2013年5月18日:パート3

 5月10日の参院沖縄北方対策特別委員会での長谷川岳議員との質疑の内容は以下のとおり。 長谷川氏から提案のあった「北方領土への修学旅行生に、自らの体験をSNS等で発信してもらう」ことについては、何らかの仕組みを考えてみたい。 

 さっそく、事務方に検討を指示した。 うまく立ち上がったら、「プロジェクト岳(がく)」と名付けたい。
  
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平成25年5月10日(金)参・沖北委 長谷川岳議員(自民)

(長谷川君)
 北方領土の問題でありますけれども、戦後67年が経過いたしまして、元島民の方々の高齢化が進んでおります。次世代、時代を担う若い世代に対してしっかりと領土問題を理解してもらうことが重要だと考えております。今後の啓発のあり方、特に若い世代に対する啓発についてまずは山本大臣に所見を伺いたいと思います。

(山本大臣)
 長谷川委員がおっしゃったように北方領土問題解決に向けた粘り強い外交交渉、これを下支えするのは国民世論の結集だと思いますし、先ほども申し上げましたが次世代を担う若い世代の参加が不可欠だと思っております。

 先ほども申し上げたんですが内閣府としては若い世代が北方領土問題に対して関心を持ち、理解を深め自らの問題としてこれを捉えていただくと。こういう啓発活動を展開しておりまして、インターネットこれも先ほども申し上げたのですが、こうした媒体等を用いた広報・啓発や運動に参加しやすい機会の提供等を積極的に行っております。

 具体的にいうと若い世代への啓発ついては、北方領土問題を考えるイベント、委員もよくご存じかと思いますが、あちこちで展開してますし。特に若い世代が集まる商業施設を選んでいろんなイベントをやっているんですけれども、例えば親しみやすいキャラクターゆるキャラでエリカちゃんというのがいるんですけれども、これ真面目な真面目な試みですが、エリカちゃん来るだけで親子連れとても増えるので、こういう広報啓発をおこなうなどの工夫を行ってます。
 
 本年4月のフェイスブックも少し中身を充実させて、いろいろなユーザーの方々が興味を持ってアクセスしてもらえるような内容にできるように日々いろいろと知恵を使っていますので、どんどんそこらへんも進化させていきたいと思います。

(長谷川君)
 大臣が様々なアイディアを持ってご指示をだしていることは十分理解をしております。そのなかで特に私力を入れていただきたいのは北方領土を理解してもらうために領土教育というか、多くの若い世代の方が北方領土を間近に見るきっかけを作るということが非常に重要だと考えます。

 特にですね、次世代を担う中高生が修学旅行の際に北方領土を直接見るということは有効な手段の一つであると考えますが、道東への修学旅行生を増加させる取り組みとして、どのような取り組みを考えているのか山本大臣の所見を伺いたいと思います。

(山本大臣)
 長谷川委員がおっしゃったように修学旅行等で北方領土隣接地域を訪問していただく、間近に北方領土を見てふるさとを追われた元島民の方々の話を聞くということは非常に教育上北方領土問題を理解していただく上では効果が高いとふう考えてます。

 内閣府としては、修学旅行を通じた北方領土教育の一層の拡充を図るための調査・検討を平成22年から予算をつけてやっておりまして、合わせて北方領土隣接地域において北方領土学習を取り入れた修学旅行等を実施する学校に対して、研修費、それからバス等の経費をを補助する取り組みを実施してまいりました。

 調査結果で分かったいろんな課題とか改善策がありますので、これは関係者にフィードバックするとともに、北方領土隣接地域の各自治体、それから北海道根室振興局と連携・協力して修学旅行等の誘致を進めまして、これもご存知もしれないのですが、平成24年度では誘致実績が前年度に比べて倍増いたしました。23年度9校1,095人が平成24年度は17校で2,069人になったと、内閣府としては引き続き修学旅行生の増加も含めた北方領土問題への理解増進に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

 長谷川委員は、わたくしが北方担当大臣として初めて納沙布岬に行く前に数日前に議員会館に来ていただいて、尾立委員の方からも指摘がありましたけれども道東の観光計画というのを有識者の方々と相談してまとめていただいたペーパーというのを大事にとってありまして、やはりここに大勢来ていただくには釧路から納沙布岬だけでなくもっと地域のネットワーク化をやって、全体として非常に魅力ある観光資源にしなければいけないと長谷川委員のおっしゃってたとおりそういう問題意識を持って取り組んでいきたいと思います。

(長谷川君)
 やはり大臣がこの担当大臣になっていただいたというのは、なにかというのは1千人から2千人に増やすことではなくて、1千人から1万人に増やすことだと私は思います。それぐらい絶対数として倍増をご努力でしていただいたことは十分に評価させていただきますが、2千人では全国の中でこの領土教育の中での2千人っていうのは、私は少ないと思います。

 やはり重要目標として1万人の大台に乗せるぐらいの大掛かりな目標設定をしていただきまして、我々の議員や委員やあるいは北海道全体としてでもしっかりと取り組んでいきたいと思いますので、大臣に大きな事業目標を立てていただくことをお願いできないかと、思いますがいかがでしょうか。

(山本大臣)
 ここで今何人かっていうのを申し上げるわけにはいかないかと思うんですけれども、長谷川委員のおっしゃたことをしっかり踏まえて、もうちょっと大幅に修学旅行生が増えるような仕組みをいろいろと考えたいと思います。

 それから、まず隗よりはじめよで、ご存知かとは思いますが、納沙布岬に行ったときに与野党の議員の方々にも来ていただきたい、わたくし自民党の議員なわけですから、その場で石破幹事長と高市政調会長にお願いをして、橋本聖子参院政調会長が中心となって少なくとも自民党で当選した議員110数名は全員見に行っていただいて、確か、6月の初めに第1陣が出ると思いますが、こういうところからも集客といいますか、観光客あるいは修学旅行生を増やす一助にしたい。そういったネットワークを国会の中でも作りたいと考えております。

(長谷川君)
 大臣、もう一つこれをやっていくためには、観光予算なるものが必要だと思います。沖縄振興予算は3千億のうちに沖縄で観光費がだいたい90億を超えております。ですから全体予算のうち3パーセントくらいは観光の予算があるわけです。ところが、北海道の場合はこういった事業をやりたくても実際には6億、沖縄の15分の1という予算でしかありません。

 我々がこういったことをやっていくというのは、もちろん北海道局との連携というのもありますけれども、いまの予算では400万円、北方領土を見る修学旅行誘致事業調査というのは、これだけではこういった大きな目標を達成することはできません。沖縄北方担当大臣としては、沖縄の観光予算がもっともっとつくことは大事なことだと思いますしこれ自体の話でははく、同時にですね北海道の北方領土、領土教育のための予算付けというのが重要であると思いますがいかがでしょうか。

(山本大臣)
 観光予算等々ということになりますと関係各所とありますので、わたくし、ここでなかな言いにくいこともあるのですが、長谷川委員の問題意識というのはしっかりと頭の中に入れておきたいと思いますし、沖縄担当大臣もやっておりますが、北方対策も大変大事だと思って一生懸命やっておりますので、そういう気持ちで取り組んでまいりたいと思います。

(長谷川君)
 もう一つ付け加えさせていただくと、1万人等の計画ができますと修学旅行生の行った学生に発信をしてもらうというのは、やはり行った学生たちが大臣が始めたツイッターやあるいはフェイスブックで発信していただくというのはかなりの発信効果、発信力の向上につながると思います。

 ですから、修学旅行生に単に来てもらうだけではなく、そこから発信をしてもらう仕組みを大臣のアイディア、我々ももちろんバックアップをさせていただきたいと思いますので、修学旅行生見てもらうだけではなく、発信してもらうようにしたいと思いますがいかがでしょうか。

(山本大臣)
 今のお話は、事務方とどういった方法があるか検討させていただきたいと思います。

(長谷川君)
 えとぴりかのお話にさせていただきたいと思います。啓発事業でこのえとぴりかを24年度から新たな船となって使用されておりますが、啓発事業においてもこの船舶を活用することが多くの若い世代にも受け入れられるきっかけともなるのではないかと思います。

 このえとぴりかの活用について、北方4島の交流事業だけではなく、啓発事業にもえとぴりかを活用することについての見解をお伺いしたいと思います。

(山本大臣)
 今長谷川委員のおっしゃったことまったくはわたくしの問題意識と同じでありまして、えとぴりかせっかく就航したんだからもっと使えないのかという問題意識を少し内閣府にも投げて色々検討をしていただきました。内閣府においては、北方4島交流事業期間前後において全国の主要な港に立ち寄って青少年を対象として洋上研修、一般公開による北方領土問題等の船上展示会を実施したいと考えております。

 実は、4月28日29日に東京湾の多目的ふ頭において一般公開のイベントを開きまして、わたくしも行ってまいりました。北方領土問題に対する国民の理解と関心を高めるために地元の要望、今の長谷川委員のご指摘も踏まえて更なる効果的な活用について考えてまいりたいと思います。

(長谷川君)
 若い世代の啓発ということでえとぴりかの活用並びに大幅な修学旅行生の拡大ということで各省庁との連携というものについて、もう1回連携をしていただけると協議してくださるという確約を取りたいと思いますがいかがでしょうか。

(山本大臣)
 えとぴりかの活用については、いろいろな意味で広げられるように関係大臣と努力をしてまいりたいと思います。修学旅行についても先ほども申し上げたとおり、何人どうのというのを今この場では申し上げられませんが、長谷川委員の問題意識も踏まえて更なる増加を目指して対策を考えてまいりたいと思います。

(長谷川君)
 北方領土の問題については、戦後67年ということで先月のプーチン大統領の会談も含めて非常におおきな流れができ始めていると思います。この北方領土の問題の解決に向けて全力を尽くしていただくことを表明していただきたい。それで質問を終わりにしたいと思います。

(山本大臣)
 納沙布岬を訪問させていただいて、元島民の方々、返還要求運動にずっとたずさわってこられた方々、後継者として返還運動を引き継いできた方々、こういう方々に会いまして、北方担当大臣としての責任の重さを痛感しております。

 わたくしの場合は北方担当大臣というの加えて領土担当大臣というのもやっておりまして、北方領土問題について内外発信をしていくというのもありますのでそういったことも組み合わせながら自分できる限りの力を使ってこの問題に貢献ができるよう頑張ってまいりたいと思います。
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  この委員会での他の議員との質疑の中身も、順次、ブログに掲載していく。


山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」