2008年8月16日:パート3

 与党自民党にとって「逆風下の選挙」とはどういうものだろうか? 簡単に言うと、3年前の「郵政民営化選挙」の「逆の現象」が起こると考えたらいい。 もっと具体的に言えば、「本来なら当選確実」と思われている「有力な政治家たち」が、次々に落選する可能性があるということだ。 そして、次回の衆議院選挙では、与党に厳しい風が吹く。 最初から、そう覚悟しておいたほうがいい。
 
 昨年の参議院選挙で、自民党の候補者は「強烈な逆風」に見舞われた。 選挙戦の数週間前までは世論調査で「当選圏内にいた」候補者が、1人、また1人と「安全圏」から弾き出され、「落選」の憂き目に遭った。 いかに「党や後援会の組織」を引き締めても、集会に大勢の支持者を集めても、「無党派層の怒り」の前には「なす術」がなかった。
 
 ちなみに、群馬県地方区の山本一太は、世論調査で(最初から最後まで)自民党候補者のトップを走っていた。 個人票を持った「民主党の現職」が候補者として想定されていた時期も、現職が身を引いて「民主党候補者不在」の状態が続いた間も、国民新党の候補者が擁立されて民主党が選挙協力に回った後も、数字では一貫して(圧倒的に)リードしていた。 自民党への逆風が強まり、各地で自民党候補者の世論調査の数字が落ちていく中にあっても、自分と野党候補者のポイント差は一度も縮まらなかった。 
 
 それでも、自分は一瞬も気を抜かなかった。 選挙戦の終盤で「圧倒的な優勢」が伝えられ、取材に入ったすべてのテレビ局が「最初に当確を打ちたい」と伝えてきた後でも、「これ以上の逆風が吹けば危ない!」と何度も自分に言い聞かせた。 選挙前に応援に駆けつけてくれた水野賢一氏や山内康一氏に「こんな遊説は見たことがない!」と言わしめるほど厳しいリハーサルを重ね、選挙公示前までに県内各地に「100近い応援組織」を立ち上げた。 選挙前の6年間は(恐らく)週3回以上のペースで東京と選挙区を往復していた。 そこまでやって、「やっと勝った」のだ。 「逆境の選挙」を生き抜く唯一の方法。 それは候補者本人の「死に物狂いの努力」だ。
 
 「政局の予想」を聞きたいと電話をかけてくる若手・中堅議員と会話を交わしながら、ちょっと心配になったりする。 ううむ。 口ではいろいろ言ってるけど、皆、本当に分かっているのかなあ。 「逆風の選挙」を戦うということの難しさが!!


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