2012年11月4日

 報道によると、玄葉外相が、地元の会合で「野田総理は約束を守る。近いうちに解散があるのではないか?」と言ったそうだ。 玄葉大臣、総理が「近いうちに」と言ってから、もう3ヶ月も経ってますよ! この時点で、すでに約束違反じゃないでしょうか!(笑)

 安住幹事長代行も、「選挙まではカウントダウンだ!」と発言したらしい。 この2人を含め、早期解散に言及する民主党の有力政治家たちは、何か野田総理の覚悟のようなものを、感じ取っているのだろうか?! 少なくとも、自民党内では、そう捉える人たちもいる。 実際、「年内解散の可能性あり」という情報が、意識的に流されている。 

 が、過去のブログにも書いたように、自分はそう思っていない。 たとえば、離党者がさらに増えて内閣不信任案が可決されるとか、新たな問題の発覚で内閣支持率が続落し、党内からの辞任圧力が高まるとかいった「追いつめられた状況」にでもならない限り、野田総理が「自ら解散を決断する」などということはないだろう。

 ちょっと顔を思い浮かべて欲しい。 「野田総理は約束を守る人だ」とか、「早期解散はあり得る」という趣旨の発言を繰り返す民主党の衆院議員は、皆、「選挙基盤の強い人たち」だ。 逆に言うと、「ダブル選挙が望ましい!」とか、「今、解散をやっている余裕はない!」などと必死で訴える人々は、大抵、落選の危機に直面している。 

 「選挙が強い」のは、政治家としての魅力(存在感)の証明であると同時に、世の中の流れに敏感だということを示している。 彼らは、ちゃんと分かっている。 「衆院選挙を先に延ばしても、民主党人気が回復する見込みがない、いや、むしろ情勢は悪化する」と。

 安倍総裁の「太陽政策」は、世論による解散圧力を高めると同時に、「ここまで来たら、年内又は来年早々の解散がベターだ」と考えている民主党内の有力少数派の人々も刺激する。 野田首相に強い影響力を持つ複数のマスコミ人も、総理の耳元で、「懸案事項を処理する目処がついたら、早々に選挙をやったほうがいい!」なんて囁いているかもしれない。

 石破幹事長が、「赤字国債発行法案への賛否を、今、明らかにすることは出来ない。(賛成のために)野田総理が解散を確約することは必須だ」と主張している。 幹事長が、こう言い続けるのは当然だ。 右手には妥協案を持ち、左手には剣を持って解散を迫っていくのが、交渉の常道だもの。 安倍総裁と「うまく役割分担をしている」ようにも見える。

 それでも、最終的には安倍総裁が判断する。 そして、いったん方針が決まったら、一致協力する。 「仲間割れ」が文化になっている民主党とは違う。 安倍自民党は、総裁と幹事長の2枚看板で、「政権奪還+安定した政治体制の確立」という目標に向けて、進んでいく。


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