2008年9月18日:パート3

 午後(夜の)10時45分。 熱い紅茶は飲めないが、それでも「今晩中に書かねばならないブログ」を書く。
 
 先日、議員会館事務所にやって来た「有力なマスコミ人」が言った。 「一太さんは以前から臨時国会冒頭に解散すべきだと言ってますよね。選挙戦略としては分からないこともないけど、新しい内閣を作って支持率の上がったところで選挙を打つというのは、党利党略と言われませんかねえ。やはり、新しい総理として補正予算を含めた経済対策を打ってから信を問うというのが筋じゃないでしょうか?一歩間違えると、メディアも世論もガラッと厳しい方向に変わる危険性があると思いますけど、ね。」
 
 そこでこう反論した。 「それなら聞きますが、臨時国会で補正予算の審議を始めたとします。野党が予算以外の問題で政府を追求し、委員会審議が中断したらどうなりますか?その時、マスコミは『新しい内閣に補正予算も組ませないとは、野党は無責任だ!民主党は審議拒否をせず、予算の質疑に戻ってくるべきだ!』と言ってくれますか?国会が空転したら、『一刻も早く民意を問うべきだ』という大合唱になるんじゃないですか?!」
 
 ちょっと思い出してみて欲しい。 少し前まで、多くのマスコミは「2年で2人の総理が交代したのに、この間、一度も総選挙をやっていない。与党は一日も早く解散して国民の民意を問うべきだ!」という論調だった。(*個人的には「もっともな議論」だと思う。) 野党民主党も、「今の自民党政権に正当性はない。出来るだけ早く解散総選挙に追い込む!」と息巻いていたのだ。
 
 この段階に来て、一部のメディア関係者が「冒頭解散無責任論」を言い始めた。 さらには、あれほど「早く選挙をやれ!」と主張していた民主党が「話し合い解散」などというカードを切って来たのだ。 これって、ちょっとおかしい。 そうは思いませんか? 政治の世界においては、どんな「さり気ない発言」であっても、どれほど「小さな動き」でも、その背後に「ちゃんとした理由」があるのだ。 まあ、これ以上、具体的なことは書かない。 選挙戦に影響するとマズいから!
 
 新しい自民党総裁(=内閣総理大臣)が臨時国会の冒頭に(所信表明と代表質問をやった直後に)「衆議院を解散する」のは、ちっともおかしくない。 いや、それこそ、「憲政の常道」だと思う。 2年の間に3人も総理が変わるのだ。 このまま総選挙をやらずに引き延ばしたら、それこそ「自民党内のたらい回し」だと批判されても仕方がない。 出来るだけ早期に「解散総選挙をやる」(民意を問う)ことこそ、次の総理が(国民に対して)最初に果たさねばならない責任だ。
 
 加えて、「補正予算の審議」をやったところで、野党がまともに議論に応じてくれる(ましてや法案成立に協力してくれる)保障は全くない! 昨年末から今年にかけてのインド洋での補給支援新法や道路特定財源に関する法案審議の状況、日銀総裁人事をめぐる一連のゴタゴタを考えれば、結論は始めから分かっている。 「新しい総理としてはこれとこれをやる。そうした政策を実現するために国民の方々の支持をいただきたい!」 そう宣言すれば十二分だ。
 
 9月22日に新しい「自民党総裁」が決まる。 続けて24日には新しい「内閣総理大臣」が誕生する。 新しい首相が(「今は選挙をやるべきではない!」という党内一部の(?)強硬意見に押されて)「年内の選挙はやらない!」と宣言したとする。 これこそ、「敵の思う壺」だ。 「非食用米の不正転売問題」だけで国会は紛糾する。 「新閣僚」のスキャンダルでも出て来た日には目も当てられない。(苦笑) 野党は各委員会で攻勢を強め、審議はすぐにストップする。 あ、(以前も書いたように)参議院は恐らく審議にすら入れない。 いわゆる「証人喚問問題」があるからだ。
 
 「ノッキング国会」(ガクンガクンと止まりながらの国会)が続く間に、新しい総理の人気は低下し、内閣支持率は急落する。 「この状況では選挙が出来ない!」などと言っても「後の祭り」だ。 「空転する国会」に業を煮やした世論が、政権を解散に追い込むのは間違いない。 どんなに頑張っても(様々な状況から考えて)年末までは持たない! よしんば、来年の1月まで延ばせたところで、何のプラスもない! むしろ、(与党にとって)事態は悪化しているだろう。 念のためにもう一度言っておくが、(政治に対する世論の影響力がこれだけ大きくなった時代に)「国民の8割が選挙を望んでも、マスコミ各社が解散を叫んでも、ほおかむりをしてやり過ごす」などということは絶対に出来ない!!
 
 毎週末、東京と地元を往復して来た。 地元(群馬県)の有権者のムードはよく分かっている。 日本経済が減速傾向を強める中で、地方経済はますます厳しい風に晒されている。 自民党への反発も日々強まっている感じだ。 与党にとっては「最も選挙をやりたくない時期」だろう。 しかも、前回の選挙で勝ち過ぎた。 最初から「50-60議席」は減ることを前提に打たねばならない選挙になる。 が、しかし、数ヶ月待ったところで、この傾向が変わるとはとても思えない。 苦戦することを覚悟して、ここは潔く、堂々と国民に審判を仰ぐ。 負けたら下野するという覚悟を固めて、だ。 それしかないではないか!!
 
 自民党の「苦戦」は避けられない。 が、選挙はやってみなければ分からない。 最近の民主党には「選挙をやれば勝つのは100%間違いない!」みたいな油断や驕りが見える。 「代表選挙」さえ出来ない「萎縮した最大野党」なのだ。 「捨て身の姿勢」で突っ込んでいけば、「予想されるダメージ」(議席の減少)を最小限に出来るかもしれない! え? 日頃から努力していない政治家は(選挙を延ばそうが延ばすまいが)どのみち淘汰される。(*当然でしょ?) そんなことを恐れていたら、「勝機」は見つからない!
 
 向こうから「話し合い解散」を持ちかけて来た。 これは民主党の「弱気の現れ」だと思う。 こんな作戦には間違っても乗ってはいけない。 マスコミは「絶対優勢」を伝えているものの、民主党の候補者だって「不安」なのだ。 しかも、自分の見たところ、野党は「早期解散」だと騒いでいる割に「戦闘準備」が(意外に)整っていない! 自分が民主党の衆議院議員だったら、必ずこう思う。 「自民党総裁選挙は思ったより盛り上がっていない。でも、やはり心配だ。出来れば新しい内閣をボロボロにして、完全に勝てるという雰囲気の中で選挙をやりたい!」と。
 
 以上を踏まえて、次の自民党総裁(総理大臣)にお願いしたい。 迷わず「10月26日選挙」を断行してください! 10月3日に解散、10月14日に告示、そして10月26日に雌雄を決する。 ぜひともこのラインでやっていただきたい!! え? 「11月9日選挙」が選択肢のひとつであることは否定しない。 が、この状況で2週間延ばして、何かいいことがあるだろうか?? 「鉄は熱いうちに打て!」でしょう?!
 
追伸:前回のブログにもチラッと書いた。 「米国の金融不安が続いているから」「日本経済への影響が不透明だから」という理由で「選挙を延ばす」というのは、国民の理解を得られない。 「経済対策」を打とうにも、その手段(国会で成立させる)がハッキリしない。 「補正予算」を成立させる目処は全く立っていない。 選挙で決着をつけない限り、ずっと「不透明な状態」が続く。 重ねて言うが、どんな理屈をつけようと、結局は(かなり早期に)選挙に追い込まれるのだ。 
 

この直滑降レポートを応援していただける方は、blogランキングへ

target="_blank">「チャレンジャーに捧げる詩」の無料ダウンロードはmF247へ