2013年1月26日:パート2

 夜8時過ぎ。 議員会館事務所でパソコンを起動させた。 夕方に行われた麻生財務大臣との折衝で、沖縄振興予算総額3000億が認められた。 沖縄県側の強い要望が実現した。 ホッと胸を撫で下ろした。 内閣府に戻って記者会見をやり、大臣室で関係部局の幹部を集めて報告会をやった。 沖縄関係部局は、なかなか雰囲気がいい! ネアカで前向きの人が多いからだ、な。

 気がつくと1日が終わっている。 その日を生きるのに精一杯だ。 毎日、苦しくて、忙しくて、でも胸が躍る瞬間が続いている。 安倍内閣の閣僚としての1分1秒が、政治家山本一太にとっては、「宝物」だ。

 そりゃあ、そうだ。 こんなにやり甲斐のある仕事を与えられ、ずっと応援して来た安倍首相のために働ける。 しかも、与えられた役目を全力で果たすことが、日本という国の再生と国民の幸せ(=故郷の発展)に繋がると確信出来るのだから。 これじゃあ、嫉妬されても、足を引っ張られても仕方がないかもしれない。 どこまで行けるかは分からないが、全ての公務に一生懸命、真面目に取り組む。 これ以外にはない。

 週刊誌に悪口を書かれようが書かれまいが、味方のふりをした人間がメディアや民主党を煽ろうが煽るまいが、「山本一太内閣府特命担当大臣」が国会で厳しく責め立てられるのは当然だと思っている。 野党自民党の政審会長として、予算委員会の筆頭理事として、一貫して民主党政権批判の急先鋒を務めて来たのだ。 

 民主党内閣の総理や閣僚に個人的な恨みは全くない。 が、やらざる得なかった。 大臣としての重圧を初めて経験し、民主党内閣の閣僚の人たちもこうして必死に仕事をこなしていたことが分かった今、(何人かの大臣や総理の顔を思い浮かべて)申し訳なかったと思うこともある。 が、何を言おうと、厳しい試練が待っていることは間違いない。 集中砲火(?)は、最初から覚悟している。 政治とは、そういうものだ。

 そのことを前提に、2つのことだけ書いておきたい。 第一に、与野党攻防の主戦場になっていた参院予算委員会、特にテレビ中継入りの審議で質問に立つことは、けっして楽しい役回りではなかった。 華々しく見えたかもしれないが、実は苦しかった。 公の場で誰かを追いつめることを快感に思う人間なんて、ほとんどいない。 質問の前日は、眠れなかった。 総括質疑のトップバッターを務めるからには、目に見える成果を上げなければならないというプレッシャーもあった。 毎回、心を鬼にして、迷いを振り切って、質問席に立っていた。

 それでも国会審議で激しく突っ込んだのは、1日も早く解散総選挙に追い込んで政権を変えない限り、日本は終わってしまうという危機感があったからだ。 二井宏(ふたい・ひろし)なるジャーナリストの解釈では、「バカな一太が目立ちたくてやった」みたいなトーンになっているが、全く違う。 肉食系参院自民党チームの攻勢は、支持者の間でも賛否両論だった。 

 国民の好感度を意識しながら目立つ方法なんて、幾らでもある。 批判や反発は覚悟の上で、野党が主導権を握れる参院で民主党内閣を解散に追い込む。 そのために、選挙まで数年ある参院で「あえて悪役を演じる」というのが、参院自民党の基本戦略(というより哲学)だった。 よく、地元支持者の人たちから、こんなふうに心配されたもの。 「一太君、あそこまでやったら、政権が戻って来た時に大変じゃないか!」と。

 ちなみに、参院予算委員会で歴代の民主党内閣に激しく切り込んだのは、山本一太だけではない。 脇国対委員長は、国会審議で「なぜ総理に問責を出さねばならないのか?」を冷静かつ論理的に指摘した。 仕事師の世耕弘成官房副長官は、柳田法務大臣、細川厚労大臣、小川法務大臣、一川防衛大臣等を委員会審議で舌鋒鋭く追及した。 この2人も、自分と同じ気持ちだったと思う。 

 さらに言うと、民主党野党時代に参院の国会審議で与党自民党攻撃の先頭に立ち、3年前の政権交代の原動力になった民主党参院議員の人たちも、同じ心情だったのではないか? そんな気がする。

 第二に、どの閣僚に質問を集中させるかに関して、自分には「基準」があった。 どんな基準だったのかは書かない。 が、ひとつ言えることは、「閣僚の問責を可決させる」というのは、(当たり前のことだけど)けっして簡単なことではないということだ。

 あ、そろそろ、ネット番組「直滑降ストリーム」の準備をしないと。 

    
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