2008年9月15日

 昨年の参議院選挙の半年くらい前だったと思う。 「数名の衆院議員」と食事をした。 当然、話題の中心は参院選挙だった。 「うちの県の参院議員は組織がない。こっちの後援会に乗っかっているだけだ!」「うん。うちの参院議員もちっとも地元に顔を出さない。皆、ブーブー言ってるよ。」「まあ、参院議員なんて基本的には知名度もないし、自前の後援会組織もない。オレたちがマジでやらないと、当選なんてとてもおぼつかないよ。その点、山本一太はかなり異色だよ、な。(笑)」(*これが多くの衆院議員の本音だろう。)
 
 「ところで、一太さん。今度の参院選挙をどう見てる?」と聞かれて、こう答えた。 「このままだと、惨敗する。地元を回る度に何か嫌なムードを感じる。今はそうでもないが、選挙が始まったら自民党に必ず大きな逆風が吹く。これはもう大きな流れだから、小手先のことをやってもダメだ!」 
 
 「負けるってどのくらい負けると思う?」と(選挙予測を)聞かれて、次のような返事をした。 「場合によっては40に届かないかもしれない。与党が過半数を失う可能性すらある。特に1人区は軒並み危ない。オレだって、当選出来るかどうか分からないよ!」 こうも言った憶えがある。 「参院選挙に勝つための唯一の方法は、安倍総理が参院自民党執行部と全面対決することだ。候補者の公認を含め、すべて官邸主導でやらないと必ず負ける!個々の存在感や個性を抹殺する参院自民党のルールのせいで、ほとんどの候補者が無党派層を惹き付ける発信力を持っていないからだ。」
 
 その話を聞いて、全員が笑った。「いくらなんでも、その数字は極端だ。厳しい選挙になるのは間違いないが、そこまでは負けないよ!たとえば、00県と00県は絶対に大丈夫だ。自公合わせて過半数を割るなんてことは起こらない。仮に山本一太が落選するようなら、参院自民党は壊滅するってことでしょう!(笑)」 
 
 残念ながら、山本一太の「悪い予感」は100%、的中した。 参院選挙の後、夕食会の席にいた1人が「すました顔」で言った。 「いや、自分も参院選挙はこうなると思っていた」と。(*こういう政治家って結構いる。)
 
 5月の連休後のある晩、「数名の衆院議員」と都内某所に集まった。 そこにいた全員がこう言った。 「今は自民党にとって雰囲気が悪過ぎる。あの福田総理がこんな状況下で解散なんてやるはずがない。年内の選挙はあり得ない!」と。 「野党がどう審議拒否しようと、参院で問責決議が何本出されようと、世論の7割、8割が解散を望もうと、任期満了まで引っ張っていくほうがいい!」 そういう意見が大勢だった。
 
 自分は違う意見を言った。 「オレは年内選挙の可能性が高いと思う。サミットで上昇気流に乗り損ねたら、福田内閣の支持率が上昇する局面はほどんどない。経済も外交も問題山積だ。支持率が20%を切ったら、党内から『福田降ろし』の風が吹く。そうなったら、福田総理は「改革続行・消費者重視・地球環境」等を掲げて、解散に打って出るかもしれない。万一、福田総理が自ら退くようなことがあったとすれば、その時は総裁選挙だ。新しい総裁が誕生したら、年内にも選挙という流れになる。与党に情勢が悪いなどという理由だけで、選挙を引き延ばせるとはどうしても思えない!」
 
 皆が一斉に反論した。 「山本さん。福田総理って、そこまで勝負するタイプかなあ?」「道路特定財源の問題も、財政再建の問題も、結局、どっちつかずで行くんじゃないか?」「福田さんがどこかで行き詰まって辞めるという可能性もあるんじゃないの?」 そこでこう切り返した。 「福田総理は途中であきらめたりしないと思う。黙って引き下がるくらいなら、選挙に打って出る。ぜひ、そうしてもらいたい。改革路線を継続したいという強い思いを持っているのだから、財政再建路線や増税についても、どこかでバシッと方向性を決める。そうせざる得ないもの!」
  
 福田総理は、結局、途中で撤退を決めた。(ガクッ!) この件については(自民党国会議員の1人として)国民に真摯にお詫びしなければならない。 「2年間で2人も総理が変わった」のだ。 その間、一度も選挙をやっていない。 「新しい総裁」(3人目の首相)を選んだら(出来るだけ早期に)「国民に信を問う」のが、与党として果たすべき責任ではないだろうか?
 
 「早期の選挙、ましてや年内選挙なんてあるはずがない!」 皆が口々にそう言っていた「あの会合」から3ヶ月。 総選挙は年内か? それとも1年後なのか? 山本一太の「直感」は(今度こそ)外れるだろうか?? 総裁選挙の前哨戦で「自分が総裁になったら、臨時国会冒頭で解散する!」と明言した。 なぜ、そう言ったのか。 その理由は次回のブログに書く。
 

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