2010年12月29日

 国会同意人事を審査する参院自民党の人事審査委員会の長は、政策審議会長である自分が務めている。 政審副会長は全員がメンバー。 国会対策委員会や議員運営委員会からも、筆頭副委員長クラスが出席する。

 この委員会で、同意人事を議論し、幹事長室や国対とも相談した上で、参院自民党の立場を決めて来た。 同意人事の対象となる行政機関等の役職者について政府の説明を聴き、委員間で議論をする。 その中で、民主党政権が「真剣に人事をやっているとは思えない事例」に何度も遭遇した。 特に問題になったのが、過去のNHKの経営委員会委員に関する一部の人事だった。 「明らかに問題があるのになぜ?この人にする理由が分からない!」 丸山和也議員等が、鋭く指摘した。 詳しい内容は書かない。

 さらに、今年最後の人事審査委員会では、複数の政審メンバーから、「役職者の報酬は適切か?」という疑問が呈された。 NHKの経営委員を含む各種の委員会や審議会の委員の活動や報酬について、改めてチェックしてみようということになった。

 何度も言っているように、自分の関心は「公共放送であるNHKが、自社の記者による捜査情報漏洩問題にきちっと対処し、2度と不祥事を起こさない体制を作れるかどうか」だ。 残念ながら、不祥事に関する処分も含め、これまでの対応は不十分だと感じている。 

 だからこそ、NHK改革の中核を担う次期会長の人事を注視せざる得ない。 1人の国会議員として、意見を言わざる得ない。 何度考えても、経営委員会が会長就任を要請したという安西祐一郎前慶應義塾塾長が「なぜ、NHKの会長としてふさわしいのか?」が理解出来ない。 総理官邸や総務省がNHK会長人事にどれだけの影響力を持つのかは分からない。 が、今回のNHK会長人事も、民主党政権得意の「行き当たりばったり政策」の一環みたいに見えて仕方がない。

 山本一太のブログに、ツィッター上で世耕弘成氏(自民党幹事長代理)が反応した。 「本件(NHK会長や経営委員の人事)、私も重大な関心を持っています。年明け、参議院でしっかり議論しましょう。」「私は(NHKを所管する)総務委員なのでしっかりやります。交際費、住宅手当等もチェックしなくては」とつぶやいている。 世耕氏は総務委員会所属で、かつ放送行政の専門家でもある。 これ以上、強力な応援団はいない!!(ニッコリX10)

追伸:ツィッターと言えば、同じ人物(明らかに慶應OB)から何度もメッセージが寄せられている。 「慶應義塾の塾長選挙で怪文書が流れるのはいつもの話。このポストの権力闘争は熾烈で、ただの人格者ではなれない」とか、「慶應義塾出身の政治家、財界人は多数いて、その先生が慶応義塾の塾長。その人のことを不特定多数にコメントするのは、慶應義塾卒業生全体にとって非常に失礼な話だ」(そうなのか!今度、河野太郎氏に聞いてみよう!)とか、「塾長の原点は福澤諭吉。その後継者の資質をあなたが空騒ぎするのは不適切」みたいな趣旨のつぶやきだ。(ガクッX5)

 申し訳ないが、この手の感情論は、全く説得力がない。 安西前塾長をよく知っているのなら、「安西祐一郎氏が経営の効率化と内部改革を進めなければならないNHKの会長として、なぜ適切なのか?」を、ぜひ、具体的に説明して欲しい。 そんなに信望の厚い人物なら、なぜ、塾長選挙の予備選挙にすら勝てなかったのかも。 NHK会長には、優れた経営感覚が求められる。 安西前塾長の大学の経営者としての手腕や評価についても、ぜひ、教えていただきたい。

 
直滑降レポートを応援していただける方は、blogランキングへ

山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」無料配信中!