2012年4月22日

 ここ数日、あちこちで、「田中、前田両大臣に対する問責決議案の提出・可決は、参院自民党の暴走ではないか?!」「参院の国会運営は、強引過ぎるのではないか?!」みたいな声を聞いた。 一部のメディアでも、自民党の問責路線は、「参院の強行意見に引っ張られる形で決定された」と報道された。

 仮に参院自民党の主戦論が、自民党の「問責+審議ストップ戦略」に少なからず影響を与えたとしたら、「野田政権を解散総選挙に追い込む」ためには、(様々な意味で)プラスに働くと思う。 

 申し訳ないが、昨年9月に今の参院自民党の新執行部が発足して以来、参院は、完全に埋没していた。 参院の存在感(発信力)は、地に落ちた状態だった。 が、今回の件では、「参院が暴走した」と批判されているのだ。 裏を返せば、参院自民党が、久々に「自らの意思」(=個性)を主張したということではないか!(ニッコリ) 

 2閣僚問責への流れを主導したのは、どう見ても参院の国会対策委員会(脇雅史国対委員長+世耕弘成国対委員長代理)だった。 内部にいる自分が言うのだから、間違いない。 最前線の部隊長(予算委員会筆頭理事)として、脇国対委員長とは常に連絡を取り、戦略の擦り合わせを行って来た。 嬉しかったのは、参院議員会長も、参院幹事長も、ぶれずに歩調を合わせていることだ。 改めて言うが、参院自民党執行部の方針を全面的に支持する!

 以前のブログにも書いた。 問責の提出時期や問責可決後の対応に関して、公明党と足並みを揃えられなかったのは残念だった、と。 が、今回は「やむを得ない判断」だった。 参院の問責は重い。 誰が見ても「不適材不適所の閣僚」を、内閣の延命のために続投させようとする政権のほうが異常なのだ。 問責後の野党の対応の乱れについて、脇委員長が苛立つ気持ちはよく分かる。 2人の大臣を更迭すれば、自民党は明日にも全ての審議に応じる。 それまでは、厳しい姿勢で臨むしかない。

 ただし、「民主党政権の悪循環を断ち切る」ために、友党である公明党との連携は重要だ。 週末のテレビ番組(サタデーずばッと!)で一緒だった公明党の斉藤鉄夫氏も同じ意見だったが、今後、「自公の溝を大きくするような発言」は、お互いに慎むべきだと思う。 明日の午前中に、脇国対委員長とも話してみよう。

追伸:回りからゴチャゴチャ言われても、気にすることはない。 要は、参院自民党が結束を保つことだ。 今回の大臣問責をめぐって、参院が「最後まで自らの意思を貫いた」ことには、大きな意味があった。

 赤字国債発行法案は、参院が生殺与奪を握っている。 結束が崩れなければ、参院がキャスティングボートを握る。 さらに言うと、万一、野田民主党が自公案を丸呑みして消費税増税法案を衆院で通過させたとしても、参院でそのまま成立するとは限らない。 必要なら、参院の審議を通じて、法案を修正することも可能だ。 そのくらいの気概がなければ、「2院制」の意味がない。

 最初に書いたように、今回の大臣問責には、参院自民党の意思が反映されたと言われている。 これが事実だとすれば、会期末に向けて何度かやって来る正念場において、「参院が影響力を行使する」素地を作ったことになる。 参院自民党の存在感が増せば増すほど、「自民党が消費税増税法案に賛成し、そのまま自民・民主の大連立に進む」という「話し合い解散より悪いシナリオ」を防ぐ可能性が高まるのだ。   


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