2012年10月11日

 今から2年前、参院自民党の「政策審議会長」に任命された。 当時の政審会長は、大臣待ちの参院議員が座る「盲腸のような役職」だった。(キッパリ) 事実、自民党役員会も、総務会も、参院側から役員として出席出来るのは、参院議員会長、幹事長、国対委員長(役員会を除く)の3名のみ。 政審会長が呼ばれるのは、役員会のメンバーを広げた格下の役員連絡会のほうだった。 政審会長は、役員会にも総務会にも席がなく、自民党の政務調査会でも「まともな役割」を与えられていなかった。 

 政審の勉強会は、自民党の部会と異なり、法案を審査したり、了承したりする権限はゼロ。 文字通り、ただの「勉強会」だった。 ましてや、谷垣体制下で始まった最高幹部会議(いわゆる党9役会議)に声がかかるのは、参院議員会長、参院幹事長、参院国対委員長の3人だけ。 政審会長は、最初から外されていた。

 山本一太政審会長になった翌日から、政審会長というポストを格上げするための戦いが始まった。 中曽根議員会長や小坂幹事長に衆院側との交渉をしつこくお願いすると同時に、谷垣総裁に対しても、猛烈にアピールした。 正式メンバーでない自民党役員会にオブザーバーとして勝手に出席し、部屋を出なかった。 谷垣総裁を困らせた場面もあった。(笑+反省)

 当時(2010年8月31日付)の朝日新聞政治面に、次のような「囲み記事」が掲載された。
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 ◆自民党役員会に風穴?山本一太政審会長「飛び入り参加」

 自民党の参院政審会長に就いた山本一太氏が31日の党役員会に「飛び入り参加」した。これまで役員会出席が認められていた参院役員は、議員会長と参院幹事長だけ。山本氏は参院議員会長選でも、中曽根弘文氏を擁立し、「派閥連合」候補を破る立役者となったが、政審会長就任後もこれまでの慣行に風穴を開けようとしているようだ。

 山本氏の突然の役員会出席に驚く谷垣禎一総裁と大島理森幹事長に、山本氏は「役員会には毎回出ますから。そのうち意見も言わせてもらいます」と宣言。谷垣氏は「毎回ですか……」と応じたという。山本氏は当面は正規メンバーではないオブザーバーの立場で参加する。

 山本氏の父の故・山本富雄参院議員も参院幹事長時代、当時は認められていなかったのに役員会にオブザーバー出席。それを既成事実化させ、正式メンバー入りを勝ち取った経験がある。親子2代の2匹目のドジョウになるか。
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 すったもんだの末、谷垣総裁の判断で「役員連絡会」を廃止し、メンバーを増やした新たな「役員会」を設置することになった。 参院政審会長も、晴れて「自民党役員会」のメンバーになった。 その後、総務会の役員としても認知され、会議室に「政審会長」という木札が登場した。 石破政調会長(当時)との紳士協定で、参院から提出される議員立法に関しては、「部会で了承されても、政審を通らなければ次の段階には進めない」というルールも決めた。

 参院政審会長が初めて党全体の政調会長代理を兼ねることになり、党の最高幹部会議(10役会議)にも顔を出せるようになった。 定例の政審会長記者会見も創設し、参院記者クラブの部屋には、「政審会長」というランプが増設された。 あまりに強引なやり方に反発もあったと思うが、この一連の政審会長のランクアップ(=参院自民党の存在感アップ)は、自分でなければ出来なかったと自負している。  

 山本一太の執拗なお願いに辟易していた参院議員会長や幹事長(ごめんなさい!)はもちろん、大勢の方々の協力で成し遂げたことだ。 が、全ては、谷垣総裁が了解してくれたから出来たのだ。 すなわち、参院政審会長ポストの格上げは、谷垣総裁のお陰で実現した。 実際、谷垣前総裁は、常に参院の立場や意見を大事にしてくれた。 政審会長を更迭された後の自分とも、お願いすれば快く時間を取ってくれた。 本当に感謝している!

追伸:昨年、政審会長が山本一太から岩城光英氏に交代した際、政審会長による政調会長との兼務が解かれ、いわゆる「10役会議」からも、実質的に外されてしまった。 政審会長ポストに思い入れのあった自分にとっては、「痛恨の極み」だった。 議員総会でも、何度か「岩城政審会長の政調会長代理兼務を復活させて欲しい!」と発言した記憶がある。

 今回、世耕弘成政審会長が任命されるや否や、政調会長代理との兼務が復活し、再び「10役会議」にも出られるようになったと聞いた。 このことは、スゴく嬉しい。(ニッコリ) 決まった以上、新しい参院執行部を(一兵卒として)一生懸命、応援する! 皆さん、頑張ってください!! 

 ただし、今回の参院自民党執行部人事が「安倍新総裁にとってプラスになったのかどうか?」は、よく分からない面がある。 山本一太の直感がそう言っている。 「ちっちゃな懸念」を解消するために、自分なりに出来ることをやっていくつもりだ。    


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