2012年4月1日:パート2

 消費税増税をめぐる最悪のシナリオ。 それは、自民党が消費税増税法案に賛成し、野田政権を解散に追い込むどころか、そのまま「野田内閣と大連立を組む」ことだ。 

 「当面は、野田総理でいいじゃないか!消費税増税法案を可決したら、自民党は野田内閣と大連立を組み、谷垣総裁は副総理として入閣する。他の主要な閣僚ポストにも、自民党から人を送り込む。これが正しいやり方だ。」 最近、永田町では、「党の長老たちが、野田総理続投のシナリオで合意した」という噂が流れている。 この陰謀には、現職の長老だけでなく、引退したはずのベテラン政治家も加担しているようだ。

 事実、増税法案が国会に提出される見込みになったこの段階になって、「解散なんて条件にせず、消費税増税に賛成するべきだ」みたいな発言が、党内の実力者から聞かれるようになった。 万一、「消費税増税賛成→自民・民主の大連立」などという事態になったら、文字通り「最悪の状況」だ。 自民党が「国益のために一刻も早く交代させねばならない」野田政権の延命に手を貸し、連立のために「民主党とはけっして相容れないはずの政策や理念」をねじ曲げ、野田内閣を助けた功労で森元総理のような「国民的イメージの極めて悪い長老」の影響力が復活する。(ウェッ) 

 加えて、「国民との契約」とまで言い切ったウソの政権公約(マニフェスト)を掲げて議席を獲得した民主党議員たちが、民意の審判も受けないまま、のうのうと国会議員の職に留まる。(ゲボッ) 逆に、いわゆる「サギ(詐欺)フェスト」で議席を失い(又は選挙に落選し)、捲土重来を期して必死に頑張っている「仲間たち」からは、「民主党の現職と戦う武器」を取り上げる(=彼らを見捨てる)ことになるのだ。(怒X10)

 自民党執行部の一部にも、このシナリオの可能性を模索する動きがあるらしい。 一部の幹部が、しきりに「最低保障年金」の仕組みを研究していると聞いた。 事実とすれば、野田総理が、消費税増税法案への自民、公明の賛成を取り付けるために「最低保障年金の創設と年金の一元化の旗を降ろした場合の対応」を考えているのではないか。 そう思わざる得ない。

 現時点では、多くの民主党議員が、「最低保障年金と年金一元化を取り下げるというのは、いくら何でも出来ない!」みたいなことを言う。 が、自分に言わせれば、これは、「社会保障改革で野田総理が譲歩することがいかに難しいか?」を強調するための戦術だ。

 ハッキリ言う。 野田内閣の最大の戦略目標は、「解散総選挙をやらずに政権を延命させること」だ。(断言) そのためには、何があっても「消費税増税法案」を成立させなければならない。 法案可決のために必要となれば、野田総理は、民主党が「社会保障制度改革の中核」として一貫して主張して来た「最低保障年金の創設と年金一元化」さえ、あっさりと撤回するだろう! 最後は、自民党と公明党の要求を丸呑みする形で増税法案を修正することも厭わないと思う。  

 え? ちっとも驚くべきことではない! マニフェストの根幹だった「無駄遣いの削減と総予算の組み替えで16.8兆円を捻出」「消費税増税をやらないという約束」「子供手当の創設」「高速道路無料化」「暫定税率の撤廃」「八ッ場ダム建設中止」等は、全て方針転換して来たのだから。(笑)

 野田民主党が「社会保障改革の2つの看板(最低保障年金と年金一元化)を捨てる」タイミングが近づいている。 もしかすると、野田総理と長老たち(?)の間では、すでに話し合いがついている可能性すらある。その時、自民党が、谷垣総裁がどう動くか? 友党である公明党が、どんな対応をするか? ここが正念場だ。

 マスコミの大物(?)も加わった「消費税増税+野田内閣延命計画」は、着々と進みつつある。 最悪のシナリオが現実のものになる可能性は、(恐らく)日々、高まっている。 同じ危機感を抱く若手・中堅議員と力を合わせて、この「筋の通らない謀略」を潰さねばならない! 「長老の復権」を食い止めねばならない!!

 あ、お湯が沸いた。 この続きは、熱い紅茶を飲んでから。


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