2011年8月2日:パート2

 衆議院の経済産業委員会で出回っている「修正の主な論点」という紙が手に入った。 タイトルの下に、「欧州視察、27日の質疑、28日の参考人質疑を踏まえて」(2011.7.29 自民党:西村康稔、公明党:佐藤茂樹)と書かれている。

 論点として記されている内容は、先日、世耕弘成氏(特命委員会事務局長)に頼んで作成してもらった論点メモ(エネルギー政策最高幹部の打ち合わせで示した資料)の中身と重なっている部分が多い。 このペーパーの作成者である西村康稔衆院議員は、自民党の経済産業部会長として「再生可能エネルギーの問題」に精力的に取り組んで来た。 頭脳明晰で、行動力もある。 エネルギー政策に関する与野党の欧州視察にも、自民党を代表して参加した。 

 ふうむ。 視察中に、与野党議員の間でいろいろな話し合いがあったのだろうか? 衆院の委員会では、すでに法案の審議が始まっている。 現場には現場の事情というのもあるだろう。 それは分からなくもない。

 が、しかし、衆院経済産業委員会の自民党と公明党の理事の連名でこんな文書が出れば、他党は「正式な合意案」だと受け取る。 事実、この件に関するブログを読んだ某党の経済産業委員会委員からも電話があった。 「同じ党の法案担当の特命委員長が知らない紙を、他党の私に渡すなんて、公党間のやり取りとしても変ですよね!」と話していた。 「そうそう、うちの党のメンバーは、皆、一太さんのブログを読んでますよ!(笑)」とも。

 公明党の佐藤理事は、党の了解を得た上でやっているに違いない。 これに対して、自民党は、(申し訳ないが)この法案の交渉を西村氏に一任していない!(キッパリ) 平場の議論も終わっていないのだから(=党の方針がまだ決まっていないのだから)、当然だ。 だいいち、特命委員会の委員長代理である西村氏なら、そんなことは分かっているはずだ。 何か深い意図(戦略?)があってのことだろうか?

 以前のブログにも書いたが、参院自民党には「再生可能エネルギー法案」そのものに慎重な意見がある。 だからこそ、特命委員会での法案の議論を丁寧に進め、まとまれば、きちっと参院で成立させたいと考えていた。 石破政調会長が、参院政策審議会長である自分を特命委員長に抜擢したのも、参院での審議を考えた上のことだと思う。

 結論から言うと、先週末に作成されたこの(西村氏等の名前を付した)「論点ペーパー」があちこちに流れたことは、法案成立のために明らかにマイナスだ。(ため息) 法案の内容についての党内議論が終わらないうちに、なぜ、こんな紙を他党に渡す必要があったのだろうか?! わざわざ野党理事の名前まで入れて???

 明日も特命委員会をやる。 そこで、西村康稔氏に直接、経緯を確認してみよう。

 
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