2010年11月8日

 今回の河野ロシア大使の一時帰国、ロシアへの帰任は、極めて「中途半端な外交」だった。 政府は、「河野大使を呼び戻したのは、あくまでメドヴェージェフ大統領の国後島訪問の真意や背景の説明を聴くため。ロシアへの対抗措置ではない!」と説明。 大使の帰任については、「ヒアリングを終えたので返した」と。 同時に、マスコミには、「事実上の制裁措置だ」という情報を流した。

 今回の措置は何のためだったのか?! 国民には、釈然としない思いが残ったに違いない。 しかも、こんな曖昧な対応では、肝心のロシアに「強い外交メッセージ」が伝わらない!(ガクッ)

 菅内閣の意図はミエミエだ。 尖閣ビデオが流出して、APECでの日中首脳会談が怪しくなって来た。 仮に日中首脳会談が実現せず、日露首脳会談まで出来なかったら、批判は免れない。 30%台まで落ちた内閣支持率が、さらに下がるかもしれない。 それだけに、この段階でロシアを刺激するようなことはしなくない。日露首脳会談に影響があったら大変だ。 こういうことだろう。

 胡錦濤国家主席やメドヴェージェフ大統領に会って、少しでも外交得点を上げたい(=外交の成果を強調したい)と躍起になっている管政権。 首脳会談を受けるかどうか自体を、外交カードとして使える中国とロシア。 鳩山内閣から続く民主党政権の「戦略なき外交」のツケが、一気に吹き出した形だ。(ため息)


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