2013年4月27日:パート3

 間もなく夜11時。 眠い目をこすりながら、本日3本目のブログをしたためている。 

 数日前から左の手首にはめている数珠。 右手で触ると、不思議なエネルギーを感じる。 何か大きな存在(宇宙?)に繋がり、守られているみたいな…。 まあ、何でも気の持ちようですから、ね。

 さて、なかなか掲載する暇がなかった4月24日の衆院内閣委員会での審議の内容を記録しておく。 最初は、民主党の岸本周平議員との質疑。 

 通産省のシステム課長も経験している岸本議員の指摘は、さすがに鋭い。 最後の「(今回の法案審議は)与野党強調して国益のために前に進めていく素晴らしい事例」というフレーズが印象的だった。 岸本氏とのやり取りは以下のとおり。

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平成25年4月24日(水)衆議院・内閣委員会(民主) 岸本周平議員
議事メモ<抜粋>

(岸本周平議員)
 それで実際にこれから作業をしていただくわけですけれども、プロジェクトマネジメントという考え方があるんですけど、ITのシステム開発などをするときにですね、大事なことなんですが、これがなかなか政府は得手が悪いし、実はベンダーさんもですね、なかなか完璧なプロジェクトマネジメントできるところが少ないわけですから、何が起きるかというと、システム移行する際に、地方公共団体の職員さんが全部背負っちゃうんですね。

 ベンダーさんは高い料金だけ請求するんですけども、プロジェクトマネジメントが下手なのが全部現場の職員さんにシワがよってしまう、こういうことが実際に多いわけで、今年の2月22日の朝日新聞ですけども、2008年5月19日、宮崎県新富町役場の職員だった松本美香さんが自死されていると、これはまさにシステム移行の際の過労死に近い大変な状態だったというわけであります。

 そういう意味で、総務大臣と山本大臣にお聞きしたいんですけども、総務省として、本当に地方公共団体がこれからマイナンバーを入れていく中で、大変な負担をしていく。それに対してどのようにお考えなのか。山本大臣としては、政府CIOを指導する立場としてですね、国として、あるいは政府CIOとして、何か地方公共団体のシステム移行に対してできることはあるとお考えなのかどうか、それをお聞きしたい。

(新藤大臣)
 このマイナンバーを導入するというのは、電子行政の推進、IT化、この中の中核をなすものです。私は、このIT化は、行政サービス又は民間の皆さんの、国民の暮らしの利便性の向上とあわせて大幅なコストカット、これを実現するものを追求しようじゃないかと、こういうふうに思って省内でも色々な研究をされています。

 今の部分というのは、まさに肝の部分でありまして、住基ネットの導入のときも、今となっては仕方がありませんが、それぞれの導入市町村ごとに基本設計と、住基ネットのシステム導入の基本設計と実施設計を別々にやったんですね。そして、それぞれの役所が使っているメーカーが違います。それから母体となっているのも、住基台帳を使う役所もあれば、社会保障の方の、保険の方の番号を使う役所もございました。

 ですから、もとがバラバラで、使う企業がバラバラで、全国で一律で使うのに、別々に自治体が作ったわけですね。だから、これは無駄ではなかったのかと、こういう素朴な疑問がございました。ですから今回ですね、できるだけ、共通、共有できるものは共有しようと、そして、基本的な部分は、我々総務省でガイドラインを作って提供しようじゃないかと。で、自治体においても各企業さんにおいても、使えるものはできるだけ共有してくれと。こういうことを、私、通達したいというふうに思っています。

 それから、何よりも、業者任せにしないということは、職員のその業務に対する精通度を上げるということであります。ですから、研修などもしっかりとやっていただくような、そういったことをお願いしようと思っています。さらには、住基ネットのときにできなかったのは、今回できるようになるのは、これはやっぱり自治体クラウドですね。ですから、そういう情報処理のですね、新しいものを入れた中で、コストカット、コストダウン、こういったものを図りたいというふうに思っています。

 是非ですね、色々また、お知恵があればいただきたいと思いますが、いずれにしても予定した予算よりもカットできること、それがIT化のメリットを見せるという意味においても、私達は挑戦していきたいと、このように考えております。

(山本大臣)
 岸本先生は本当にシステムの専門家なので、よく御存知だと思うんですけども、とにかく大規模で複雑で、全面刷新を伴うようなプロジェクトについては、遅延したり中断したりということがよくあってですね、これも新藤さんの方からありましたし、主な原因としては、やはりプロジェクト管理能力がなかったり、あるいは、もともと技術力が不十分な業者を選んでしまうとか、調達プロセス上の問題があるので、そこについて細かく申し上げる時間もないと思うんですが、とりあえず政府として、しっかり発注力を上げるということをきちっとやって、あまり能力のないベンダーが地方公共団体に何かを押し付けると、そういう状況が起こらないようにですね、色んな改革を政府内でもやっていきたいというふうに思います。

 その上で、地方公共団体との話ですけども、CIOは総合調整を行うということですから、司令塔機能を発揮しながら総務省等の関係省庁と十分連携していきたいと思いますし、今度の法案でも、地方公共団体の協力については、協力の求めがあったときにはIT調達に関する情報提供などの協力を行うことにしているということですから、そういう意味で、何度も御指摘をいただいていますが、政府CIOとしてもしっかり総務省と協力してやっていくように指示をしていきたいと思います。

(岸本周平議員)
 それでは、山本大臣に引き続きお伺いしたいと思います。本当にマイナンバーのシステムというのは大きなチャレンジです。日本政府にとっても、これだけ大きなシステム開発をするというのは大きなチャレンジであります。そのために、実は、政府CIO法案というのがこの中に入っていまして、今、遠藤さんがやっていただいていますけれど、これをきちんと法的に位置付け、権限を持たせ、特に修正案は素晴らしい修正だと思います。

 政府CIOにこれまでにない権限を持っていただいて、勧告権まで持っていただくということであります。特に今、遠藤さんは本当にですね、業務改善の専門家で、素晴らしい、ものすごく目を光らせていただいています。しかしまあ、一人で全部やるというわけにはいきません。本当に今、システムを開発するにはですね、色んなものを考えていかなくちゃいけない。特に、日本の場合、政府が一番欠けているのはトータルのシステムデザインですね、

 そういうことをする能力が著しく欠けていて、ベンダー任せになってしまっているということであります。で、色んなアプリケーションを見たり、システム全体の設計あるいはさっき言ったプロジェクトマネジメントもしていかなくちゃならないし、何よりですね、システムデザインという意味では、CTO(チーフテクニカルオフィサー)的な部分も必要であります。政府CIOにCTO(チーフテクニカルオフィサー)まで求めていくというのは大変ですから、補佐官が必要になってきます。補佐官も、今回は一括して政府CIOの下に集めてですね、CIOに対するアドバイスとともに、各省にもそこから派遣するという形で、随分と、実は私、政府CIOを作ったときの担当課長だったんですが、運用が上手くいかなかったのを今回、前に、前進させていただいていると思います。

 さはさりながら、政府CIOの補佐官に、どなたに来てもらうのか、これがまたすごく大事なことであります。政府CIOは、大変良い方に来ていただきました。しかし、これまた任期もありますから、また次の方も育てていかなくちゃいけないし、政府CIO補佐官にどうやって来ていただくのか。今ですね、仮にベンダーさんが、自分の社員を政府CIO補佐官に出してしまうと、そこは実はなかなか政府の仕事が受注できないということになっています。それはそうかもしれません。インサイダーになってしまいますから。

 しかし、そうなるとベンダーは、優秀な社員を出しません。また、日本は職業の流動性がアメリカのようにありませんので、一本立ちしたですね、優秀な人が渡り歩いて、じゃあ今は2年間政府に入ってやろうというような形もなかなか取れない中でですね、例えば金融庁なんかは幸い証券会社とか銀行が倒産したこともあって、割と流動性ができてまして、2年くらい政府で働いてもいいよというのがたくさん出ました。

 是非ですね、今回、CIO補佐官をお選びいただくときに、今言ったようなベンダーから出たらそこは受注できないよというのがいいのか、むしろインサイダーはいけませんけども、その辺のですね、政府CIO補佐官のどういう形で来ていただくのかについて、是非、山本大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

(山本大臣)
 大変鋭い御指摘だなと思うんですが、社会保障・番号制度に関するシステムは、これも非常に大規模かつ多岐にわたるので、標準化・共通化を図って、可能な限りシンプルに整備するためには高度な専門性が必要だというふうに考えていまして、政府CIOが専門的な立場から司令塔機能を発揮してもらうということも非常に大事だと思っています。

 これはもう、おっしゃったとおり十分に機能するためには、政府CIO補佐官が大事だということで、4月1日から7名採用して、プール制ということで今おっしゃいましたけど、体制の充実には努めております。そして今御指摘のあった調達の透明性・公平性を確保する観点からCIO補佐官が所属するベンダーは、当該CIO補佐官が直接担当する調達には入札できないということで、まったく御指摘のとおり、民間から優秀な人材を確保するためには、業務内容とか処遇とかキャリアパスなどを含めた総合的な対策が必要だというふうに思っています。

 総合的な対策は何かということになるとですね、これもなかなか難しいんですが、一言で言うと政府CIO補佐官というポストを魅力のあるものにすると、これに尽きるのかなと。

 色々、内閣のスタッフの方とも議論して、そういうふうに考えていまして、政府CIO補佐官の業務をハイレベルな人材が持つ知識・経験を存分に発揮することができる魅力的なものにすると、ちょっと抽象的ですが、こういうことに限るのかなと思ってですね、今、民間の話もありましたが、民間のハイレベルな人材に相応しい、相当するような給与面での適切な処遇というのも大事だと思っていましてですね、政府CIOの現在の給与は民間企業の部長クラスということですが、この辺についても少し考えなければいけないと思いますし、あるいは政府CIO補佐官として実績を残した人材が適切に評価されて、民間企業とか地方公共団体のCIO等に後で迎えられるとか、そういうキャリアパスをですね、たどれるようにすると、こんなことが大事だと思っていまして、いずれにせよ、こういうことを総合的に推進して、政府CIO補佐官を社会的に認知された、より魅力的なポストとすると、こういうことで優秀な人材を図るということで、これについては是非、岸本委員の御所見もいただきながら、検討させていただきたいというふうに思っています。

(岸本周平議員)
 どうもありがとうございました。各大臣から、大変説明が明快で議事録として、必ず国民の皆様にわかりやすく御理解いただけると存じます。そしてこれは、与野党まったく関係なく、与野党で対立することばかりがマスコミに取り上げられますが、与野党協調して日本の国益のために、国民の利便のために、行政の効率化のために、前へ進めて行く、素晴らしい事例のひとつだと思いますので、担当大臣の皆様にエールを送って、私の質問を終わります。ありがとうございました。
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山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」