2010年12月10日:パート4

 先日、自民党の党紀委員会が、愛知県知事選挙への出馬を表明した大村秀章衆院議員を、本人が離党届けを出しただけで(一足飛びに)「党から除名する」という決定を下した。 このことに関して、今日の総務会で異論が噴出した。

 「党紀委員会が独立した機関というのは分かる。が、愛知県知事選挙をめぐる今回の大村氏の除名処分は、今後の国政の流れにも大きな影響を及ぼす。あまりに性急だったのではないか?」「大村氏は党にも貢献している。愛知県連の推す候補者が、本当に選挙に勝てるのかという問題もある。次の衆院選挙で自民党の候補者を当選させるために何がプラスになるか?そのことをよく考えたほうがいい。やり直すべきだ!」「自民党として、知事選挙に勝てるかどうかという視点が重要だ!」

 ある議員は、「愛知の自民党県連が決定した今の候補者では、知事選挙には勝てない!」という意味のことまで言った。(驚) 意見を言った総務会メンバーの間には、「現時点で、県連推薦の候補者が勝てる見込みはない!」みたいなニュアンスが漂っていた。 ふうむ。 何かの世論調査で、「大村秀章氏が圧倒的にリードしている(?)」ということなのだろうか? 党の調査?! それとも、マスコミのデータかなあ?!

 ひとことで言うと、党内のかなり多くの若手・中堅議員が、「せっかく自民党の支持率が回復し、首長選挙でも連戦連勝している。それなのに、愛知県で勝てない候補者を推して負けたら、流れが変わってしまう!」「大村氏なら、知事になっても、自民党とのパイプがある。そのほうが、次の衆院選挙で自民党候補者が戦いやすいのではないか?!」という感覚を持っているようだ。 

 先日も、東海地方のある議員が、ため息混じりに、つぶやいていた。 「だって、一太さん。愛知の小選挙区で自民党候補者は全員が落選した。唯一、復活当選した大村氏がいなくなったら、代議士ゼロの状態になる!よほど戦略を考えないと、次の国政選挙は戦えない!」

 総務会が終わった後、何人かの党幹部が会議室に残った。 15分ほど、言葉を交わした。 ある有力幹部は、「党紀委員会の手続きにも問題があるのではないか?」と指摘していた。 いろいろ情報を集めてみると、石原伸晃幹事長は、党紀委員会に「大村秀章氏の離党届を受理するかどうか」を諮ったらしい。 が、党紀委員がかなり強行で(?)、一気に「この場で除名すべきだ!」みたいな流れになった。 そこで、投票したところ、「賛成10、反対5」で除名処分が決まったというのが真相のようだ。 ふうむ。 これが事実だとすると、ちょっと乱暴な気がする。

 今日の総務会の雰囲気、党内の若手・中堅議員の動き、総裁や幹事長の発言等から考えると、党紀委員会がいったん決定した「除名処分」は、もう一度、総務会に諮られる可能性が高い気がする。 こんな状態では、愛知県自民党県連の推す候補者を「自民党本部が推薦する」のは、なかなか難しいのではないか? すんなりとは行きそうもない。

 あ、間もなく東京駅のアナウンス。 この続きは次回のブログで。


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