2009年7月20日:パート4

 時々、新聞に掲載される「次の総理になって欲しい政治家」調査のランキングは曲者だ。 このアンケートで支持が高いからと言って、その政治家が「本当に国民に人気があるのか?」(=人気のある総理大臣になれるのか)はよく分析してみないと分からない。 たとえば、「有力候補」と言われる「10数名の政治家」のリストを提示されて「誰が次の総理にふさわしいと思いますか?」と聞かれたら、一般の有権者は「最も有力」と言われている政治家を選ぶ傾向がある。 
 
 その「常連リスト」に「何かの問題」で話題になった政治家の名前を加えたとしよう。 いわゆる「候補者名簿」(?)に載せられただけで、嫌でも「数パーセントの数字」は出て来る。 が、ほとんどの場合、それは「一過性のもの」であって、国民の「本当の人気度」を反映していない。 週刊誌が得意とする「未来の総理アンケート」も同じだ。 この手のランキングでちょっとでも名前が出たりすると、もともと「自意識過剰の政治家」は勘違いする。 「あ、オレ(私は)はスゴく一般国民に人気があるんじゃないか」と。 大抵の場合、本人が思っているほど「国民の認知度」は高くない。 実際、マスコミで煽てられる政治家って、実は選挙区であまり人気がなかったりするのだ。(ニヤリ) 昨年の自民党総裁に圧勝して内閣総理大臣に選ばれる前、麻生総理が「この種のアンケート」で常にトップを走っていたことを思い出して欲しい。
 
 仮に「前倒し総裁選挙」をやっていたとしたら、かなりの確率で「舛添総理大臣」が誕生したはずだ。 「舛添要一氏」には「スター性」がある。 政策の知識は抜群だし、国民とのコミュニケーション能力も図抜けている。 政局で大胆に動く勝負勘もある。 舛添大臣が「優れた政治家」であることは疑いの余地がない。 が、しかし、「総裁選挙」を前倒しして舛添内閣で戦ったとしたら、自民党の形勢は有利になったのだろうか?! とても、そうは思えない。
 
 まず第1に、「前倒し総裁選挙」は国民の間に(予想超える)「強い反発」を生み出したに違いない。 過去3年間、総選挙は一度も行われていない。 この間、国民を信を問わないまま「総理の顔」が3回も変わった。 いくら現内閣の人気が低迷して選挙が戦い難いといっても、選挙の直前に「4枚目の表紙」に替えるなどということが(政治の筋として)許されるはずがない! 世論の厳しい反発を受けて、恐らく「総裁選挙」の日程は3、4日間に縮められたはずだ。 当然、メディアの報道も批判的なトーンを強める。 「大勢の候補者がマニフェストの内容を競い、自民党のイメージが上がる」などという魂胆は水泡に帰していたと思う。
 
 第2に、いくら「次の総理にふさわしい人アンケート」でトップになったからといって、「舛添総理大臣」にかつての「小泉総理」や「安倍官房長官」のような「インパクト」があるとは(少なくとも自分には)考えられない。 万一内閣支持率が40%くらいまで回復したとしても、「選挙の趨勢」を大きく変えることは出来なかっただろう。 ましてや、「世論の反感」を買うことを覚悟して(選挙に勝つために)無理矢理、「4人目の総理」を創るのだ。 「新しい内閣の効果」は最初から「相殺」される。
 
 あ、次のミーティングが始まる。 この続きは次回のブログで。
 
 
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