2009年1月20日:パート2

 午後(夜の)9時15分。 東京の部屋。 熱いお茶を飲みながらパソコンのキーボードを叩き始めた。 午後2時から党の政調全体会議。 「消費税引き上げ」の目標時期として2011年を明記した「中期プログラムの内容」を「税制関連法案の付則」に盛り込むかどうかについて議論した。 今回は賛成意見もあった。 全体として言うと、反対7割、賛成3割という雰囲気だった。 この会議の模様については後ほど詳しく書く。
 
 さて、以前にも「直滑降」に書いたが、自分は「反麻生」の立場を取っているわけではない。 何度となく「勝手な期待」は裏切られて来たものの、「自民党総裁選挙」で選ばれた以上、「麻生総理の手で解散をやって決着をつける」のが筋だと(今でも)思っている。 が、しかし、「麻生総理で選挙を戦える」と本気で考えている自民党議員は「ごく小数」だろう。 いや、現時点では「ほとんどいない」と言っていいかもしれない。(苦笑) 
 
 「小泉純一郎元総理」は、常時、国民の5割から支持を得ていた。 加えて、「大胆な政策」を打ち出すことで生じる「官僚や族議員」との対決を厭わなかった。 さらに、「改革路線を貫く」ためには「リスクを承知で勝負する(=選挙に打って出る)」捨て身の覚悟があった。 この3つが小泉総理の「強いリーダーシップ」を支えたのだ。 
 
 「3つの条件」を兼ね備えていたにもかかわらず、小泉首相は長年の持論である「郵政民営化問題」についても「党内の徹底的な議論」を妨げなかった。 それどころか、党幹部に「どんどん議論しろ!」と指示していた。 「本当は望んでいなかった」あの歴史的選挙に突入する直前まで、党内で(恐らく)「100回近い会議」が行われたはずだ。 一見、乱暴に見えた小泉内閣で「党内民主主義のプロセス」は確かに機能していた。
 
 「麻生太郎総理」はどうだろう? 麻生内閣の支持率は2割を切った。 不支持率も7割近くに達している。 麻生首相は「官僚や族議員」と戦うことは好まないようだ。(逆に言うと「人情家」なのだ。) かつ、総理の信念(?)として浮上した「消費税引き上げ問題」で「国民の信を問う覚悟」は(今のところ)ちっとも伝わって来ない。 あの真面目で誠実な「政調会長」が(驚いたことに)「日本経済と自民党の命運に関わる消費税増税問題」をたった数回の「平場の議論」で決めようとしている。
 
 では、麻生総理の「求心力」とは何だろうか? 明後日の「財政金融部会」で「法案の付則に2011年を明記する」ことを支持する「党内実力者たち」の真意はどこにあるのだろうか? あるベテラン議員が耳元でこう囁いた。 「山本さん、あなたの意見はよく分かる。消費税の増税を国民に理解してもらうのは大変だ。でも、今、麻生総理がこだわっている2011年という旗を降ろさせるようなことをしてはいけない!」 「なぜですか?」と聞くと予想どおりの答えが返って来た。 「そんなの決まってるじゃないか。この問題で麻生首相がブレたら政権は一気に弱体化する。万一、内閣が潰れてそのまま選挙に追い込まれるようなことになったら、自民党は壊滅だ!オレだって戻って来れるか分からないよ!」
 
 党内の大物議員たちがこのベテラン政治家と同一の見方をしているのかどうかは分からない。 が、同じ意味のことを言う若手・中堅議員はかなりいる。 ふうむ。 仮に「麻生総理を追いつめたら選挙になってしまう!今やったら自民党は惨敗する!」という恐怖が「政権を支えるインセンティブ」になっているとしたら、なんとも「皮肉な話」だ。(苦笑X3) ただし、この理論は「何があっても任期満了(今年の9月)まで解散せずに引っぱる。そこで総裁選挙をやって顔を変える」というシナリオに基づいている。 「不慮の事故」(?)で選挙になった時は「最悪のストーリー」が待ち受けている。
 
 あ、お湯が沸いた。 この続きは熱い紅茶の後で。

追伸:そうだ。 念のために言っておく。 自分は総裁選挙で「麻生太郎候補」に一票を投じなかった。 それでも、「民主的なプロセス」で麻生総理を選んだ事実は重い。 ただし、総裁選挙で麻生候補は「2011年からの消費税引き上げを目指す!」なんてただのひと言も言っていなかった。(ガク!)


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