2008年4月27日

 昨日のマスコミ報道によれば、民主党が福田首相に対する「問責決議案」の月内提出を見送る方針を固めたとのこと。 理由は「再可決の直後に問責を出して与党に無視されたら審議拒否をせざる得なくなるから」だそうだ。 あれえ? 「与党が再可決をしたら問責を出して福田政権を解散に追い込む」というのが民主党の戦略ではなかったんだろうか? 日銀総裁人事に反対し、福田提案を拒絶して暫定税率廃止に持ち込んだのも、すべて「問責決議案」に結びつけるための布石ではなかったかのか? 参院での問責に法的拘束力がないなんて、最初から分かっていることだ。 「審議拒否による国会の空転」を覚悟して世論に訴え、福田政権に総辞職か解散を選ばせ、衆院選挙で一気に政権交代を実現すると(かなり威勢よく)言ってきたのではなかったか?!
 
 政局は「直滑降」の描いたシナリオどおりに進んでいる。 以前のブログにもチラッと書いた。 民主党が問責を見送った理由は2つ。 ひとつは、参院での問責決議案を可決させる「確実な目処」が立っていないこと。 最大野党の党内が「主戦論」でまとめ切れていない上に、野党の足並みも揃っていない! 何度も指摘しているように、参院は「完全にねじれている」(民主党が単独で過半数を持っている)わけではないのだ。
 
 2つ目は、与野党全体に「解散先送り願望」が蔓延していることだ。 今、選挙をやったら自民党は大きく議席を減らす。 それは間違いない。 が、それじゃあ、民主党の現職議員たちが「一刻も早い解散総選挙」を望んでいるかといえば、とてもそうは思えない。 彼らだって選挙は不安なのだ。 「問責決議案」は政局を流動化させ、不安定にさせる。 「問責提出先送り」という決定を受けて、多くの民主党議員たちはホッと胸をなでおろしているかもしれない。(苦笑) 政治は「権力闘争」だ。 「何があっても相手を倒す!」という気概がない政党に、政権を追いつめることなんて出来るはずがない!!
 
 民主党にも、優れた人材はいる。 が、党全体はバラバラで、どこにコントロール機能があるのかもよく分からない。(*福田総理がイライラする気持ちはよく分かる。) ハッキリしていることは、民主党が「やはり腰砕けになった」ということだ。 改めて言っておきたい。 今晩、結果が判明する山口2区の衆院補欠選挙の結果がどうなろうと、5月に2度目の再可決を断行しようと、首相への問責決議案は出ない! いや、出せないと思う。 民主党は(かなりの確率で)「問責決議案」を提出するタイミング自体を逃すだろう。 え? 万万が一、問責が成立した場合はどうするかって?? 法律に従って堂々と無視し、それに続く審議拒否(=国会空転)の不当性を世論にアピールするだけだ。
 
 それにしても、民主党が「一体何を目指しているのか」が掴めない。 「問責決議案」は出さないとすると、福田内閣の「更なる支持率低下」を期待するとか、国会審議で「与党を追い込む」又は「新たなスキャンダルを発掘する」という作戦を続けるということだろうか? 逆に言えば、このまま(解散せずに)9月の民主党代表選挙までいけば、小沢体制自体が崩壊する可能性もある。 そう言えば、一部のマスコミ報道によれば、民主党が参院で審議中の「道路整備費財源特例法改正案」に関する修正案を模索しているという話もあった。 うーむ。 この修正案に「2009年度の一般財源化が盛り込まれている?」というのも俄には信じられない! だってそうでしょ? 民主党の方針は「2008年度中の一般財源化」だったはずなんだから??? もう、何が何だか分からない。(笑) 
 
 民主党によるこの「修正案の動き」は、いったんは総理方針と矛盾する「道路特定財源制度の10年間維持」の法制化に繋がる「2回目の再可決」に慎重な自民党の若手グループを意識した「分断作戦」だという見方もある。 が、そうだとしたら、あまりにナイーブな戦術だ。 相手の「思うツボ」にはまるほど、自民党は愚かな政党ではない!!(笑・笑)


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