2013年3月26日:パート3

 3月25日の参院内閣委員会では、芝博一・民主党参院議員が領土問題を取り上げた。 質問の中で芝委員が指摘した領土交渉に関する政府のスタンスの統一化、4月28日の主権回復の日の式典をめぐる沖縄への配慮は、いずれも大事な視点だと思う。

 過去の「直滑降ブログ」の中身について、厳しく叱られる場面もあった。 が、どんなに辛辣な表現でも、言葉には人間性が現れる。 芝議員は、(政治家としての戦闘力とは裏腹に)情に厚い人柄だと感じた。

 お叱りをいただいた点はしっかり反省し、大臣としての自覚を持って「少しでも欠点を減らせるように」努力します。 もともと脳天気なせいか、芝議員の最後の言葉(「ブログに書いた精神を忘れるな!」)は、素直に激励として受け取った。 これからも、初心を忘れずに頑張りたい。 

 芝博一議員との質疑の中身は以下のとおり。 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー<3月21日:参議院内閣委員会>

○芝委員
 冒頭で、菅官房長官は、政府の意を受けた正式な派遣で、特命の使だとおっしゃいましたけれど、官房長官が事前の打ち合わせにも立ち会っていない、事後の報告も受けていない、果たしてそれでいいのかという思いがあります。特に今回の部分というのは大変、国と国との部分で重要な課題、今申し上げました通り、訪問する目的、その分については後からありましたが、北方領土の問題、経済協力の問題だったり、対外的な外国との問題であったり、大変重要な部分でありますから、むしろ安倍総理一人の感覚ではなく、政府全体として森特使にお伝えをし、またお聞きをするという部分の立場が必要であったと思います。

 官房長官が立ち会わなかった理由、合わせて、今回大変重要なテーマであった、北方領土問題、領土問題を担当している山本大臣は事前に立ち会ったのか、事後も報告を受けたのかも含めてお答えください。

(略)

○山本大臣
 御質問頂いてありがとうございます。わたくし、領土担当大臣ということなんですが、外交交渉については、総理、外務省の方が担当でございまして、領土問題についての国内での啓発、さらに北方担当大臣でもありますので、北方領土問題について、地域の振興等々、プラスアルファ日本の立場、領土問題における日本の立場を対外的に発信していくと、これが主な私の用務でありまして、外交交渉について特使が行く前に、私もそこに入る必要があったのかなということについては、それはもう官邸の御判断で良いのではないかと思っております。

(略)

○芝委員
 それじゃ少し管轄的な部分では違いますが、領土という問題含めて、話されたということでありますから、山本大臣、今回の会談(森元総理とプーチン大統領)の評価と成果について、どのようにお考えでしょうか。

○山本大臣
 御質問ありがとうございます。目的、それから評価については官房長官がおっしゃったとおりだと思いますが、私は森元総理とプーチン大統領の個人的な関係、人脈というものは日本外交にとっては大変大事な財産だと思っておりますので、森元総理が特使として行かれて、プーチン大統領と会って、森元総理も後でそのようにおっしゃっていた記憶がありますけれども、とにかく安倍総理とプーチン大統領の首脳会談のための環境整備、このために行ったとおっしゃっておりますけれども、そういう意味では、私は成果があったのではないかと、領土担当大臣としてはそのように捉えております。

○芝委員
 そうすると、同じように十分なる成果を挙げて帰国いただいたという認識だと、官房長官も山本大臣もそう思っていると理解させていただきますけども、素直に山本大臣、森元総理が特使としてロシアに行ったことについて評価をし、認めていらっしゃいますか。

○山本大臣
 先ほど申し上げた通り、安倍総理と森元総理の信頼関係の中で決まったことだと思いますし、もう一度申し上げますが、やはりプーチン大統領との個人的な人脈というものは日本外交の財産ですから、森元総理が特使として行かれたのは、もちろんよかったのではないかと心からそう思っております。

○芝委員
 山本大臣、そこは私も同じ思いなんです。ところが、今は大臣でありますけれども、山本議員は昨年の5月15日、その頃は野田政権でありますけれども、同じように、森元総理の人脈、そして歴史を考えて、野田総理がロシアの訪問の部分を特使としてお願いをさせていただきました。それについて、山本大臣のブログを拝見させていただきました。今言われたことと正反対のことが書かれているんですね。

 忘れているといけませんから、私があえてお伝えをしたいと思うのですが、『山本一太の気分はいつも直滑降』のなかで、山本大臣は当然この部分でお話もされ、ブログも書いていらっしゃるんですけれども、野田政権の延命に対して手助けをしているんじゃないか、それに対していささか異議がある、というのは野党としてよく分かります。ところが今も山本大臣言われたように、森元総理の経歴とプーチン大統領との長い深いつながりを評価されていると言いましたけれども、その部分を持っている森元総理に対して、山本大臣は『ロシアの訪問によって、森元総理の政界における影響力が強まるとしたらすごく嫌な展開だ。それは自民党にとっても、日本の政治にとっても好ましくない』と、断言しています。『森元首相のような方が政治の表舞台に出る度に、自民党のイメージが悪くなる。大変申し訳ないが、早く政界を引退していただきたい』と。

 森元総理は引退されました。そこは叶ったようでありますけれども、『それが自民党のためだし、日本の政治のためだ』と、こう言っておられますけれども、あなたは、今発言されたことは、立場で言っていて、本心はまた別だということでよろしいですね。

○山本大臣
 私がブログで書いたことについて御指摘を頂きましたが、森元総理については個人的に大変政治家として尊敬はしておりますけれども、引退をされた方がいいということは確かに申し上げましたし、森元総理は政界から引退をされたということだと思っております。

 先生から御指摘いただいたように、その当時私は、大変申し訳なかったんですけれども、やはり民主党政権が一日も早く変わって、自民党政権に戻ることが日本の国益だと信じておりましたので、その意味で言うと、言外にちゃんと含めておるんですが、森元総理が特使で行くことが、やはり民主党政権が長く続くことにつながってしまうのではないかと、そういう気持ちがあって、そういうブログを書いたんだと考えております。

○芝委員
 私が読解力がないもんですから、このブログの文面から、内容から表現から、どこを見ても今答弁されたようなことが伺いしれないんですよ。
一般的には、私も確信を持てませんけれども、森元総理と山本大臣は、一般的な表現にする必要ないかもしれませんが、犬猿の仲だと聞いたこともございますし、その人がこう書いているから、私はむしろ、素直な気持ちで書かれているんだなと、こう思って、今の答弁等につきましては、立場で言った部分でありますけれども、人間的には、精神的にはやっぱり、ここまで書かれている以上は否定されているんだなと、こういう理解を私自身はしております。そうでなかったら、今の部分はまるで表現的な部分を含めて整合性が合わないんだろう、この部分を指摘しておきたい、そう思うわけであります。

 なぜ聞いたかというと、ブログで大臣が書くということは、多くの有権者、国民が見てるんですよ。大臣が書かれたことの、森元総理を政府の重要な任務を持った特使として安倍総理が派遣をされているんです。その部分を含めて安倍総理に指名をされた大臣でもありますから、そこの整合性も含めて、しっかり、やっぱり政治家の発言や発進というものは重いんだということを改めて、自覚をしていただきたいと思います。もう一度答弁してください。

○山本大臣
 今の先生の、政治家としての発言は重いということを自覚せよということについては、しっかりと胸に留めて反省をし、気をつけていきたいと思います。

○芝委員
 最後の部分だけじゃなしにね、私は同じ党内にあって、総理を務められた人に対して、大変、私は、ある意味では失礼な表現を堂々としていると思って、むしろ人格的な部分を疑わざるを得ないような状況だと思っているぐらいなんですよ。

 そこの部分、発言を気を付けるだけじゃなしに、大臣としての部分はある意味ではそういう部分においては能力は大変素晴らしいけど、この感覚的な部分においては劣る部分があるのではないか、欠ける部分があるのではないかと、こう思っておりますけれども、御本人はその辺の御自覚はどのようにされていますか。

○山本大臣
 もし、尊敬する芝先生から、大臣としての人格的な問題があると指摘されれば、それはちゃんと受け止めて反省をしなければいけないと思います。人間的にはまだまだ欠点も多いというふうに自覚をしておりますし、大臣として足りないところもあると思っております。そのブログを書いたときは、私まだ閣僚の一員ではありませんでしたけれども、今のお話を伺えば、非常に感情的な部分もあったと思って反省をしております。

○芝委員
 これからも注目していきたいと思いますけれども、後ほどまた同じようにブログで質問、指摘をさせていただきますから。(略)

(略)

○芝委員
 参考に山本大臣のブログを参照させていただきたいと思いますが、お二人にお聞きいただきたいと思いますが、『政治は「不条理」な世界だ。まっすぐ進もうと思っても、時には妥協や迂回を余儀なくされる。それでも常に正面から突き抜ける気概を持ち続けたい。少なくとも「気分はいつも直滑降」でいこう!』是非、御自身も稲田大臣も、この思いをずっと持ち続けていただきたいと思います。(略)

(略)

○芝議員
 山本大臣、領土問題を担当されています。それから合わせてもう一度、再度、稲田大臣にもお聞きしたいと思います。祝典の日の開催について、お二人は諸手を挙げて賛成をされておりますでしょうか。

○山本大臣
 式典開催の意義については、官房長官がおっしゃった通りだと思います。私、領土担当大臣なんですけど、沖縄振興も担当しておりまして、その立場から言うと芝先生のおっしゃったことは大変大事だと思ってます。

 官房長官とか総理も何度も沖縄の歴史のことをしっかり頭におかなければいけないということをおっしゃってますけども、私も閣議で発言をいたしまして、やはり沖縄の苦難の歴史に想いをしっかり持って、こういう困難を乗り越えてここまで来られたと。その沖縄の心に寄り添う気持ちで式典に出ていただきたいということを関係閣僚の方々にもお願いを申し上げましたので。その点はしっかりこれからも踏まえていきたいという風に考えております。
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