2011年5月23日:パート6

 少し前のことになるが、参院外交防衛委員会のメンバーである島尻安伊子参院議員から、「一太さん、日米地位協定に関しては、自民党からもっと積極的にメッセージを出したほうがいい問題もあります。政審会長として、何か発信の仕方を考えてもらえませんか?」と頼まれた。

 沖縄県選出の島尻安伊子氏は、この4年間、沖縄振興策や普天間基地問題に精力的に取り組んで来た。 沖縄問題については、自民党内の議論をリードしている政治家の1人だ。 政治センスもいいし、行動力もある。 何より、誠実だ。 

 島尻参院議員が、「自民党が率先して動くべき問題がある」と言って来たのには、理由がある。 きっかけは、4月14日の参院外交防衛委員会の審議だった。 この日、自民党を代表して質問に立った島尻氏が、1月に沖縄県で発生した米軍属による交通死亡事故を取り上げた。 沖縄市の道路で、帰宅途上の米軍の軍属が運転する乗用車が日本人男性の運転する軽自動車と衝突。 日本人男性が搬送先の病院で亡くなるという痛ましい事件だった。 

 那覇地検は、日米地位協定を踏まえて「米軍の軍属による公務執行中の犯罪であり、米側に第一次裁判権がある」と判断し、3月24日、当該米軍属を不起訴処分とした。

 島尻安伊子氏は、「この被疑者(米軍人軍属)が不起訴になった後で、米側の裁判がどうなったのかについては、日米合同委員会で日本政府が報告を受けることになっている。その報告を遺族に伝えるのか?」と松本外務大臣に何度も迫った。 最後は、「ぜひ、そうなるように考えたい」という外相答弁を引き出した。

 続けて、島尻委員が指摘したのは、日米地位協定の中の「軍人軍属が公的行事なら飲酒後でも運転して自宅に帰れる」となっている部分(実質的には死文化)の見直しだった。 島尻氏は、こんな問題こそ、自民党がもっと全面に出てアピールすべきであり、それは(結果として)政府を後押しすることにもなると考えているのだ。

 あ、お湯が沸いた。 熱い紅茶を、もう一杯飲む。 この続きは、「島尻安伊子参院議員の思い:その2」で。


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