2009年3月25日:パート2

 今から7年前、自民党と民主党の有志議員(たしか16名)で「新しい政治文化を創る会」という勉強会を立ち上げた。 「政治とカネ」をめぐる鈴木宗男氏の逮捕や辻元清美氏の秘書給与問題、加藤紘一元自民党幹事長の議員辞職等、永田町で政治スキャンダルが続発した時期だった。 「政治不信」の高まりに危機感を抱く与野党の同志が自然発生的に集まったのだ。 自民党側の座長は山本一太、民主党側の座長は枝野幸男衆院議員だった。 事務局長は自民党側が水野賢一衆院議員、民主党側が福山哲郎参院議員というフォーメーションだった。
 
 枝野幸男氏や福山哲郎氏は、山本一太と「誕生の経緯」が違う。 両氏ともに(もともと)クリーンで真面目な政治家だし、日々の政治活動についても、自民党の2世議員としてデビューした自分より「グレーゾーン」はずっと少なかったはずだ。 
 
 にもかかわらず、枝野さんも福山さんも、秘書給与の問題や陳情のあり方を含め、「適切な政治活動の明確な物差し」が欠如している政治の現実の中で「それぞれ悩みながら政治活動を続けている」ことを隠さなかった。 「ああ、党派は違っても、この2人は政治家として(人間として)信用出来る!」と思った。 以来、(選挙区に応援に入るみたいな反党的行動はけっしてとらないが(笑))その気持ちは変わっていない。
 
 「きちんとした政治活動をやろうと思ったら一定のおカネがかかる!」「政治家は誰でもグレーゾーンに悩みながら正しい政治活動のあり方を模索している!」と主張するからには、まず自分たちの政治資金の流れを公表しなければならない。 そう考えた4人(山本・枝野・水野・福山)が共著で雑誌「論座」(2002年8月号)に「新しい政治文化を創りたい」というタイトルの論文を寄稿した。 その中で4人の「政治資金の実態」を実名で公開した。
 
 今では当たり前かもしれないが、当時、秘書の給与まで公表するのは「かなり勇気の要る」ことだった。 事実、公表に反対する地元の古参秘書を説得するのは大変だった。 派閥の先輩議員からも止められたことを憶えている。 先日、テレビ局のスタジオで一緒になった福山参院議員がこう話していた。 「一太さん、あの『論座』の文章、今、読んでも全く違和感を感じませんよね!」 つまり、「政治文化の根本」が変わっていないということだ。(苦笑)
 
 「覚悟のない提言」には説得力がない。 ましてや「選挙目当ての」スローガンはけっして有権者の心に響かない。 「直滑降」に何度も書いている「議員定数削減」についても「道州制の導入に合わせて考える」とか、「将来の一院制が実現した時にやる」などというのは、「やらない!」と言っているのに等しい。(ガク!) 
 
 どんな「改革案」でも同じだ。 たとえば「議員定数を4年間で3割少なくする」といった「具体的なタイムテーブル」と「痛みを覚悟で自らが率先してやる姿勢」を示せなかったら、国民に信用されるはずがない。 同様に、もし自民党が本気で「世襲候補の立候補制限」をマニフェスト(選挙公約)に盛り込むのなら、「現職の我々」にも痛みを伴うものでなければインパクトがないと思う。

追伸:衆議院選挙まで6ヶ月を切った状況でなければ、それこそ「政治とカネ」に関する超党派の会を復活させたい気持ちだ。 が、それはやらない。 各選挙区で必死に野党候補と戦っている「自民党の同志たち」に(ほんの少しでも)マイナスになったら困るからだ。


直滑降レポートを応援していただける方は、blogランキングへ

target="_blank">「チャレンジャーに捧げる詩」の無料ダウンロードはmF247へ