2011年12月24日:パート5

 午後2時30分。 ムンバイに向かう飛行機の機中で、キーボードを叩いている。 高度1万メートルは、空と雲しかない世界。 ジェット気流のせいで、結構、揺れる。 客室乗務員は、感じのいい人ばかりだ、な。(ニッコリ)
 
 ムンバイまでは、約10時間。 ふと思い出した。 今から10年近く前、自分の発案で、安倍晋三元総理(当時は官房副長官)を支える「勝手補佐官」というグループを発足させた。 下村博文氏、高市早苗氏、世耕弘成氏、山本一太の4名だった。 ある時、安倍副長官を追いかけて、この4人で米国に飛んだ。 長いフライトの最中、飛行機の機中(シートベルト付きのカウンターみたいなエリア)で、一緒にお茶を飲んだ。 ニューヨークの街角で、パンフレットも配った。 皆、まだ若かった。 懐かしいなあ。
 
 その後、安倍政権が誕生して、下村氏は官房副長官に、高市氏は閣僚に、世耕氏は首相補佐官になった。 テレビ等で「何のポストも求めない!」と宣言していた自分は、無役を貫いた。 あの時、律儀な安倍総理は、山本一太を政府か官邸のポストに抜擢しようとしてくれていた。 組閣の終わった翌日に、総理から電話があった。 今でもハッキリ覚えている。 「あ、山本さん?安倍です。お陰で、総理になれました。他の人たち(勝手補佐官の3名)は、官邸か政府に入ったのに、山本さんだけポストがなくて申し訳ない。まあ、あれだけ『受けない』と言ってたら、仕方ないけど。(笑)どこかで、必ず、考えるから、ね!」 
 
 その電話から1年後、安倍総理が突然の辞任表明。 直後に慶応病院に入院した。 入院中の病院からも、携帯に連絡があった。 あの日のブログは、とても読み返せない。 本当に辛かった。(ため息)
 
 やっぱり、自分は心のどこかで、安倍元総理に「2度目のチャンスが訪れる」のを願っている。 再チャレンジへの道(首相としての再登板)は険しい。 ああいう辞め方をしたことに対して、世の中の見方は依然として厳しいからだ。 それでも、政界に「新しい保守」の流れを作り、外交敗北の連鎖からこの国を救えるのは、安倍元首相しかいないのではないか! そんな気がする。
 
 過去1年間、参院政審会長(政調会長代理)として、石破茂政調会長(当時)の考え方や行動を目の当たりにした。 ウソのつけない、ちょっぴり不器用な人柄(チャーミングな人間性)にも触れた。 石破政調会長のパーティーで政調会長代理としてマイクを握った際には、会場に来ていた石原伸晃幹事長を見ながら、「石原幹事長と切磋琢磨して、総理大臣を目指してください!」と挨拶した。 翌日の新聞の囲み記事に、このエピソードが載ったのを憶えている。 
 
 が、しかし、「さわらび会」に入っても、「石破前政調会長を総裁選挙で応援する」と言えない最大の理由は、「安倍元総理の決意」を見極め切れていないことだ。 そこらへんの政治家みたいに、「誰が有利になるか」を見定めているからではない。(笑X2) 万一、安倍元首相が、あらゆる批判を覚悟して「もう一度、命懸けで勝負する」というなら、そのための覚悟を目に見える形で示してくれるなら、迷わず馳せ参じる。 ただし、その時は、自民党のためではなく、日本のために(国民のために)行動して欲しいと思う。
 
 もうひとつ、気にかかっていることがある。 それは、30年来の友人である河野太郎衆院議員の動きだ。 前回の自民党総裁選挙では、「山本・世耕チーム」が原動力になって、出馬に必要な推薦人20名を(必死の思いで)確保した。 河野太郎氏は、原発問題でブレイクしている。 次回は、YSコンビの後押しがなくても、総裁選に立てるだろう。 それでも、河野太郎氏の行動に無関心ではいられない。 いろいろなことを、ずっと一緒にやって来た政治的盟友だもの! 党内ではなかなか主流派になれないが、太郎氏が未来のリーダー候補の1人であることは間違いない。 でも...なあ。

 
 ちょっと指が疲れた。 食後の紅茶を飲んで、少し眠ろう。 ああ、ムンバイまでの道のりの長いこと。(ため息)
 
追伸:
1.年明け早々、久々に「勝手補佐官の会」をやることになった。 安倍元総理を囲んで、本音の話し合いをしたい。

2.参院自民党全体の発信力は、明らかに低下した。 が、予算委員会の現場は、依然として「戦闘意欲満々」の状態だ。 野田政権は、5月までに必ず追いつめる! 大連立や政界再編は、解散総選挙で政治をリセットした後の話だ。

 年明けから、政局は大きく動く。 民主党政権の求心力は、急激に落ちていくだろう。 参院自民党(少なくとも参院予算委員会)は、ぶれずに野田総理との対決姿勢を貫いていく。 そこで、衆院側に、改めてお願いしておきたい。 この状況の中で、間違っても「選挙を先送りする」(=野田内閣の再浮上を助ける)ような動きだけは、やめていただきたい! まあ、谷垣執行部は一貫して「出来るだけ早く解散に追い込む」と明言している。 野田総理に塩を送るような自民党議員はいないと信じたい。 最大野党自民党の最大の目標は、「政権の奪還」なのだ。
 

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