2011年10月22日:パート3

 食休みも兼ねて、その4を書く。 終わったら、走る。 昨晩は寒くて目が覚めた。 それとも、体調が悪かったのかなあ。 体温計で測ったら、体温が平熱よりかなり下がっていた。(ブルブル) 急いで温かいお風呂に入り、もう一度、布団に潜り込んだ。 

 さて、今回の参院役員人事をめぐる対決で、中曽根陣営が敗北した理由は2つあると思う。 ひとつは、中曽根会長が小坂憲次氏を幹事長に任命したことに対する参院自民党内の反発の深さ、違和感の強さを、前執行部が過小評価していたこと。 もうひとつは、(申し訳ないが)中曽根議員会長の決断が遅れたことだ。 将来、改革派がどこかで反撃に転じるためにも、この2つの教訓は、胸に刻んでおく必要があると思う。

 今回の役員人事騒動で、3派が公に主張していたのは、「小坂幹事長の交代」という1点だった。 その理由は、「衆院から転身したばかりの小坂氏が、いきなり幹事長になるというのはおかしい。他にも参院自民党でキャリアを積んで来たひとがいるではないか!」というものだった。

 もちろん、自分は、中曽根会長の「現執行部の続投」という方針を嬉しく思っていた。 3役(幹事長、政審会長、国対委員長)はそれぞれ違うタイプながら、うまくマッチしていた。 前の執行部に比べて、参院自民党の発信力も倍加していた。 この体制を続けるのが、参院自民党にとってベストの選択肢だと信じていた。 小坂幹事長は、参院政審のランクアップのためにも、様々な後押しをしてくれた。 そのことは、今でも感謝している。

 反面、スゴく正直に言って、3派の主張は「全くの筋違いだ」とも思っていなかった。 反執行部派は、「衆院からの転身組を登用すべきでない!」とは言っていなかった。 彼らの言わんとするところは、「衆院から来たばかりの小坂氏を、いきなり参院自民党の顔である幹事長にすること自体に無理があった。1年もやったのだから、参院で苦労して来た他のひとに譲って、自ら降りるべきだ」ということだった。 もし中曽根会長が、同じ抜擢でも、小坂氏を幹事長ではなく、政審会長、あるいは副会長、議員運営委員長のようなポストに任命していたとしたら、こんな反発は起こらなかっただろう。

 今から1年前、中曽根会長から「幹事長は小坂氏にお願いするつもりだ」と告げられた時、実は自分も戸惑いを感じた。 以前から、あちこちでこう発言していたからだ。 「参院は衆院の落ち葉拾いの組織ではない!リサイクルの府でもない!本当に能力のある人、将来性のある前議員ならともかく、衆院落選組を軽々に参院の候補者として立てるのは反対だ!」と。 

 中曽根会長には、率直にこう申し上げた。 「小坂さんは閣僚も経験された立派な方だと思います。議員会長選挙でも一緒に戦いました。が、少し前に衆院の小選挙区で落選して、参院の比例で政界に復帰したばかりのひとです。その小坂氏を他のポストならいざ知らず、参院自民党の中枢である幹事長に持って来るというのは、ずっと参院で頑張って来た私にも違和感があります。参院内部でも、かなり強い反発が起こると思います。」 失礼だったが、同じことを、小坂氏本人にも話した。 いつも言っているように、陰でコソコソ言うのは嫌なのだ。 加えて、この人事は、「幹事長は選挙の強い政治家でなければならない」という山本一太の持論とも矛盾していた。

 黙って頷いていた中曽根会長が、噛み締めるように言った。 「一太さんの言うことはよく分かります。いろいろな人から同じことを指摘されました。でも、批判や反発は全て覚悟して、私が幹事長になっていただこうと決めたんです!」 会長がそこまでの気持ちで決めたのなら、異論を差し挟む余地はない。 少し間を置いて、「分かりました」と答えた。 振り返ってみれば、参院自民党の内紛の火種は、もうこの時点から始まっていた。

 3派の議員たちは、少し大袈裟に言うと、選挙に敗れた翌日から(1年後の役員改選を視野に入れて)「反撃の準備」を始めていた。 新執行部のパフォーマンスを観察しながら、半年前には小坂幹事長にターゲットを絞っていたのだ。 その動きをキャッチ出来なかったのは、執行部全体の責任だ。 主戦場となった参院で、「目に見える成果」を上げようと血眼になっていた。 過去のブログにも書いたが、ひとりひとりが主役である仲間たちへの配慮が、十分に出来ていなかった。(反省)

 後で考えてみると、1年後に小坂幹事長が再任されるためには、次の2つのどちらかをやるしかなかった。 ひとつの方法は、小坂幹事長と反執行部派の溝を埋めるために、不断にコミュニケーションの努力を重ねることだ。 この点に関しては、小坂氏個人というより、執行部全員で取り組む必要があった。 

 もうひとつの道は、小坂幹事長自身に、「衆院から来てスグになったなんて関係ない。余人をもって代え難い!」「小坂幹事長にどうしても残って欲しい。そうじゃないと、参院自民党全体の戦闘力が低下する!」と(多くの仲間から)思われるような「圧倒的な存在感」を示してもらうことだった。 残念ながら、上記の2つとも達成出来なかった。

 あ、お湯が沸いた。 ほうじ茶をもう一杯飲んで、それから運動する。

 
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