2013年4月28日:パート3

 夜10時過ぎ。 自宅の居間にいる。 明日からの米国出張の準備を始める前に、本日3本目のブログを書いてしまおう。

 4月24日の午前中は衆院内閣委員会にフル出場。 同日の夕方には、参院予算委員会の集中審議(総理出席、テレビ中継入りの審議)で答弁に立った。 みんなの党の柴田巧議員から、科学技術イノベーション政策の司令塔強化について質問があった。 柴田議員は、以前から総合科学技術会議の機能強化に前向きな意見を述べている。 科学技術担当大臣として、この質問は嬉しかった。 内容は次のとおり。

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4月24日 参議院予算委員会 (み)柴田 巧議員
質疑録<抜粋>

(柴田巧議員)
 続いてもう一つ、国家戦略として、これで大丈夫かと心配をしてきておりますのが、科学技術の問題であります。昨日も総合科学技術会議の本会議があったと承知をしておりますが、ご案内のように、日本のこれからの新たな戦略を作る上で大事な政策ですが、その本来、司令塔たるべき総合科学技術会議が十分に今まで機能していなかった。従って、その機能強化を図ろうと議論が進んできていることは結構なことだと思っております。

 が、一番大事なのは、予算配分権限を持つこと、そしてどう持つかということだと思っております。今のところ、どうも500億円規模の独自予算を持つんだということでありますが、これはどうやって重点的に配分するのか、また、韓国は約7割くらい司令塔が、正式な名称は忘れましたが、持っておりますが、それに比べると500億円というのはあまりに小さすぎるのではないか、将来は大幅な予算配分決定権を持つべきだと思いますが、併せて山本大臣にお尋ねをしたいと思います。

(山本大臣)
 柴田委員が総合科学技術会議の司令塔機能強化に前向きなご意見を持っていただいているということを大変心強く思います。委員ご指摘の府省横断型の研究開発プログラムは、4月17日の産業競争力会議で、総理から府省横断型のプログラムを検討するという方針が示されました。先ほど言及された昨日の総合科学技術会議においても、総理から、このプログラムの対象や配分の仕組みを含めた制度設計を総合科学技術会議が行うように、との指示も頂きました。重要な国家的課題について、イノベーションによって解決を図るため、総合科学技術会議が司令塔機能を発揮して、省庁の枠にとらわれずに、重点的に予算を配分する、こういう予算の配分権を持つ、プログラムを創設するということは非常に意味があると思っています。

 お尋ねの、どうやって重点事業を決定していくのかという点を含めて、今後、総合科学技術会議において、しっかりと議論をして決めていきたいと思いますが、総理から、総合科学技術会議の司令塔機能について、権限、予算両面でこれまでにない強力な推進力を発揮できるよう、抜本的な強化策を具体化すべく検討する、という方針が示されております。もちろん、科学技術予算の戦略策定などにもう少し深くかかわっていくなど、様々な方策があると思いますが、まずこの府省横断型のプログラム創設、これは司令塔機能の強化のための重要な柱の一つであり、これは是非、抜本的強化の一環としてやっていきたいと思います。

 最後に申し上げますが、少なすぎるのではないかというお話がありましたが、司令塔強化は、予算の配分権限だけではなく、どうやって政策決定プロセス全体に影響を与えていくかといった観点もありますので、いろんな選択肢の合わせ技でしっかりと機能強化していきたいと思います。

(柴田巧議員)
 是非、その機能が一元化されて、真の司令塔が作られることを期待をして、また、これから見守って、いろんなことを申し上げたいと思いますが、と同時に大事なのは、器の問題もさることながら、人材の問題だと思います。特に、司令塔であるとするならば事務局体制の強化が必要だと思いますが、人数も正直海外と比べると司令塔としては少ないと思いますし、何よりも出向者だけでなくてプロパーの職員を増やしていく、あるいは民間から優秀な人材を登用して調査分析機能を強めるということが重要だと思いますが、この点はどのようにお考えでしょうか。

(山本大臣)
 大変重要なご指摘を頂きました、ありがとうございます。分析・調査機能を高めるためには事務局体制の強化、これは司令塔機能強化に係る検討課題の一つだと考えていまして、これまでも関係各省、民間から事務局に人材を集めてまいりましたけれども、委員のおっしゃっている問題意識は私も共有しておりますので、プロパー職員を含めて引き続き優秀な人材を採用・育成していきたいと思います。

 加えて、もう一つ申し上げますと、事務局の分析・調査機能を高めるためには、研究開発独立行政法人等の政府関係機関が有する調査分析機能も有効に活用していくということで、この方策についても検討していきたいと思います。

(柴田巧議員)
 総合科学技術会議の改革が進んでいるのは結構なことですが、これはやはり、総理、政治の強いリーダーシップがなければできないものだと思っております。総理は、政権発足以降、非常に安全運転でこられて、官僚とぶつかることをあえて避けておられるような感が否めません。公務員制度改革、あるいは行政改革について、またお聞きをする機会を持ちたいと思いますが、いずれにしても、縦割り行政を排して強い司令塔を作るには総理の極めて強いリーダーシップが求められると思いますが、どのようにこの総合科学技術会議を真の司令塔にしていくのか、総理にお聞きをしたいと思います。

(安倍総理)
 委員がご指摘されたように、特にこの科学技術については文科省、経産省、あるいは厚労省にそれぞれ予算がついている訳でありますが、しっかりと総合科学技術会議が権限をもって、そして責任をもって、その見識において司令塔機能を発揮し、長期戦略の下にしっかりと予算を配分していく、また政策を作っていくということが求められているわけでありますが、省庁の縦割りを打破した政策を推進していくことは、科学技術イノベーションを推進する上で極めて重要と認識しております。

 私は、総合科学技術会議の司令塔機能強化の一環として、イノベーションにより解決を図る重要な国家的課題に、重点的に政策資源を配分する、府省横断型の研究開発プログラムの創設について検討を指示しました。総合科学技術会議を活性化させまして、関係府省の連携取組の旗振りを私が積極的に担うことによって、今、委員からも、もっとしっかりやれということを、摩擦を恐れずやるということでしたので、しっかりと旗を振っていきたいと思いますが、総合科学技術会議の司令塔機能を抜本的に強化し、イノベーションを創出する政策を強力に進めていきたいと考えております。

(柴田議員)
 これからの我が国にとって極めて重要な、成長戦略にとって重要な司令塔になると思いますので、是非総理の強いリーダーシップをお願いし、期待したいと思います。
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山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」