2009年4月9日:パート5

 午後(夜の)8時25分。 新幹線の車内にいる。 熊谷から東京に向かう列車の中でパソコン画面と向き合っている。 太田市内で行われた2つの集会に顔を出し、熊谷駅にトンボガエリした。 今晩は「走る時間」があるか...なあ。
 
 午後3時からの「北朝鮮に対する抑止力強化を考える会」には7名のメンバー全員が集まった。 その場でマスコミ関係者にも配布した「会の趣意書」は以下のとおり。
 
     ー北朝鮮に対する抑止力強化を考える会ー趣意書

 北朝鮮による4月5日の「ミサイル発射」(北朝鮮は「人工衛星打ち上げ」と発表)が「国連安保理決議」に違反する「許し難い暴挙」であることは疑いのない事実だ。「国連安全保障理事会」のメンバーでもある日本は、北朝鮮の「東アジアの平和と安定を脅かす挑発行為」に対して「厳しい姿勢」を表明している米国、英国、フランス等と協力しつつ、北朝鮮に対する「新たな安保理決議」の採択に向けて懸命の外交努力を続けていかなければならない。日本政府として国連の舞台で北朝鮮への国際圧力を高めていくことはもちろん、「六カ国協議」における日米韓の連携や中国への働きかけを強めていくことは言うまでもない。あらゆるメカニズムを通して北朝鮮に「核やミサイルの開発計画の破棄」を促し、同時に「拉致問題」の解決を迫っていく必要がある。

 今回の「ミサイル発射」によって「日本が何らかの被害を被った」という可能性は極めて低い。かつ、北朝鮮の言う「人工衛星」が予定された軌道に打ち上げられた形跡もない。にもかかわらず、北朝鮮のミサイルが日本の遥か上空を超えて太平洋に着弾したことには危機感を持たねばならない。過去に発射されたミサイルと比較して、「北朝鮮のミサイル技術」が確実に進歩していることが示されたからだ。射程の長い「テボドン2号ミサイル」(改良型?)の性能が向上するといことは、日本全土を射程に収める射程の短い「ノドンミサイル」の精度も上がるということを意味する。すなわち、4日前のミサイル発射によって「北朝鮮の脅威は確実にレベルアップした」ということになる。

 こうした事態を踏まえ、私たちは、日本が(あらゆる手段を講じて)「高まった北朝鮮の脅威」に見合うだけの「抑止力の強化」を目指すのは当然だと考えている。国連による「新たな安保理決議」の採択、日米安保体制の再確認、日本独自の「経済制裁措置」の強化、ミサイル防衛システムの更なる配備、開発への協力といった「抑止力強化」のメニューに加え、日本独自で「北朝鮮のミサイル基地等への敵地(策源地)攻撃能力を保持する」ことで抑止力を高めるという選択肢を真剣に検討する段階にあると認識している。

 日本の防衛政策はあくまでも「専守防衛」だ。が、しかし、「自衛」のために他に手段がない場合には「敵地を攻撃する」ことは憲法違反にあたらないという見方もある。
 
 以上のような問題意識に基づき、私たち自民党議員有志は「北朝鮮に対する抑止力強化を考える会」を立ち上げることとした。会の目的及び活動内容は次のとおり。

1.日本が「敵地(策源地)攻撃能力」を保持する可能性に関して法的、戦略的、軍事的側面から研究を行う。その結果を踏まえて、年末にまとめられる「防衛大綱」に「敵地攻撃能力」に関する記述を盛り込むことを含めて検討する。 「敵地攻撃能力保持」に向けての可能性やスケジュールを発信することで、北朝鮮に対する「日本の抑止力」を高める。

2.「日米同盟」の「新たな役割分担」を再考すると同時に、「ミサイル問題」を契機に再びクローズアップされた「集団的自衛権」の議論を再活性化する。こうした議論もまた「日本の抑止力強化」に貢献する。

3.週1回程度の勉強会を実施する。毎回、有識者を招いて議論を重ね、5月中に提言を取りまとめ、発表する。併行して会の提言を「防衛大綱」に盛り込む等の働きかけを行う。

 私たちは日本が独自に「敵地(策源地)攻撃能力」を持つことには「様々なハードル」があることを理解している。それはそうとしても、北朝鮮が「日本を射程に収めた核ミサイルを保有・配備する」という「最悪のシナリオ」が現実のものになりつつある状況下で「あらゆる知恵を絞って抑止力の強化を図る」ことは国民の安全を守らねばならない政治(政権与党)の責務に他ならない。私たちはそう確信している。
 

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