2012年11月20日:パート2

 午後7時過ぎ。 新幹線で東京に向かっている。 太田市新田文化会館の大ホールで、午後と夜の2回に分けて開催された「清水まさよし市長:市政報告会&歌謡ショー」は超満員だった。 それぞれ、1200~1300名は集まっていたと思う。 来賓のトップバッターで、マイクを握った。 魂を込めて、清水市長への支援を訴えた。

 さて、野田総理の党首討論での「起死回生を狙ったアピール」(=乾坤一擲(?)のサプライズ攻撃)は、内閣支持率の大幅な回復には結びつかなかった。 逆に微減した世論調査まである。 が、「野田総理と安倍総裁のどちらが次の首相にふさわしいか?」という点では、先行する安倍総裁と野田総理のポイント差が縮まった。 あの討論を通じて、「覚悟を以て勝負に出た気迫ある野田総理VS攻撃にたじろいだ頼りない安倍総裁」みたいなイメージを演出することに、ある程度、成功したからだ。  

 これを見た野田総理は、「自分と安倍総裁のどちらが総理にふさわしいのか?」というテーマ(党首の資質)を全面に出し、「自分のほうが、リーダーとして優れている!」「党首力では、自分が勝っている!」「苦労して政治家になった自分と比べて、世襲で、お坊ちゃんの安倍総裁は、リーダーの器ではない!」というアピールを繰り返している。

 衆議院解散以来、野田総理の口からは、マニフェスト違反へのお詫びも、民主党が国民の信頼を失ったことに対する反省も、一切、出て来なくなった。 「民主党に引き続き政権を担わせて欲しい!」というなら、過去3年間の政権与党としての実績をアピールするのが普通だ。 が、野田総理は、国民がいかに政権交代後の3年間に深く失望し、幻滅しているかが分かっている。 だから、これまでの成果を全面に押し出すことが出来ない。

 その代わりに、野田総裁が編み出した選挙戦略が、自民党攻撃、安倍総裁攻撃だ。 野田総理は、劣勢の選挙情勢を盛り返すため、安倍総裁への個人攻撃に的を絞った。 そんな感じさえする。 事実、群馬県の小選挙区で立候補する民主党の現職候補も、「今度の選挙は、野田総理と安倍総裁、どちらがリーダーにふさわしいかを問う戦いだ」「時計の針を逆行させるわけにはいかない」みたいなことを言い始めた。 

 でも、ちょっと待って欲しい。 谷垣総裁との約束を守って、最後に解散総選挙を決断したから、野田総理は、たちまち「優れた党首」になったのだろうか?! 申し訳ないが、自分の評価は違う。 え? 時計の針を戻してはならないって?! この場合、それは、「民主党政権の混乱の3年間をさらに続ける」という悪夢の再現を意味する。 国民は、必ずノーと言うだろう!

 野田総理は、本当に優れたリーダーなのだろうか?! 野田総理の党首力は、安倍総裁を本当に上回っているのだろうか?! 野田総理は、民主党の素晴らしい党首なのだろうか?! もう一度言うが、自分はそうは思っていない。 この件は、(体力が続けば)シリーズで連載したいと思う。

追伸:
1.本日の毎日新聞朝刊の5面に、「雄弁な安倍氏に死角」というタイトルの記事が掲載された。 その中に、野田首相の16日の記者会見の発言が紹介されている。 「強い外交、と言葉だけ踊っても意味がない。タフな相手と渡り合って首脳外交を担っていけるのは誰なのか」だって。 

 この1年間、野田政権の外交・安保政策をずっと追いかけて来た。 少なくとも、「タフな相手と渡り合って首脳外交を担っていける」のが野田総理ではないことだけは確かだ。(断言X100)

2.今日の朝日新聞の4面(政治面)の「決戦24時」の政治家語録。 昼12時の安倍総裁の党本部での発言。「民主党政権は争点のすり替えに必死だ。政権与党なら3年間の実績を国民に問うべきだ。結果は外交敗北であり、経済は長引くデフレと円高に全く無策だ。」 そのとおりだと思う。

3.報道によると、石破幹事長が、「慢心が片鱗でもうかがわれることがあれば、この選挙は負ける」と言ったそうだ。 100%、同感だ。 でも、石破幹事長、大丈夫です。 現場(小選挙区)で戦っている自民党の候補者たちに「慢心」なんか、ひとかけらもありませんから! 群馬だって、皆、必死です!! 


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