2013年4月9日

 夜7時過ぎ。 少し早めに帰宅した。 炊飯器のスイッチを入れ、パソコン画面に向かっている。 今晩のメインディッシュは焼き鳥だ。 

 本日の衆院予算委員会(テレビ中継入りの集中審議)で、民主党の某議員から質問通告をもらっていた。 委員会の大臣席に座っていたが、時間切れで回って来なかった。 まあ、よくあることだ。

 さて、少し遅れたが、4月3日の衆院内閣委員会での質疑の内容(未掲載分)を書いておきたい。 民主党の後藤祐一衆院議員からも、CIO法案についての質問があった。 

 「法案の主管」をめぐって突っ込まれた部分もあったが、議事録を読み返してみると、「新たなCIO(内閣情報通信政策監)を何とか機能させたい」という気持ちは同じだ。 法案の担当大臣としても、知恵を絞る余地はあると思う。

 後藤議員とのやり取りは以下のとおり。 山本大臣との質疑が主だし、前後の質問も関連している。ちょっと長くなるが、全体の質疑を残しておきたい。 

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平成25年4月3日(水)衆議院・内閣委(民) 後藤祐一議員
議事録<抜粋>

(後藤祐一議員)
 民主党の後藤祐一でございます。まず伺います。今回の提案されておられます「内閣法等の一部を改正する法律案」の閣議請議大臣と所管大臣はどなたでしょうか。

(平井委員長)
 何大臣に質問でしょうか。

(後藤祐一議員)
 所管大臣に聞きたいと思います。

(甘利大臣)
 番号法案は私が所管しております。

(山本大臣)
 今回の「内閣法等の一部を改正する法律案」の、いわゆる政府CIO法案については内閣官房から提出した法案であり、その閣議請議大臣は内閣総理大臣だという風に思います。

(後藤祐一議員)
 今の法案の所管大臣はどなたになるんでしょうか。

(山本大臣)
 申し訳ありません。所管大臣は私でございます。CIO法案の。

(後藤祐一議員)
 内閣法の所管、あるいはIT基本法の所管どちらのことをおっしゃっているのでしょうか。

(加藤官房副長官)
 内閣法の所管ということでご質問があろうかと思いますが、内閣法の所管は、基本的には、今回の法律として申し上げれば、内閣総理大臣ということで、内閣総理大臣が、閣議に、閣議請議大臣は総理大臣、こういうことになっております。

(後藤祐一議員)
 先ほど山本大臣は、私は所管でございますと言ったのはどの部分でしょうか。今回改正されるIT基本法の部分について所管しているということでしょうか。

(山本大臣)
 CIO法案についての所管は私だと意味で申し上げました。

(後藤祐一議員)
 本当ですか。IT基本法は、これは、分担管理事務ではありません。そして、IT戦略本部は内閣についています。つまり内閣法の体系なんです。内閣法の体系のもとにあるものを内閣総理大臣または官房長官以外の大臣が本当に所管できるのか、もう一度お答えください。

(山本大臣)
 本法案は内閣官房における情報通信技術の活用に関する総合調整機能を強化するために内閣情報通信政策監を置く、同時にIT戦略本部の本部員に加えることなどがその内容となっております。情報通信技術による産業・社会構造の変革を円滑に推進するための企画立案等を行うIT政策担当大臣の担務の一環として、私がこの法案を所管し、提案理由説明とか国会答弁等を行うと、こういう建てつけだと思います。

(後藤祐一議員)
 内閣府に属する部分、及び各省に属する部分については、担当大臣が担務を担当することは可能ですが、内閣官房、あるいは内閣法の中で行われることについて、本当に担当大臣が担務することは可能ですか、現行内閣法上。内閣官房副長官お答えください。

(加藤官房副長官)
 基本的には内閣官房長官が担当するという中で、実際今山本大臣からお話がありましたように、それぞれ内閣官房の機能についてそれぞれ担当大臣にお願いをしておるということはこれまでもあったんではないかと思いますけれども。

(後藤祐一君)
 実態上、官房長官や総理がお忙しいから、そういうことされることはこれまでもあったことですが、法律の所管という意味において、そういうことが本当に可能ですか。もう一度お答えください。

(加藤官房副長官)
 すいません、所管という意味では内閣官房長官。そういう意味では今お話があったとおり、実態上はそれぞれの大臣が担当する仕事に応じてやっていただいていると、こういう仕切りだと認識しております。

(後藤祐一議員)
 内閣法、そしてIT基本法の所管は、内閣総理大臣が閣議請議をし、担当するとすればそれは官房長官である、所管するとすればそれは官房長官である、総理であると言ってもいいかもしれません、であると理解してもよろしいですか、今の官房副長官の答弁は。つまり、山本一太担当大臣は、内閣法もIT基本法もそして今回のこの両方を含めた改正案も所管の大臣ではないという答弁だと理解してよろしいですか、官房副長官。

(加藤官房副長官)
 所管うんぬんという話についていえば、今おっしゃったように、基本的に閣議請議する大臣は、内閣総理大臣であるということでございます。

(後藤祐一議員)
 閣議請議大臣が総理大臣である場合、こういった各委員会でその法改正案を審議する場合は官房長官が提案理由説明をし、そして要求があれば答弁に、通常であれば法案審議の間にはそこに座るというのが、当然のことではありませんか。今、官房副長官が、この内閣法及びIT基本法の改正、これについては、山本一太大臣は実態上の問題ではなく法律論として、所管はできないということでよろしいですね。もう一度確認します。

(加藤官房副長官)
 今、所管ということで申し上げたものと、その上に立って国会の中でそれぞれどのような役割を担うのか、そこはこれまでも分けて対応していたのではないかと認識をして、そういう意味ではおっしゃるように所管そのものは基本的にいえば内閣総理大臣、こういうことになろうかと思いますけど、それぞれの法案の性格・内容等に基づいて、それぞれ仕事を担当する、担当というか、分野を持っておられる大臣がこうして答弁をし、あるいは委員会等での提案理由説明も行わせていただいたと、今回はそういったロジックの中でそれぞれ、ここまで運営委員会やこの理事会等のご了解をいただいて提案理由説明等を山本大臣が行ったものと、こういう認識をしております。

(後藤祐一議員)
 質問にお答えください。山本大臣は所管することができないということでよろしいですか。

(加藤官房副長官)
 失礼いたしました。まず所管ということで正確に申し上げると、基本的には内閣総理大臣であって、それを基本的には内閣官房長官が対応させていただいている、所管という部分においては、そういうことであります。

(後藤祐一議員)
 山本一太大臣は所管大臣ではないということが今確認されたということでよろしいですね。しつこいですが、もう一度お願いします。山本大臣は所管大臣ではないということでよろしいですね。

(加藤官房副長官)
 失礼いたしました。所管という意味では、おっしゃる整理でありますが、ただ、国会等の対応等については、先ほどから申し上げているように、それぞれの大臣の持っておられる仕事をふまえながらですね、官房長官以外の大臣にお願いをしてきたということがこれまでもありましたし、今回もそういう中での対応と、こういう風に認識をしております。

(後藤祐一議員)
 所管大臣以外の大臣が提案理由説明をした例をお述べください。

(加藤官房副長官)
 平成16年11月5日の内閣委員会で、当時の棚橋IT担当大臣が、内閣官房から提出された「民間事業者が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律案」いわゆるe文書法案の提案理由説明を行っていると、こういうふうに承知しております。

(後藤祐一議員)
 少なくとも、所管でない大臣が提案理由説明をするということについて、事前に理事会なり必要な手続を踏んで、こういうことで山本大臣が提案理由説明をしてもよろしいでしょうかというようなお申し出はあったんですか。それとも理事会において、通常の手続にあるように、提案理由説明、今日やりますから、この大臣ですといった紙かなんか配られて自然に通っていったってことなんですか。

 本件は、所管が山本大臣でないにも関わらず、山本大臣が提案理由説明をするという、とても変わった事態であるということをきちんと事前に説明し、その上で理事会に説明し、その了解を求めるという手続をとられたんですか。

(平井委員長)
 委員長として、この件について発言いたします。理事会では、その件については議論をしておりません。そのことは事実として報告をさせていただきます。以上です。

(後藤祐一議員)
 大変、失礼な態度ではないでしょうか。官房長官は大変忙しい方です。ですから、官房長官でない山本大臣にこの法案を任せたいという気持ちは分かります。ですが、所管は大事なんですよ。法律の所管大臣にこの法案の審議のその場に座っていただくということは基本的、基本中の基本であります。私は官房長官に聞きたいこといろいろある。今回の勧告権をどうするかとか、他の大臣に対してどうやってそれをやらせるかといったところはこの法案の中心なんです。そこに官房長官が座っているかどうかは極めて重要なんです。

 なぜ、そのようなずさんな手続のもとにIT担当大臣が提案理由説明したのか、これについての、なぜ、つまりですね、官房長官の時間を空けるために山本大臣をこの法案の提案理由説明大臣、とあえて呼びましょう、にしたということですか、山本大臣。

(加藤官房副長官)
 もう一度ちょっと整理をさせていただきたいと思いますけれども、今、所管うんぬんというお話については先ほどからお話させていただいておりますように、内閣総理大臣でありそしてそういう意味での代行者としては内閣官房長官というのはその通りでありまして、しかし、他方で、山本大臣に対しては、情報通信技術による産業・社会構造の変化を円滑に推進するため企画立案及び行政各部の所管する事務の調整を担当させるということで担当をお願いしているところでございまして、そういう担当を持っておられる大臣に、本件についてはお願いをしている、こういう趣旨でございます。

 それから今御指摘にあったようにですね、決して一般的なケースでないというのは御指摘はそのとおりだと思います。そういう意味での理事会等への、あるいはそれぞれ皆さん方にその辺を含めたうえでですね、きちっとご説明していなかったという点については、今後しっかりと対応
させていただきたいと、こういう風に思っております。

(後藤祐一議員)
 まずそれを理事会に諮ったうえで、山本大臣でよろしいでしょうかというこういう事情になっていることを説明をしなかったことについては、大変問題だということを指摘させていただくとともに、委員長にお願いしたいのですが、理事会で今日の朝も議論があったと思いますけれども、今後、この法案については所管大臣である官房長官に必ず来ていただきたい。

 そして、今までなぜ来なかったのかということも含めて、その経緯も含めて次回以降説明していただきたいというふうに思います。それについて、お取り計らいいただけないでしょうか。

(平井委員長)
理事会で協議をさせていただきます。

(後藤祐一議員)
 そして、この法案既に審議それなりに時間が過ぎてはおりますけれども、官房長官がいた場合の審議とそうでない場合の審議は意味が違います。官房長官がそこに座られてからこの審議の実質的な審議が始まると言ってもいいのかもしれません。

 これまでいろんなこの審議の今後の取り運びについて理事の間でいろんなやり取りもあったと思いますし、理事会でもいろんなやり取りがあったと思いますが、きちんと官房長官がそこに座られてから何時間というような議論を特に与野党の筆頭理事の間は特にそうだと思いますけれども、委員長を含めた理事の間で、これを前提とした議論をしていただくようお願い申し上げたいと思いますが、委員長よろしいでしょうか。

(平井委員長)
 理事会で協議をさせていただきます。

(後藤祐一議員)
 このように内閣官房と内閣府って違うんです。そこをあまり甘く見ると大変なことになるんですよ。山本大臣、内閣法と内閣府設置法と国家行政組織法の関係についてお答えください。

(山本大臣)
 詳細については、ちょっとここでは申し上げられないんですけども、内閣官房と内閣府の建てつけが違うということはもちろん存じ上げております。

(後藤祐一議員)
 どう建てつけが違うのか、山本大臣が今存じ上げてる部分をお話しください。後ろに聞かないで今存じ上げてる部分をお答えください。後ろに聞かないで今存じ上げてる部分でと申し上げております。

(山本大臣)
 分担管理事務と内閣補助事務を持っているのが内閣府だと思います。内閣官房は、それより一段高いところで調整機能を果たす、こういう建てつけではないかと思います。

(後藤祐一議員)
 後ろに聞かないと分からないということは分かりましたが、また同じような質問をするので、後ろの人、発言をちょっとしばらくお控えください。できれば下がっていただけませんでしょうか。内閣官房は分担管理事務を持っていますでしょうか。山本大臣お答えください。後ろに聞かないでください。

(山本大臣)
 分担管理事務も持っていると思います。

(後藤祐一議員)
 内閣官房副長官、内閣官房は分担管理事務をお持ちですか。後ろの方、説明しないで、副長官お答えください。

(加藤官房副長官)
 基本的には各省に持っておられるわけでありまして、内閣官房には総合調整機能というふうに私は認識しております。

(後藤祐一議員)
 山本一太大臣、分担管理事務は内閣官房は持っていないんですよ。先ほどの答弁、間違っているんです。訂正してください。

(山本大臣)
 最初にそう申し上げたのに、何か誤解があってはいけないと思って、ちょっと後ろに聞いてみました。大変失礼いたしました、間違いでございますので、訂正をさせていただきます。

(後藤祐一議員)
 内閣府の担当大臣でございますよね。担当大臣ができる仕事はなんであるのかということは、内閣法と内閣府設置法と国家行政組織法と各省の設置法によって定められているんです。これは基本中の基本なんです。つまり、内閣法にしか定められていない内閣官房の事務は、担当大臣はしてはいけないんですよ。そのことを知らなかったということなんです。知らなかったということですか。

(山本大臣)
 知らなかったということではなくて、先ほど加藤官房副長官が、御説明をされたような流れで私がこの法案を担当することになったと思っております。

(後藤祐一議員)
 分担管理事務があると答弁しているじゃないですか。今回のこの法案は分担管理事務じゃあないんです。そこ分かってますか。国家行政組織法に、「国家行政組織は、内閣の統轄の下に、内閣府の組織とともに、任務及びこれを達成するため必要となる明確な範囲の所掌事務を有する行政機関の全体によって、系統的に構成されなければならない。」と2条に書いてあるんですね。内閣府とともにと書いてあって、ここに内閣官房は含まれないんです。

 つまり、内閣府と国会行政組織法の体系のもとに置かれるその他の省の設置法、これによって世の中全てのことは分担管理されているんです。そして内閣官房は、いってみれば、それら面のうえの存在に立って分担管理の世界の外にあるんです。今初めて知ったんですか。それがとても恐ろしいことなんですよ。ちゃんと自分のできる仕事をわきまえたうえで、そのうえで実態上お手伝いをしているということを改めて分かったうえで仕事をしていただきたいと思います。

 さて、本論に入りたいと思いますが、もし、そういうことであれば、山本大臣がやはりITの関係で非常に大事な大臣だということで、この法案を作りたいのであれば、なぜこの法案は内閣府に置かなかったんですか。内閣府に政府CIOを置けば、こういったことはいくらでも可能だったんですよ。

(山本大臣)
 内閣官房の総合調整機能を果たすという機能に照らして、これを内閣官房に置いたということだと思います。

(後藤祐一議員)
 内閣官房の総合調整機能は、山本大臣は果たせるんですか。

(山本大臣)
 私はIT戦略本部の副本部長として、このIT政策の推進、電子行政の推進等々に携わると、こういうことだと思っています。

(後藤祐一議員)
 内閣官房の総合調整事務は内閣法確か12条に規定されていて、その権限は大臣には発揮できないものだと私は理解しておりますけれども、官房副長官いかがで
すか。

(加藤官房副長官)
 先ほど読み上げさせていただきましたけれども、総理の方から山本大臣にお願いしている担当その中でご対応いただくと、こういうふうに理解しております。

(後藤祐一議員)
 つまり内閣法に定める総合調整権限は総理、官房長官がやることもあるでしょうが、持っている権限であって、それを実態上お手伝いするということなんですね、今の答弁そういうことでよろしいですよね、官房副長官。

(加藤官房副長官)
 法律的な整理としては、基本的に内閣官房機能は総理大臣、そして官房長官、こういうふうになるわけでございまして、その中でその機能を今お話があったように担務を担っているそれぞれの大臣にですね、その機能をですね、発揮をお願いをしていると、こういうことでございます。

(後藤祐一議員)
 つまり、内閣法に定める総合調整権限は、山本大臣にはないんです。先ほどの答弁も間違っているんですよ。実態上お手伝いすることはいろいろありますし、ですが、法律上の権限はないんです。そこをしっかりわきまえて仕事をしていただきたいということなんですよ。その話をしたらまた間違えた答弁をしたから今申し上げたわけでございます。

 こういったことを踏まえた上で、先ほど岡田委員からもいろいろお話がございましたけれども、今回の法案というのは、私は政府CIOが力を持って、各省がなかなか言うことを聞かないというときに、お宅の省のこのIT投資はおかしいんじゃないか、というようなお話を政府CIOなり、プロの目で見て、きちっと報告していただいて、いやいやそれじゃ足りない、もっと教えてくれというようなやりとりをしていただいて、その上で、それでもおかしいとなったら、それ直しなさいと、言うようなことをできるようにするための法案だと、いうふうに思っておりますが、それでよろしいですか。

(山本大臣)
 流れとしてはそういうことだと思います。

(後藤祐一議員)
 これまでそういう意味ではすごく進化してきていてですね、これは私はあまり与党、野党とか党とかいう議論をあまりしたくないんですね。森大臣のときに、IT基本法ができて、そのときイット発言とかありましたけど、若い方はご存じですかイット発言。苦笑いが出ないとこを見るとあまり知らない。ITのことイットと読んだんですね、当時の森総理は。

 それはいいとしてですね、そのころから各省にCIOができて、ところが最初のころは官房長だとか総務審議官だとか、だけがこのCIOに当たって、そんな人にITが分かるわけがないんですね、そこでようやく途中からプロの方を補佐官に入れようという話になって、これによって格段に進んだと思います。そして、政府全体を見る人間も必要だということになって、政府CIOには今遠藤さん来ていただいて、プロの目で政府全体を俯瞰する立場から各府省に対して、そういったチェックを既になされておられると、こういった進化が進んできたということは、前段は自公政権の成果だと思いますし、後段の部分は昨年8月に政府CIOで、まさに民間のそういったことやってこられた遠藤さんに、我々の政権のもとで来ていただいたということで、これは党派を超えてですね、やり方というのはそう変わっていなくて、進化してきた過程だというふうに思っております。ですからこの法案もですね、それをやりやすくするための法案にしたいんです。

 ですから、この勧告権、あるいは、各省が言うこと聞かないときにどうするかということがすごく大事なだけにこだわったんですよ。ですから、もし内閣府にこの所管を置くのでなければ、内閣府に置くんだったらもっと簡単な方法があるんですよ。内閣府の事務として、特命担当大臣にして、特命担当大臣にすれば勧告権は自動的に付与ですから、そうすれば簡単にできたんです。ですが、一格高い内閣官房に置きたいというのもこれ一つの考え方だと思いますし、我が政権のときもそういう考え方で行うことにしたんです。ところが、内閣官房にこの事務を置いてしまうと、まさに今までこう議論してきたような問題が起きてしまうんです。

 例えば、報告してください、資料出してください、という権限については、この法律が変わる前、今の段階がどうなっていて、そしてこの法律が通ることによってどうなりますか。各省がこの資料出したくないと言っているのに対し、政府CIOなりCIO室なりが、出してくださいと言ったときに、今までの法体系と、今後の法体系においてどのようになるか説明してください。

(山本大臣)
 今先生おっしゃった話なんですけども、内閣府に特命担当大臣を置けばすむというお話がありましたが、いろいろたぶんこの法案作るときにいろんな議論があったと思うんですけれども、内閣府に例えば政府CIOを持ってきたというときにですね、例えば大臣にすれば一人大臣が増えてしまうと、いうことになってしまいますし、例えばその勧告権を持つということであればたぶん内閣府の特命担当大臣にしなければいけないんだと思いますが、特命担当大臣ということになったらかなり兼務みたいな形になって、本当にCIOとして機能するのかとか、あるいは、継続性っていう点で言うと、本当にITを良く知っている人が特命担当大臣になり続けられるのかとか、そんな議論もあって、おそらく今の政府CIOは閣僚ではなくて、閣僚又は閣僚に準ずる者みたいになったんではないかというふうに思ってます。

 今の法体系ですと例えば各省にいろんな報告をさせると、いうことについて言うとですね、おそらく、CIO単独でやるということになれば、例えばIT戦略本部から委任された政策評価みたいな権限を使って要請をするということになると思いますし、例えば、IT戦略本部全体としては、各省にいろんな報告をですね、情報を渡せという権限がありますので、例えばIT戦略本部の本部員ですから、そこでいろんな意見を言って、IT戦略本部全体として、各省に情報を求めると、こういう形になるんではないかと思います。

(後藤祐一議員)
 後段のところの説明は法的には何を言っているか分かりません。現行法についてだけで結構です。政府CIOなり、政府CIO室なり、内閣官房側が各省に対して資料を出してくださいというときは、いかなる法的権限に基づいて行うんですか。もう少し法律的議論としてお答えください。

(山本大臣)
 IT戦略本部を通じて各府省から必要な情報を入手すると、こういうことだと思います。

(後藤祐一議員)
 何法に基づく権限ですか。何法の何条に基づく権限ですか。

(山本大臣)
 すいません、失礼いたしました。IT基本法の31条だと思います。

(後藤祐一議員)
 そのとおりです。IT基本法の31条に、本部は、関係行政機関の長に対して、その他いろいろあるんですが、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができるとあります。このことを指しているんだと思いますが、本部は、という意味は、政府CIOがいきなり求めることはできるんですか。本部はというこの権限の行使の仕方、このために必要な手続を述べてください。

(山本大臣)
 CIOが直接はできないと思います。ですから、本部は、っていうときには例えば本部の議論の中で、全体で決めるとか、あるいは大臣を通してやるとか、大臣を通じてやっていただくとか、そういうことだと思います。

(後藤祐一議員)
 最後のところの大臣を通じてやるというのは法的な意味において良く分かりませんが、本部は、というのは本部決定をして、本部の決定の仕方はいろんな形があると思いますが、全大臣がメンバーですよね、全大臣がメンバーの本部で、本部が、報告をしてください、資料を出してくださいという。ナンセンスだと思いませんか。

 どこか抵抗している省があるわけですよ、どこでもいいです厚労省にしましょう、厚労省に対して、お宅のこのシステムおかしいんじゃないの、ちょっと説明してくださいというときに、本部の一員なんです厚労大臣は。そしたら厚労大臣は、どうしてもその資料出したくなかったら、絶対に嫌だと言えば、本部決定できないんですよ。つまり、本部は、という主語は、その大臣に拒否権が事実上あって、これは、ぎりぎり言っていくと発動できなくなるものだと思いますがいかがですか。

(山本大臣)
 今、後藤委員がおっしゃったことは確かに問題点の一つとしてあると思います。ただ、一つはですね、政府CIOはご存じのとおり、IT本部から委任された事務、例えば先ほどちょっと申し上げましたけども、経費の見積りの方針とか、あるいは、府省横断的な計画とかですね、あるいは、政策評価とか、こういうことを政府CIOに委任されれば、本部決定と同じように各大臣を縛りますので。

 例えば、政策評価の部分で、IT戦略本部から政府CIOにきちっと委任が行われれば、それに基づいて、例えば、方針に従わない省に対してですね、かなり影響力のある発信はできるんじゃないかなと思うのと、それからおっしゃったとおりなんですけれども、やはり、本部の議論というのは外にオープンになりますから、そういう中で本当に各大臣がですね、一人だけ嫌だと、実際言い続けられるかどうかと、こういうところもあるんじゃないかなというふうに思っております。

(後藤祐一議員)
 今、山本大臣がお話になった部分は、現行法ではなくて今出している法案の説明ではないですか。今出している法案のIT基本法26条の改正部分のことを述べてるんじゃないですか。そうですね、うなずいている。私は現行法の話をしていたんです。現行法においては、どうやってやるんですか、という話をしているんです。

(山本大臣)
 IT戦略本部の本部長は内閣総理大臣ですから、例えば総理が方針を出したときに、一大臣だけが内閣と全く違う方針を位置付けるということは普通はなかなか起きないのではないかと思います。

(後藤祐一議員)
 これ一つ一つはものすごい細かい話なんですよ。ITのそこのとこのこのシステムのその裏どこに出してるのそのお金は、とかそういう話なんですよ。そんなことね、そうやって決められないんです、現実には。だから、ここの規定は、それで直そうとしているわけですね。それで先ほど、今回法改正の話をされましたけれども、混同されていること自体が皆さん問題なんですよ。今どうやって仕事してと思ってるんですか。だって仕事してる責任者なんでしょ。これから法改正しようとしている内容が、あたかも現行制度でできることのように間違えて答弁してたんですよ今。どうやって各省に対して情報求めるかということに関して間違えて理解していたんですか。

 これ以上やるのやめますが。今回の法案で26条改正します。26条は、本部は、とまた書いてあるんですよ。つまり本は、・・・長いんで省略しますが、要するに府省横断的な計画の作成ですとか経費の見積り方針の作成ですとか、先ほどからおっしゃられている施策の評価ですとか、こういったものについて、政府CIOに行わせることができるという規定が加わりますが、この主語は、本部は、なんです。同じなんですよ。本部というのは全大臣なんです。つまりどうしても嫌だった場合拒否権があると。ここの本部は、本部長とすべきでありませんか。本部長は内閣総理大臣です。内閣総理大臣は政府CIOに対してこういったことをやらせることができるという規定にすれば、どうしても抵抗した場合、総理大臣が、政府CIOにこの権限はあなたに任せるからと、好きなだけ各省から資料取ってこいと、いうふうにすべきではありませんか。

 この26条の主語は本部長とすべきではありませんか。これはまじめに議論すれば必ずそうなるんです。政治家からすれば、一人うなずいておられますけれども、当たり前なことだと思うんですが、これは霞が関の各省協議の中においては、この長の字一文字入れることができないんですよ。独走されちゃうから。こういうところは是非、政治家の皆様、これからいろんな党で、いろんな政権に入って、政務三役になり、官房副長官になられる方もおられるでしょう。こういうところで負けちゃうんですよ。だから今、議員の議論の場で、長を入れようじゃないかって話にしてるんです。この26条の本部は、本部長とすべきではありませんか。

(山本大臣)
 本部の事務を委任できるのは、本部だけだというふうに思いますし、本部は、というのは、本部長が総理ですから、本部は、という形であっても、今度の法律の立て付けでは、機能するのではないかなと思います。

(後藤祐一議員)
 今までの議論を聞いてきて機能すると思いますか皆さん。思いませんって言っている人が結構います。思いますか。この中には、一番問題となりそうな経費の見積りの方針の作成とか府省横断的な計画の作成とか、もう少し高度なものもあるんです。つまり、例えば先ほどの例で言えば、厚生労働省があるシステムを始めたいと、26年度予算で。26年度予算に向けて着々と準備をしているという中で、事前に聞いてみたらなんだこれという話であったと。これはちょっと止めるべきでないのという話があったと。

 そのときに、本部長となっていれば、総理が政府CIOに任せて、この経費の見積りの方針の作成という中で、どの程度財務省との関係でできるかどうかという議論は別途残りますけれども、その予算はおかしいんじゃないですかという議論が、法的権限に基づいてできるようになる。
ところが、本部は、という主語を残してしまうと、先ほど言ったような拒否権が残っちゃうんです。本部長とすべきではありませんか。

(山本大臣)
 IT基本法の改正案の28条のところにですね、本部の長は、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部長(以下「本部長」)とし、内閣総理大臣をもって充てる、というのが書かれてまして、本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督するとなっておりますので、この規定に照らせば、本部、でも機能するのではないかなというふうに思います。

(後藤祐一君)
 機能しません。それで機能するなら今までもできているはずなんです。その部分は今回改正される部分ではありません。だとしたら今でもできるはずじゃありませんか。

(山本大臣)
 先ほど申し上げたとおり、今回の改正の立て付けで機能するようにさせなければいけないと思っております。

(後藤祐一君)
 だからこそ、ここは本部長、にしてはどうかということなんです。これは霞が関の各省協議では乗り越えられない壁なんですよ。でも、政治家が考えれば、常識的に考えて総理がITのことは山本大臣に任せたと、山本大臣もそれは全てのITのことを知っているわけではないでしょ。そしたら遠藤政府CIOという大変優秀な方がおられます。その方に各省のおかしいところ全部チェックしてもらって、必要な資料は全部出させて、その上でおかしいところがあったら予算をね、こういうふうにしろ、ああいうふうにしろというのがあったら全部俺に言えと、これが政治家と行政の間での政治の仕事の仕方なんじゃないんですか。

 せっかく今回の法案は、そういうことを進めるために、良い法案にしたいんですよ。ですから、各省協議の中では乗り越えられない部分、まぁ危機管理監との関係とかいろいろあったんでしょう。ですが、ここについては本部長にするだけで随分違うんです。性善説に立てば、そうはいったって実態上できるんじゃないかということなのかもしれません。ところが、行政の現場は違うんです。

 私は、経済産業省で13年働いておりましたけれども、最後の最後、ぶつかりあったときは、法律の条文の勝負になるんですよ。あなたは何からの権限でそれ以上言うのと、この情報は出せませんと、じゃあ本当に必要なら本部決定でも何でもして、出したらいいじゃないですかと、いうことになるんですよ、各省協議では。その可能性がゼロということですか。

(山本大臣)
 それは経済産業省に勤務されていた後藤委員のお話で、その可能性がゼロだというふうには申し上げませんけども、後藤委員の問題意識はやはり、新しい政府CIOを任命したら、これがちゃんと機能するようにしなきゃいけないと、そこは大変力強いお言葉だと思いますし、私も同じ問題意識を持ってますし、実はいろいろこの法案の議論をする中でですね、多分、法案でいくら強力な立て付けをしたところで、やはり政治のバックアップがないと、実際に政府CIOの方は、政府CIOを任命してもですね、どんなに優秀な方でもなかなか機能を発揮できないのではないかというところはあります。

 だからこそ、さっき岡田委員のご質問にもお答えしましたけども、内閣総理大臣である安倍総理と、私としっかり、政治的にも新しく任命されるはずのCIOの方をバックアップしていこうというふうと思ってますし、先ほど繰り返しで恐縮ですけども、IT戦略本部から委任される事務については、これはもう総理に直接意見が言えるということですから、そこを最大限に活用してリーダーシップを奮っていただくということなんじゃないかと思います。

(後藤祐一君)
 熱があるときはいいんです。熱があるときは何だってできるんです、実態上。でも熱っていうのは上がったり下がったりするんです。特に下がったときに、でもちゃんとIT投資ってずっと何千億って単位で行われ続けるわけですから、その政治的な熱が下がったときでも、現場ベースできちっと物事が進むようにするために法律はあるんです。実は、熱が高いときは法律も何もいらないんですよ実は。今だっていらないかもしれないんですよ。

 ですが、ずっと継続的に、熱が低いときでもきちんとやらせるためにこういった権限が定めるものなんです。だから今の答弁だと、熱が下がったときに各省は抵抗してものが止まっちゃうんですよ。是非ここは長の字を入れるっていうことを、どちらかというと、党派性のある話じゃないと私思っているんですよね。政治と行政の在り方の問題だと思ってるんです。是非ご検討をいただきたいなというふうに思います。

 つまり、今までの話を総称しますと、資料請求、報告徴収などについて、これは直接政府CIOができるのが一番いいです、実際、先ほど岡田委員も言っておりましたけれども、ちょっとA3の資料を配付していると思いますが、この中で一番後ろのA3の紙が24年のIT本部決定、IT本部は法的に位置付けられますから、これは今の政権も維持していただいていると、いうふうに理解しますが、この中で1ポツ一番下のところですね、IT投資に係る業務改善等に関する勧告権限を有するものとする。これ、政府CIOは、ですよ。

 一番望ましいのは政府CIO自体に、ご自身に勧告権を持たせることです。その前提としての資料請求その他の報告の権限を持たせることです。私の望みとしては、報告ぐらいはね、政府CIOがやるってことはそれほど法的には問題ないと思いますが、どうしても勧告権のところで、大臣よりは一格落ちる政府CIOが大臣に対して勧告するっていうのは。なかなか他の並びとかね、そういう関係で難しいということであれば、せめて本部、ではなくても本部長、が各行政機関の長に対して勧告できるとして、その権限を政府CIOにある程度ゆだねると、いうような体系にするとかそういう工夫があると思いますので、是非そこは、機能するように、熱が下がったときでも機能するような法律に改めていただくよう与野党との協議含めてしていただきたいと思いますし、是非、今までの協議に関わっておられなかった政党の方々も大事なところでございますので、是非関心を持って協議をしていただきたいと思います。
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 何度も言っているように、本会議や委員会で「自分が閣僚として関わった全ての質疑」は、(答弁の出来にかかわらず)きちっと記録に残す。 1つ1つの言葉を、けっして忘れないように!! 


♪山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」