴルフ場、免税店、カジノ等がある。

 主な投資優遇措置としては、SMBAに登録した企業(国内外問わず)が、関税及び付加価値税の免除、関税及び地方税の内国歳入庁等への支払いの免除を受けられることだ。 特区に進出している日系企業は43社だと聞いた。

 特区の規模や地域の魅力、投資を呼び込むための取り組みには、大きな潜在力を感じた。 が、最大の課題は、スービック港の利用率が低い(計画比の5%)ことだ。 そのため、港湾建設資金の返済が厳しくなったSMBAが、税制のルールを変えようとしていることが日系進出企業との間で問題になっている。 ここはとても残念だ。 SMBA側の善処を求めたい。 

 午前11時過ぎにスービックを発ち、クラーク経済特区に向かった。 移動中の車の中で、昼食(サンドイッチ)を済ませた。 クラーク地区視察の模様は次回のブログで。


山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」