2011年8月18日:パート2

 午後9時過ぎ。 東京の部屋。 グレープフルーツジュースで水分補給して、本日2本目のブログに取りかかった。 BGMで流れているのは、Nikki Jeanの最新アルバム。 好きだな、この流れに逆らわない自然体のボーカル。 政治の難問も、肩の力を抜いて向き合うと、意外にうまくいったりして?!

 昨日の10役会議の後、逢沢一郎国会対策委員長に声をかけられた。 「山本さん、いつも元気だねえ!やっぱり、腹筋やってるからかな?」「え?なぜ、毎晩、腹筋やってるのを知ってるんですか?」と聞くと、「あなたのブログ、読んでるもの!」だって。(笑) そうか、逢沢国対委員長も読んでくれているんだ、な。 これじゃあ、毎日、書かないわけにはいかない。 睡眠時間を削っても...(ふう)

 さて、「二重ローン問題」に関する民主・自民・公明の協議が続いている。 自公が提出した「東日本大震災事業者再生支援機構法案(二重ローン救済法案)」は、野党が過半数を占める参院では可決された。 参院自民党からは、法案をめぐる3党の実務者協議に片山さつき氏、山田俊男氏が参加。 この2人の涙ぐましい努力もあって、参院は何とかクリアした。 にもかかわらず、今国会の成立は微妙だ。 法案の中身について、与野党の隔たりが依然として埋まっていないからだ。

 民主党はこれまで「法制化は不要」という立場を取って来た。 が、昨日のマスコミ報道によると、「新法の制定を検討してもいい」と言い始めたらしい。 すでに「二重ローン救済法案」を提出している自公両党に譲歩した形だ。 法制化を認めるなら、政府与党には、ぜひ、野党案を受け入れてもらいたい。 被災事業者を二重ローン地獄から救い出すためには、法律に基づく特別な機構「東日本大震災事業者再生支援機構」が、どうしても必要なのだ。

 そもそも、自分には、被災地の二重ローン問題に関して、「新たな法律を作らずに既存の『中小企業基盤整備機構』で対応する」という政府の考え方が理解出来ない! 今の非常時に「平時のメカニズムを流用する」みたいな発想は通用しない。 だいいち、この機構の対象は中小企業だ。 被災者の中にも大勢いる農林水産業者や社会福祉・医療法人に対して、適切な対応が取れないではないか!!(怒)

 さらに言うと、新たな法律がなければ、既存の機構から他の債権者に対して「回収停止要請」を行うことが出来ない。 すなわち、それは「債務者が破産の危機にさらされ続ける」ことを意味する。 加えて、この機構では政府保障を付けて民間から財源調達することも無理。 つまり、救済規模が小さくならざる得ない。 余剰資金を使い終わったら、一般会計の税金で債権を買い取ることになる。 でも、2兆円(?)なんて、一般会計で出せるワケがない!!(断言) 

 もっと驚くのは、巨額な公的資金を扱うにもかかわらず、債権買い取りに関する機構への罰則・刑事罰がつかないこと。 これはどう見てもおかしい!! 書いているうちに、怒りが込み上げて来た。 政府案に出て来る経済産業省所管の独立法人「中小企業基盤整備機構」の問題点についても指摘させてもらう。 この組織を活用しようという企みは、最初から気に喰わない。 その理由は以下のとおりだ。

(1)この機構は、もともと特殊法人。現在は独立行政法人の80%子会社だが、民主党政権の「事業仕分け」の対象にされて、業務を大幅に減らされそうな状況だった。震災を理由に焼け太りを狙っている感じがしてならない。
(2)理事長も理事も経済産業省の天下り。理事長は年収2255万円、理事は年収1725万円となっている。
(3)すっかりメッキの剥がれたあの「事業仕分け」によって、中小企業基盤整備機構のベンチャーへの出資は合理的でないという理由で削減された。今回、二重ローンに流用しようとしている(?)2000億円の余剰資金については、「国庫に返納せよ」という仕分け結果になっている。
(4)もともと、3300億円の運用損を出しており、9900億円の積み立て不足がある。

 民主党の「子ども手当・嘘つきビラ騒動」の影響で、明日の参院本会議が流れた。 国会日程が益々厳しくなる中で、二重ローン救済法案を今国会で成立させるためのタイムリミットが近づいている。 もう一度、言わせてもらう。 民主党が真剣に被災地の復興を考えているなら、野党案に沿った新法の制定に賛成して欲しい!! 政府与党の皆さん、ぜひとも、お願いします!!

追伸:今回、自民党の実務者の1人として、二重ローン救済法案の与野党協議に参加している片山さつき氏は、この法案のために「寝食を忘れて」奔走して来た。 まさに八面六臂の活躍だ。 

 片山氏は思い込んだら猪突猛進するタイプ。 回りのことを考えずに強引に突っ走る傾向がある。 だから、反発も多いし、あちこちでハレーションを引き起こす。(って、人のこと、言えないけど!(笑)) 参院執行部の1人として、何度か、本人の前で厳しいことも言った。 そのほうが、片山氏のためになると思ったからだ。 四面楚歌になったら、政治家としての能力を生かせなくなっちゃうもの。 いずれにせよ、陰でコソコソ批判するのは、山本一太のスタイルではない!

 それはそうとしても、片山さつき氏の政治に対する熱意、政策や法律の知識、行動力はスゴい! 政治家としての戦闘力はずば抜けている。 もう1ついいなと思うのは、常に「野党は発信力が全て!」という意識を持って行動していること。 ここらへんは見ていて勉強になるし、自分の感覚とも一致する。

 いずれにせよ、参院自民党の同僚でもある片山さんのこの必死の思いは、ぜひとも結実させてあげたい! ちっちゃな発信装置ではあるが、この問題については、「直滑降ブログ」でも、引き続き発信する!!

追伸:どこかの記者が書いた「参院自民党の役員人事」についての記事をチラッと読んだ。 悪いけど、取材力がない。(ガクッ) 実際に誰が何を言ってるのかを、ちゃんと調べていない。 前任者と違う、な。


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