2008年4月6日:パート4

 なぜ、福田政権(自民党)は「3分の2の再議決」に訴えても「暫定税率」を復活させねばならないのか? それは次の4つの理由による。
 
 まず、第一に「衆議院での再可決」をせずに「暫定税率の撤廃」を容認したら、福田政権は完全に求心力を失う。 あれほど国民に対して「暫定税率の必要性」を訴えて来たのだ。 これを反故にするようなことがあったら、政党としての「政策の一貫性」を疑われる。(*有権者にどう説明していいか分からない!) 全国の自治体の首長はもとより、自民党のコアの支持者は確実に離反するだろう。 ましてや、総理自らが2度も記者会見をやり、「00の理由で暫定税率の復活は是非とも必要だ」と明言したのだ。 こんな重要政策で約束を果たせなかったら、今後、総理が何を言ってもけっして信用されない! 結果として「支持率の低下」に歯止めがかからなくなり、政権は確実に行き詰まるだろう。
 
 第二に、「3分の2の再可決」を断念したからといって、政局を回避出来るわけではない! むしろ、再議決をしないことによって、政局が流動化する。 衆議院での再可決に慎重(もしくは反対?)な人々の理屈は、集約すると次のようになる。 「国民の反発を招く税率の再引き上げをやったら内閣支持率は下がる。加えて、3分の2の再可決をすれば、民主党が参院で総理への問責決議案を提出する。一歩間違えると解散総選挙になりかねない!今、選挙をやったら自民党は惨敗必至だ。」
 
 この分析は誤っていると思う。 「再可決」が出来ずに求心力を失った(=支持率の急落した)政権を追いつめるのは簡単だ。 民主党はあらゆる理由を作って(党として約束したことさえ守れないという理由だけでも)福田首相に対する問責決議案を提出するに違いない!! だいいち、「暫定税率を維持する法案の可決はやらない。なぜなら、政局になって選挙に追い込まれると困る。今は自民党に旗色が悪いから!」などという理由が、国民に理解されるはずがないではないか!!
 
 第三に、「暫定税率」を元に戻さなかったら、「2.6兆円」の歳入欠陥が埋まらない。 これについては、(何度か書いているので)改めて説明する必要もないだろう。 第四に、この時期にガソリン税を下げるような政策をとったら、「洞爺湖サミット」における日本の「地球環境問題に対する発言力」は大きく低下する。
 
 以前のブログにも書いた。 この段階に至っても、「本当の政局」がやって来るかどうかは分からない。 え? ここで言う「本当の政局」とは、何を意味するのかって?? 「与野党の本当の対決」は、野党が参議院に総理への問責決議案を提出した瞬間に始まる。 「国会の空転」が続く状況を前に、「国民のムード」がどちらに傾くか。 つまり、「世論の趨勢」で勝負が決まる。 「審議拒否」を続ける野党に国会への復帰を求める意見が大勢を占め、民主党が腰砕けになるのか? それとも、税率を復活させた(又は何も出来なかった)福田政権に批判が集中し、「内閣総辞職」又は「解散総選挙」に追い込まれるのか? その時、国民の気持ちを動かせるのは、総理の「国民生活を守るために必要なことは断固やる」という「ぶれない姿勢」(=捨て身の覚悟)しかない!!
 
 あ、気がつくと午前1時を回っている。 明日は午前、午後とテレビ中継入りの「参院予算委員会」があった。 腕立て伏せと腹筋をやってから寝る!
 
追伸:考えてみたら、今日(4月7日)は「鉄腕アトム」の誕生日だった。 アトムへの「熱い思い」は、次回の(?)レポートで。
 
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