2010年6月23日:パート2

 掲載の順番は前後するが、間違って消してしまった「なぜ、派閥解消を訴えるのか?:その7」の復元を試みたい。 ええと、文章の出だしはどうだったかなあ。 確か、こんな具合だった。

 このブログで「なぜ、派閥解消を訴えるのか?」シリーズを始めた途端に、「谷垣批判はやめて欲しい!」という複数のメールが届いた。 谷垣総裁に「派閥の解消」を求めることが、なぜ、谷垣氏を批判することになるのか、自分には、全く理解出来ない???

 民主党政権が誕生して10ヶ月。 民主党の政策には、「アンチ・グローバリズム」「アンチ・ビジネス」の匂いがする。 菅直人総理が付け焼き刃の「政調戦略」を打ち出してはいるものの、(再配分ばかりを重視して)「経済全体のパイを大きくする」(=経済を成長させる)という発想があるようには、どうしても思えない。 総理の所信表明演説で飛び出した「強い経済」「強い財政」「強い社会保障」という3つのキャッチフレーズ。 響きはいいが、これらをどうやって達成していくのかという具体的な道筋も方策も、ほとんど示されていない! こんな無責任な政策を続けられたら、日本はそれこそ凋落の道を辿ってしまう。

 そう思うからこそ、今回の参議院選挙は、勝たねばならない。 自民党のためというより、日本のために! 参議院で与党の過半数獲得を阻むことが出来なかったら、菅政権の政策をチェックする手段がなくなってしまう。 そのことを踏まえて、「どうやったら、自民党の議席をひとつでも増やせるだろうか?」と考えてみる。 答えは明白だ。 国民の多くが抱いている「自民党は昨年の総選挙の惨敗から何も学んでいない!」「ちっとも変わっていない!」という認識を転換させ、やはり多くの有権者が「こんな短期間で政権を戻したくない」と考えている「古臭くて、既得権益と結びついた政党」という自民党のイメージを払拭することだ。 そのために、出来る限りのことをやる。 自明の理ではないか。

 政策の中身で、与党を論破するのは重要だ。 が、しかし、それだけでは、国民の自民党への支持は戻って来ない!(キッパリ) 何度もこのブログに書いたように、「政策を作るプレーヤー」が信頼されなかったら、どんなにいい政策を打ち出しても、国民の心には響かない。 毎週、ちゃんと選挙区に戻って、真面目に有権者と接している自民党議員なら、このことを痛感しているはずだ。

 地元を回っていると、支持者の方々から必ず言われる言葉がある。 それは、「一太さん!自民党は、もっと若い人を全面に出したほうがいい!」というフレーズだ。 「派閥の長老はもちろん、見るからに古い自民党みたいな政治家が出て来る度に、自民党の票が減ってるよ!」とも。 

 回りの若手・中堅議員は、口を揃えて、「オレも(私も)選挙区で同じセリフを聞かされる」と言う。 どう考えても、「古色蒼然とした自民党」は、長老支配と派閥政治のイメージに根ざしている。 すなわち、国民の目には「派閥=長老支配=既得権益=自民党」と映っている。 この「イメージ悪化スパイラル」を断ち切らない限り、自民党はけっして「新しい1歩」を踏み出せない!(断言)

 仮に、谷垣総裁が「自民党が変わる覚悟を示すためにも、既存の派閥は全て解消してもらいます!私の総裁としての決断です!」と宣言するとする。 そのことで、何か自民党にマイナスがあるだろうか?! しかも、谷垣総裁は(メディアの前で)「ネクストジャパンに選ばれた人は、全員、派閥を抜けてもらう!」と明言したのだ。 その時点では、明らかに「脱派閥」を考えていたに違いない。 あれほど誠実で、真面目な谷垣氏が「いったん口にしたこと」を守らないなんて、普通では考えられない! 誰かが、着物の裾を踏んでいる(=党改革の足を引っ張っている)に決まっているではないか!(怒)

 谷垣総裁、今、全国各地で自民党の候補者たちが「決死の戦い」を繰り広げています。 彼らが、地元の有権者(=国民)に向かって「自民党は確かにモデルチェンジしました!」「もはや、長老支配、派閥支配の古い政党ではありません!」と言えるような具体的な材料を、説得力のある証拠を、戦える武器を、ぜひ与えてあげてください! けっして遅過ぎることはありません。 最大野党自民党のリーダーとして、「党改革を断行する」覚悟を示してください! 

 参院選挙の投票日まであと18日。 情勢は依然として厳しい。 が、恐らくもう一度だけ、風向きが変わるタイミングがある。 谷垣総裁の派閥解消宣言。 これが、自民党反転攻勢のキッカケになる。 我々の選んだ谷垣禎一総裁だもの! 必ず、そうしてくれると信じている。 

追伸:念のために書いておく。 自分は、陰でコソコソ文句を言うようなことはしない! 「派閥を解消すべきだ!」というのは、谷垣総裁と2人きりで会った際も、大島幹事長が同席した執行部への申し入れの時にも、そして全議員懇談会でも、一貫して主張して来た意見だ。

 さらに言えば、昨年の総裁選挙(党内の民主的プロセス)で谷垣総裁が選ばれた後、「自民党の支持率が上がらないから、総裁の顔を変えて選挙を戦うべきだ」などと言ったことは、ただの一度もない!! あの時から、谷垣体制で参院選挙を戦うことは決まっていたのだ。

 
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