2011年8月27日:パート3

 昨日、佐藤正久参院議員と電話で話した。 政審副会長の1人である「ヒゲの隊長」も、「音楽等の私的ダウンロード防止法案」には慎重だった。 そりゃあ、当然だ。 佐藤正久氏は、世の中の流れをキャッチする感性の持ち主だもの。 

 2年後の参院選挙にも話題が及んだ。 「一太さん、我々の時(次の参院選挙)は、やっぱり逆風になりますよね!」「うん、間違いなくそうでしょう!」

 自分は、永田町関係者から「政界の黄色いカナリア」と呼ばれている。(笑) 事前に危機を察知するアンテナが優れているから(=政局の予測がよく当たるから?)だそうだ。 カナリアの直感がこう言っている。 「2年後は(これまでもそうだったように)、多くの有力な現職が落選する。自分だって、当選出来るかどうか分からない!」と。 

 次の参院選挙では、1人区で苦戦するのはもちろん、複数区でも自民党が議席を獲得出来ない「ゼロ地方区」がかなり増えるだろう。 時代の変化を考えれば、「自民・民主が仲良く2議席を分け合う」みたいなプラチナシート・システムはもう続かない。 特に比例区の議席数は、その時の自民党のイメージに直結する。 このシナリオを回避するためには、脱派閥、脱長老支配の「オープンで実力主義の参院自民党」(=一人一人が個性を発揮出来る組織)を作るしかない。 その試みが頓挫しかけているのだ。 

 心配なのは、今回の参院自民党役員人事をめぐるゴタゴタが、参院自民党のイメージを決定的に悪化させる可能性が高いということだ。 さらに言うと、菅政権を退陣に追い込む上で大きな役割を果たして来た参院自民党の内輪もめが、自民党全体の戦闘力の低下に繋がること。 それはすなわち、参院での追及を最も恐れている新総理(=民主党政府)を喜ばせることに他ならない! 

 参院自民党役員人事に関する今後の内部対立の展開次第では、そうでなくても逆風の予想される2年後の参院選挙は、益々厳しい状況に陥るだろう。 ましてや、参院自民党が「派閥談合と長老支配」の不透明な組織に逆戻りしたというメッセージが発信されたら、選挙基盤の弱い現職はひとたまりもないと思う。

 いや、恐らく、もうこのシナリオは避けられない! これこそ、自業自得だ。 重要なのは、今回の対決の意味(なぜ、こんなことになったのか?)を、正確に国民(有権者)に伝えることだ。 誰がどう行動したのかを、ちゃんと分かってもらう必要がある。 「参院自民党の人事は長老が動かしている!」「中曽根改革は頓挫した。脱派閥もオープンな参院自民党も実現出来なかった!」「派閥均衡、年功序列の古くて存在感のない参院に先祖帰りした。こんな組織ならいらない!」 次の選挙は、そうした烙印(批判)の下で戦うことを覚悟しなければならない! そして、「それでも勝つための戦略」を必死で考える。 それしかない!!

 先ずは、どんな暴風雨が吹いても、次の戦いに生き残ること。 そうすれば、必ず、リベンジ(逆襲)のチャンスがやって来る。

追伸:親しいマスコミ関係者から電話が来た。 「一太さん!来週にも新しい総理が決まって、自民党が結束して対応しなければならない時に、参院は一体何をやってるんですか?ハッキリ言うけど、国民は(大して関心もないけど)笑ってますよ!」 ひと言も反論出来なかった。 「いや、面目ない。参院執行部の1人としても、自民党の参議院議員としても、本当に恥ずかしい!」と返事をした。

 
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