2010年6月17日

 投票日まであと26日。 自民党がこの選挙に勝てるかどうか(=民主党の単独過半数獲得を阻止出来るかどうか)は、有権者が絶対に政権を戻したくないと感じている「長老支配と派閥政治が跋扈する、古臭くて、不透明な政党」という「誇張されたイメージ」を、どこまで払拭出来るかにかかっている。 その意味から言うと、自民党の古い体質を体現しているような長老議員には、一切、表に出ないようにしてもらう必要がある。 まあ、心配することもないか。 野党になって以来、派閥長老の発信力(影響力)は、急激に低下しているもの。

 そして(何度も繰り返しているように)「自民党が新しくなった」ことを示す最初のステップが、古色蒼然とした自民党のイメージの元凶とも言うべき「既存の派閥」を、スッパリと解消することなのだ。 しかも、谷垣総裁のリーダーシップで! 

 少し前のことになるが、谷垣総裁が「ネクスト・ジャパン」という組織を党内に立ち上げた。 一般の国民(少なくとも群馬県民)には、名前もメンバーも知られていないこのグループは、民主党野党時代の「次の内閣」を意識したもの(?)だった。 背景には、若手・中堅を中心に広がりつつあった「執行部人事の刷新論」があった。 人事刷新の要望を受けた谷垣総裁が、こう判断した。 「執行部の人事には手をつけない!その代わり、次世代の若手を大胆に起用したネクスト・ジャパンという新たな組織を作る!」 こういう趣旨だったと理解している。

 「ネクスト・ジャパン」の位置づけは、今でもハッキリしない。 石破茂政調会長が統括する「政権政策委員会」と、どう違うのか? 政権政策委員会に任命された「部会長」とネクスト・ジャパンの「担当」の仕事はオーバラップしないのか? 党内での役割分担の定義はあるようだが、国民には、全く区別がつかないと思う。

 自分も(谷垣総裁から)この「ネクスト・ジャパン」に入ってくれないかという要請をもらった。 が、丁重に辞退した。 理由は2つ。 「ネクスト・ジャパン」に入ったら、自分が一貫して求めていた「幹事長を含む衆参執行部人事の刷新」を引っ込める形になってしまうこと。 さらに、谷垣総裁に意見が言えなくなってしまうことを恐れたからだ。

 何度か書いたように、昨年の自民党総裁選挙に河野太郎氏を引っ張り出した張本人は、自分だ。 が、ただの一度も、民主的なプロセスで選ばれた谷垣総裁を「人気が上がらないなら、変えるべきだ」などと言ったことはない! 谷垣総裁を選んだ時点で、次の参院選挙は谷垣体制で戦うと決まったのだ

 え? 執行部の人事はどうするのかって?! 投票日まで1ヶ月を切った今の時期に変えられるはずもないし、また変えるべきでもない! 自分は、谷垣総裁と大島幹事長の目の前でも、全議員懇談会でも、TVカメラの前でも、「執行部は衆参とも一新して、清新な若手を起用したほうがいい!」と明言した。 同じ意見を持つ若手、中堅も多かった。 それでも、谷垣総裁は、「執行部人事には手を触れない」と決めたのだ。 我々が選んだリーダーが決断したことなのだから、これ以上、ゴチャゴチャ言っても仕方がない。

 ただし、「派閥解消」については、話が違う。 谷垣総裁は「ネクスト・ジャパンに起用された人は、全員、派閥を抜けてもらう!」と宣言した。 この程度の約束すら守れなかったら、国民に「自民党が本気で変わる覚悟がある」と信じてもらえるはずがない! この続きは、「なぜ、派閥解消を訴えるのか?:その6」で。


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