2013年2月18日

 夜11時。 食後のフルーツ(イチゴ)を食べながら、パソコンのキーボードを叩いている。 先ほど、情報の天才と話した。 ある人物の話題が出た。 狡賢いというより、ウソつきだ、な。(苦笑) 

 本日は、参院予算委員会総括質疑の第1日目。 午前9時から午後5時30分まで、テレビ中継入りの7時間半の審議が行われた。 大臣としての答弁もあった。 質疑の模様については、改めて書く。

 参院予算委員会の後、午後6時から、総理官邸で2回目の産業競争力会議があった。 早口で約4分半のプレゼンテーションをやった。 内容は次のとおり。 文言はかなり正確だと思う。

<山本一太科学技術担当大臣のプレゼンテーション:産業競争力会議:2月18日>
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 時間が限られていますので、成長戦略における科学技術イノベーションの重要性については、いちいち申し上げません。

 近年、科学技術イノベーション面で国際競争力が低下しているとの懸念が高まっていますが、幸いにも、我が国には潜在力を持つ技術のシーズが多くあります。例えば、京都大学山中伸弥教授の画期的なiPS細胞研究や、ハイブリッド車等エコカーの先駆的な研究開発・商品化、メタンはイドレード等海洋資源開発等など、多様な分野で有望な技術開発力を有しています。

 科学技術イノベーションを、市場開拓、経済成長の原動力とし、世界に貢献する術とし、我が国が直面する制約や課題を超克する切り札にするという意識を改めて持つことが重要だと考えます。

 科学技術イノベーション政策における司令塔機能を果たすべき総合科学技術会議については、お配りした資料にもあるような進化もしていますし、実績として評価出来る部分もあります。が、他方で、科学技術イノベーション政策の方向性や目標が不明瞭、施策評価が不十分、戦略性が乏しい、基礎研究・人材育成から技術の普及・市場展開まで一気通貫の取り組みが出来ていない、産官学の連携、政策手段の連携が不足している等、厳しい指摘もあります。早急に改善しなければならないと思っています。

 科学技術担当大臣に任命された際、安倍総理から最初に指示されたのは、「総合科学技術会議の役割は大きい。民主党政権下で存在感の低下したこの重要会議をもっと輝かせ、科学技術イノベーション政策推進のための司令塔機能を高めてもらいたい」ということでした。総理の言葉を受けて、総合科学技術会議の司令塔機能強化のための方策について、内閣府の事務局スタッフと議論を重ねて来ました。難易度の高いものから、比較的実現が容易なものまで、5つか6つの案を作り、検討している最中です。

 それそれ一長一短はありますが、大きく言うと法改正を含む機能強化の道筋は2つ。1つは、科学技術基本計画の策定やフォローアップのPDCAサイクルも組み込んだ重要施策アクションプラン等の推進によって関係各省の予算方針に影響を与え、協力を促していくという方向性。もう1つは、総合科学技術会議自身に、プロジェクトを戦略的に選択して予算の重点配分を図る仕組み、独自の予算枠を作るという考え方です。

 機能強化の前提として、先ずは政府の目指す科学イノベーション政策の全体像を明確に国民に示すことが重要です。すなわち、我々が目指すべき姿、克服すべき政策課題、実現すべき成果目標を長期的な戦略的ビジョンとして示すと同時に、それを実現するためのタイムテーブルを具体的に提示する必要があることは言うまでもありません。加えて、具体的な制度改革の建付けは、新たな有識者メンバーを加えた新しい総合科学技術会議で方向性を定めていくべきだとも思っています。

 しかしながら、「卵が先か、ニワトリが先か」という議論はあるにせよ、私は過去にも例のあった総合科学技術会議自身が使途を選択出来る独自の予算枠を作ること、もっと言うと、どんな形であれ、少なくとも数百億の予算を配分してもらうことが、機能強化のための最初の突破口になるのではないかという感触を持っています。

 たとえば、平成21年度に創設された最先端研究開発支援プログラム(First)では、研究開発費を基金化し、省庁横断で重要プロジェクトに取り組んでおり、山中教授のiPS細胞研究を始め目覚ましい成果を上げています。また、科学技術戦略推進費という予算措置も、科学イノベーション政策の推進に一定の成果を上げて来ました。ただし、独自の予算を確保する場合には、執行のための事務局体制の強化は不可欠だと考えています。

 いずれにせよ、総理と甘利大臣の強い意志によって、科学技術担当特命大臣である私が安倍政権の至上命題である強い経済を取り戻すための最も重要な機関の1つであるこの産業競争力会議の正規メンバーに加えていただきました。科学技術イノベーションに関しては、規制改革会議も加えたこの3つの会議が連携しつつ、省庁横断の総合戦略を構築していくという状況は、これまでなかなか進まなかった総合科学技術会議の機能強化を実現するための千歳一隅のチャンス、恐らく最初で最後のチャンスだと捉えています。

 総理はもちろん、競争力会議のメンバーの方々にも、戦略的予算配分機能の強化を含めた総合科学技術会議の機能強化を、ぜひとも後押ししていただけるよう、お願い申し上げます。

 最後にもう1つだけ申し上げます。総合科学技術会議と同じ「重要会議」である経済財政諮問会議は、小泉政権の下で多くの政策を主導した、というより猛威を振るいました。その理由をケーススタディーとして事務局に研究させているのですが、実は組織としての権能は、2つ会議ともほとんど変わりません。むしろ、総合科学技術会議のほうが武器が多い気さえします。

 にもかかわらず、経済財政諮問会議があれほどの存在感を発揮した理由は、竹中平蔵大臣の強力なリーダーシップと時の総理の一貫したバックアップだったと思います。安倍総理はまだ今日のこの会議に到着しておられませんが、開催頻度を増やそうと考えている総合科学技術会議にぜひ積極的に出席いただくよう、お願いしようと思っています。小泉政権時代の経済財政諮問会議のように150回(?)やるなどとは言いませんが…。(笑)

 さらに、これは国会同意人事が通ってからの話ではありますが、恐らく強力な布陣(有識者議員)で再スタートを切ることになる総合科学技術会議の独自性やイニシャティブを尊重していただくことも強く要望し、私のプレゼンを終わらせていただきます。
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 あ、お湯が沸いた。 熱いほうじ茶を飲み、腹筋と背筋をやってから布団に入る。 明朝の出発は7時だ。

追伸:ある目的を装って、違うことを調べに来る。 よくあるパターンだ。 誰かに頼まれたのか? それとも本人の意思なのか? しっかりマークしておこう。 
  

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