2012年8月7日

 午後2時30分。 議員会館事務所にいる。 自民党と民主党が、「消費税増税法案について、明日(8日)の特別委員会採決という日程で合意した」というニュースを聞いて、一瞬、不安が過った。 「まさか、谷垣総裁が軌道修正したのでは?」と。 が、谷垣総裁の「解散の確約がなければ、独自の内閣不信任案と問責決議案を出す」という基本戦略が(少なくとも現時点で)変わっていないことを確認した。(ホッ) 

 そりゃあ、そうだ。 谷垣総裁は、すでにルビコン川を渡った。 ここまで来て退却するようなことがあれば、リーダーとしての胆力を疑われる。 谷垣総裁が、そんなことをするワケがない!!(断言)

 もし、野党7党が、参院での法案採決前に内閣不信任決議案を出さなかったとする。 その場合は、合意した日程に従って、消費税増税法案は明日中に参院で可決、成立することになる。 そうなったら、法案成立後に野田総理への問責決議案を出すという流れに戻るだけだ。 昨日の「マンデー紅茶会見」でも断言した。 いかなる展開になろうと、総理問責は必ず出す! それが参院執行部の統一見解だ。 中曽根議員会長も、脇国対委員長も、そこは断言していたもの。

 が、しかし、実際は、党首会談で内閣不信任決議案の提出に合意している野党7党が、「急遽、採決前の不信任案の提出を取り止める」などということは、考えられない。 彼らの一貫した主張は、国民のために消費税増税法案を採決させないということなのだ。 野党7党が、「消費税増税+選挙なしシナリオ」を後押しする人々の手練手管に翻弄されたり、買収されたりする可能性は皆無だと信じたい。(笑) 今日の夕方(午後5時過ぎ)には、中小政党による内閣不信任決議案が提出されるだろう。

 そこからが、谷垣総裁にとっての「正念場」だ。 野田首相が、「解散の確約」を求められると分かっている党首会談を受けるとは思えない。 が、しかし、2人の会談があろうとなかろうと、主要メディアがどれほど騒ごうと、さらに、友党の理解が完全に得られなかったとしても、野田総理が解散を明言しない時は、迷わず自民党独自の内閣不信任決議案と対総理問責決議案を国会に提出すべきだ。 そこは絶対に譲らないで欲しい!

 内閣不信任決議が成立しなかったとしても、参院の総理問責は可決される。 問責が可決されれば、その時点で、国会審議がストップする。 ただし、そこで消費税法案の命運が完全に尽きるわけでもない。 衆院での3分の2の再可決という手段が残される。 野田総理が本気で「消費税増税に政治生命を賭ける」「不退転の決意で臨む」というなら、法案への協力を条件に、解散総選挙をやる道を選ぶはずだ。 

 野田首相にその覚悟がない時は、実質的には(民主党によって)すでに反故にされている「3党合意」を破棄し、消費税増税法案を否決し、野田政権を解散か辞職に追い込む。 それしかない!!

 ほぼ全ての主要メディアが、消費税増税を支持する立場だ。 自民党が今国会での消費税増税法案の成立を阻むことになったら、大手マスコミは、一斉に谷垣自民党を批判するに違いない。 「3党合意を破ったことで、自民党は国民の信頼を失った」とか、「衆院選挙では、有権者の厳しい審判を受ける」とか…。 地元の選挙区を歩いた感触で言うと、マスコミの論調を気にする必要は全くない!(キッパリ)

 国民は、「自民党は3党合意を破棄して、私たちの未来にとって大事な消費税増税法案を潰した。実にけしからん!こうなったら、マニフェストの公約はほとんどウソだったが、消費税増税に政治生命を賭けて来た野田民主党に一票を投じよう!」なんて、けっして思わない。(笑) 

 え? 既存政党への不信感がさらに高まって、いわゆる「第3局」に票が流れるんじゃないかって?! 3党合意を破棄しようとしまいと、「維新の会」を含む「第3局」には、追い風が吹く。 消費税増税法案を成立させて選挙に突入しても、「自民と民主が談合した」と攻撃されるのだ。 ましてや、6割の国民は、今国会での消費税増税法案可決に反対している。 結論として、消費税法案の否決が、次の選挙で自民党の大きな足枷になるということはない。

 衆院選挙への影響がどうのこうのと言う前に、もっと大事なことがある。 それは、自民党が、今、国家国民のために何を優先すべきなのかという点だ。 過去3年間で、日本の国益は大きく損なわれた。 何度も言って来たように、民主党政権が1日長く続けば、その分だけ日本の活力が失われ、国民は不幸になる。 どこかのタイミングで消費税を引き上げることは必要だと思うが、この政権を延命させないことは、もっと重要だ。 

 すなわち、今国会で消費税増税法案を実現することと、民主党政権を解散総選挙に追い込んで政治をリセットすることのどちらを優先するかと言われれば、答えは決まっている。 解散総選挙だ!! そのことを堂々と国民に訴えて、選挙を戦えばいい!!

 もう一杯、ミルクティーを飲んで、国会対策委員会室に行く。


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