2010年2月11日:パート4

 「参院選挙対策会議:その4」の続編。 昨日の朝の会議で「参院比例区にも自民党公認の地元候補を立てるべきだ」という立場で発言した2人の県議の主張は、まとめて言うと次のようなものだった。

 「民主党にこれほどヒドい政治とカネの問題が起こっても、自民党への支持は戻っていない!地元では、『なんだ、民主党も自民党と同じじゃないか!』みたいに言われている。中曽根県連会長の議席を守らねばならないのは当然だが、併せて党勢拡大もやっていかないと、どうにもならない。たとえば、比例区にあっと思う地元の候補者を擁立するとか、ドラスティックなことをやっていかないと、この苦境は打開出来ない!」 この意見を聴きながら、「なるほど、これもひとつの見方だ、な」と思った。 比例区への擁立に反対する立場は変わらないとしても。

 続けて、複数の県議から、こんな発言があった。 「こういう機会なので、率直に言わせてもらう。県議の中には、(前々回の参院地方区選挙と3年前の参院比例区選挙で2回続けて落選し、かつ70歳を超えている)前参院議員を比例区に擁立したいという意見を持つ人もいる。群馬の特殊事情ということで、この前職を党本部が公認する可能性があるのか、そこを聞きたい!」と。

 その言葉を受けて、他の県議もこう言った。 「県議の中には、現時点でも、この前職を党が公認する余地が残っていると考えている人もいる。曖昧な言葉で、そうした期待を持たせているのがよくない!党公認の可能性がないならないと、この場でハッキリ明言して欲しい!」 中曽根弘文県連会長が(質問に答える形で)言った。

 「これは党本部が決めることですが、比例区の70歳定年ルールに抵触するという理由で、山崎拓前副総裁、片山虎之介前幹事長を公認しなかった党の執行部が、同様に70歳を超えた前職を『これから例外的に公認する』ということは、極めて難しいと思います!」 「え?極めて難しいってことは、1%でも可能性があるのかなあ?」というつぶやきを耳にして、自分が県連会長の発言をフォローした。

 「(複数の県議が立てたいと考えるくらいだから)前職は立派な人物だと思います。が、本人がどうこうではなく、党本部がこの人を公認する可能性はありません!これまでの経緯、党内のムードから考えて、(残念ながら)現実には不可能です!」と。 他の国会議員も頷いていた。

 このやり取りを聴いていた県連幹事長が、発言を求めた。 少し強い口調で言った。 「皆さんもご存知のとおり、この問題に関して、自分は大島幹事長に会って来ました。大島幹事長は、参院比例区で70歳定年制の例外は作らないと明言していました。私もそのことは報告したはずです!」

 この時点で、「過去2回の参院選挙で当選に届かなかった前職を、70歳定年制ルールの枠外として比例区に擁立する」という話は、実質的に消滅した。 議論のポイントは、「考えうる全てのマイナス面を補って、地方区の票を増やせるような全国的な知名度とインパクトのある候補者が群馬県にいるか?」ということに絞られた。 この後、どんな展開になったのかは、次回のブログ「自民党県連・参院選挙対策会議:その6」で。

追伸:「直滑降」にも書いた憶えがあるが、先日、「チーム7」という勉強会を作っている1期生の県議5名と昼食会をやった。 このうちの1人は、何でも本音で話せる高校時代の同級生。 過去の選挙で敗れた前職を比例区に立てることには、全員が否定的だった。 「一太さん!そりゃあ、無理ですよ!」と。

 上述した朝の会議で、「県議の中には、前職が公認される可能性があると思っている人もいる。ここが問題だ。可能性がないならないで、この場でハッキリさせて欲しい!」と発言したのは、2期の県議の1人だった。 

 昨日の夜、高崎駅構内で東京行きの列車を待っている際にバッタリ会った別の2期生(弟のように思っている若手県議)も、「比例区に候補者を立てるより、中曽根県連会長の議席を守ることに全力をあげたほうがいい!」と断言していた。

 朝の会議の後、議員会館近くの道で、すでに3期目を迎えている若手県議と遭遇。 議員会館事務所で、30分近く話をした。 この県議も、「前職を参院比例区に立てるのは難しい!」という認識だった。 

 永田町の常識と世間の常識は、往々にして違う。 同様に、県連と県民の意識にも乖離がある。 政治家として、そのことを常に忘れてはならないと思う。 群馬の政界では通用しても、県民レベル(国民レベル)では通用しない(=世論の強い反発を招く)ことがある。 そこを間違えると、強烈なしっぺ返しに遭う。

 
直滑降レポートを応援していただける方は、blogランキングへ

山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」無料配信中!