2013年8月24日

 夜。 もう少ししたら、夕食を作る。 今回は、少し柔らかい話題を取り上げる。

 8月10日から10月14日まで、渋谷の「Bunkamura ザ・ミュージアム」で、藤田嗣治(レオナール・フジタ)展が行われている。 金曜と土曜は夜9時までやっていると聞いた。 公務が終わった後、どこかで飛び込めるといいんだけど…なあ。 

 「レオナール・フジタ」は、ヨーロッパで活躍した世界的画家。 いわば、フランスの「クールジャパン」の元祖みたいな存在だ。 「乳白色の肌」と呼ばれた裸婦像は、西洋画壇の絶賛を浴びた。 藤田嗣治画伯の描く「猫」や「子供」にも、独特の雰囲気がある。

 独自の手法や作風はもちろんだが、自分が最も惹かれるのは、レオナール・フジタの波瀾万丈の人生。 陸軍の軍医の息子として生まれ、画家としてフランスに留学。 パリの寵児としてもてはやされる。 ヨーロッパと日本で2つの大戦を経験し、最後は仏の国籍を取り、スイスのチューリッヒで亡くなった。 間違いなく、(今でも)「フランスで最も有名な日本の画家」だろう。

 フランスのジャーナリスト・美術評論家のジャン=ポール・クレスペルが1962年に書いたドキュメント「モンパルナスは生きている」には、当時、モンパルナスで活動していたシャガールやモディリアーニと共に、「ツグハル・フジタ」が登場する。 タイトルは、「V.フジタ、切れ長の目のドン・ファン」だって。 なるほど、女性遍歴もスゴい。

 日本再興のためには、グローパルな人材が不可欠だ。 にもかかわらず、留学を希望する学生の数は、減り続けている。 若者の内向き思考は強まるばかりだ。 今の日本人に必要なのは、大志を抱いて、単身、フランスに渡ったレオナード・フジタの情熱と行動力だと思う。

 さあ、食事の準備をしないと。 より正確に言うと、プロの仕事を手伝わないと!(笑)


山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」