2008年9月19日:パート2

 新聞各紙は「10月26日選挙の流れがほぼ固まった」かのように報じている。 「自民党内(自民党の各候補者)はすでに『10.26決戦』で走り始めている。もはやこの流れは止まらない!」と。 が、しかし、永田町が「解散モード」で走り出したとしても、9月24日に誕生する「新しい総理大臣」が補正予算案の審議・成立にこだわり、「総選挙は当面やらない!(来年まで先延ばしにする!)」と宣言する可能性は、現時点でもかなり高いと見るべきだ。 だからこそ、「直滑降」で何度も警鐘を鳴らしているのだ。 もう一度、申し上げたい。 「衆議院選挙」は「10月26日」に断行するべきだ。
 
 「来るべき総選挙」をめぐって、与野党がギリギリの政治的攻防を繰り広げている。 この段階で「とってつけたような理屈」や「お互いを正当化するための建前の議論」をやっても全く意味がない。 民主党が「話し合い解散を提案している」(=補正予算の審議に応ずると言っている)のは、「補正予算を通して緊急経済対策に協力しよう」と考えているからではない。 国会審議を通じて政府の抱える様々な問題を追求し、新政権に少しでもダメージを与えることで、間もなく行われる総選挙を有利に運ぼうという計算だ。 野党の作戦に「まんまと乗る」ことだけは、絶対に避けねばならない!
 
 昨日、山本一太の携帯を鳴らした有力政治家や若手議員は、全員、「10.26を前提に選挙対策本部を立ち上げる。残り1ヶ月の活動内容を検討しているところだ」と話していた。 この週末、多くの自民党衆院議員が「10.26決戦」を念頭に「戦闘準備」に入る。 告示前の活動スケジュールや選挙期間中の遊説日程を考え、ポスターを刷り、政策パンフを作る。 
 
 仮に「10.26」が3ヶ月も先に延びたら、「彼ら」(現職プラス新人候補)のリソース(活動資金)はとても続かない。 しかも、新しい総理が「10.26」にやらないと決めたところで、国会は冒頭から緊迫する。 「自民党候補者たち」は(現職、新人問わず)いつ選挙に追い込まれるか分からない「不透明な情勢」の中で、とにかく走り続けなければならないのだ。 こういう状態は、結果として「彼ら」の精神力と体力と資金力をイタズラに消耗させ、「選挙力」を低下させる。
 
 昨年夏の参院選挙で安倍政権が多くの議席を失った理由は複合的なものだ。 が、自分はそのうちのひとつに「いったん決まった参院選挙の日程を土壇場で一週間延ばした」という判断ミスがあったと確信している。 もちろん、安倍首相(当時)の気持ちはよく分かる。 「公務員制度改革」に関する法案を成立させるためには、参院での審議時間をどうしても確保する必要があった。 が、自分は「投票日を延ばす」という方針には最初から反対だった。
 
 当時、安倍側近として「いつでも安倍総理と話せる立場にあった」世耕弘成・首相補佐官にさっそく電話を入れた。 単刀直入に、こうお願いした。 「世耕さん、安倍総理が投票日を1週間後ろにずらすという情報が飛び交っている。法案のことは分かるけど、それは絶対に止めた方がいい。すべての候補者がタイムテーブルを立て、目標の日に向かって全力疾走している。ここで延ばしたら、戦略の見直しを迫られる。個々の候補者の戦闘力はガクッと落ちる。そう思いませんか?」 
 
 同様に逆風下の選挙を戦っていた世耕氏からこんな言葉が返って来た。 「いや、一太さん。私も投票日を延ばすことには慎重なんです。安倍総理には(どこかの機会に)また話をしてみます、ね!」「ぜひ、頼みます!世耕さんだけが頼りだから。それに最後の『余分な1週間』の間に何が起こるか分からない!それも心配なんだ。オレは選挙を1週間後にずらすことで、6、7議席を余計に失うことになると思う。そういう気がしてならない!」 
 
 不幸にも、自分の「悪い予感」は、100%的中した。 存在しないはずだった「最後の1週間」に、「自民党への逆風」(国民からの怒りの火)にさらに油を注ぐような事件(農相ばんそうこう事件、大臣の不適切発言等)が続発したのだ。 あの時、「当初の予定」で選挙をやっていたら、安倍内閣のその後の軌跡は(多少なりとも)違ったものになっていたかもしれない。
 
 ということで、重ねて「新しい自民党総裁」(=日本の総理大臣)にお願いしたい! ぜひとも、「10.26決戦」を選択してください!! このタイミングを逃したら、後から「ああ、あの時、一気に勝負をかけるべきだった」ということに必ずなる! 「新しい内閣」を立ち上げて、そのまま「10日足らずで解散」というのは、新総理には「不愉快」(不本意?)かもしれない。 が、国民はこの2年間で「4つの内閣」を見せられている。 すなわち、今回の内閣が出来ると「5回目の組閣」だ。 国民からすれば、「もうウンザリ!」という気持ちだろう。
 
 9月24日に、過去2年間で「5つ目の内閣」がスタートする。 所信表明と代表質問をやり、政権公約を掲げて「国民の審判」を仰ぐ。 以前のブログにも書いたが、これこそ「憲政の常道」だ。 当然、最初から「苦戦」は必至だ。 が、まるで「選挙をやれば確実に政権交代が起きる」かのように振る舞っている最大野党の候補者に、それぞれの選挙区で「死にもの狂いのドッグファイト」を挑む。 自民党最強の「選挙マシーン」は、衆議院議員の後援会組織だ。 選挙ばかりはやってみないと分からない! ギリギリまで追いつめられた時、自民党候補者の「底力」が発揮される。 山本一太だって、あの逆風を撥ね除けて「群馬県史上最多得票」の再選を勝ち取ったのだ。 どんな逆境に追い込まれても、「実力のある政治家」や「日々努力して来た候補者」はきっと生き残る。

 決戦を先延ばしすればするほと、状況は悪くなる。 最後にもう一度、申し上げたい! 親愛なる新総理どの、10.26で戦いの狼煙を上げてください! スッキリと決着をつけて、その上で(腰を落ち着けて)「本格的な経済対策」を打ち出してください! え? 負けたら、それは仕方がありません! いったん下野して「政権奪還」のチャンスを狙いましょう!!!
 
追伸:今晩、こんな噂を聞いた。 小泉純一郎元総理が「選挙を延ばせば延ばすほど自民党が不利になる!」と言っているらしい。 真偽は分からないが...。
 

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