2008年3月28日:パート5

 間もなく午前零時。 東京の部屋で熱い日本茶を飲んでいる。 世の中に完璧な人間はいない。 どんな人物にも「長所」と「短所」がある。 というか、ある人にとっては「長所」でも、他の人から見たら「短所」だったりするのだから、「短所のない人間」は存在しないという理屈になる。 でも、夫婦でも、家族でも、友人でも、恋人でも、同じことだ。 誰かを「好きになる」(=誰かと親しくなる)というのは、その人の「魅力」も「欠点」もすべて受け入れるということだ。 そう思いませんか?
 
 つい先ほど、NHKの朝ドラ「ちりとてちん」の録画を見た。 「私、お母ちゃんみたいになりたいんや!」 貴代美が母親に言うセリフにはジーンと来た。 え? 明日が最終回ですか。 このドラマはNHKの連ドラに「新しい歴史」を作った。 毎回15分で、笑わせたり、泣かせたり。 度重なる職員のスキャンダルには辟易するが、やっぱりNHKの実力は健在だ。 これだけのドラマを作れる人々がいるのだから!
 
 さて、前回のブログの続きを書いておこう。 昨年の選挙では、高崎市内の空きビルを借り、そこを選対事務所にした。 2階の窓を塞ぐために地元秘書が(突貫工事で)安倍総理のポスターを使った。 そのポスターが内部を向いていたのを見たNHK前橋支局の記者が、「安倍総理のポスターを外から見えないように内側に向けて貼った」みたいなストーリーを組み立てた。 その報道を鵜呑みにしたどこかの「バカな同僚議員」が、「山本一太は事務所に安倍総理のポスターを貼らなかった」とあちこちで吹聴した。(コイツ、選挙区に来たわけでもないのに!)
 
 確かに、選挙区に貼ったポスターでは「安倍首相とのツーショット」を使わなかった。 安倍総理と並んだポスターを使おうが使うまいが、間違いなく圧勝したと確信している。 が、地元スタッフの意見を取り入れて、石原伸晃代議士とのツーショットを使うことに決めた。 選挙の1年前に行われた自民党総裁選挙で(地元の福田現総理ではなく)安倍晋三氏を応援した。 そのせいで「あちこちから怒られ、苦労しした秘書たち」に更なる負担をかけたくなかったからだ。 
 
 「安倍総理を応援したことで、これまで応援してくれた大勢の人を傷つけた。県民感情を考えて、今回の選挙では安倍首相ではなく、石原伸晃さんとのポスターにしますから!」 ポスターを作る前に官邸を訪ね、当時の総理秘書官にそう説明しておいた。 過去2回の選挙で山本一太を支持してくれた「福田系の人々」に対する「せめてもの配慮」だった。
 
 自民党と安倍内閣に対する反発が日増しに強くなる状況の下で、「自民党の候補者」であることよりも、「政治家山本一太自身」を強調した。 「自民党はここが素晴らしい!」と言う代わりに、「自民党のここを改革しないといけない!」と演説した。 選挙戦略上、当たり前のことだ。 あえて「自民党、自民党」と連呼しなかったとしても、山本一太が自民党公認候補であることは誰でも知っている。 加えて、あちこちで「安倍首相の最も力強い応援団」と紹介された。 安倍サポーターとしての「強烈なイメージ」を隠せるわけがないではないか!
 
 この件についても、ほぼ同じ顔と名前の連中があちこちでこう喧伝した。 「安倍総理とのツーショットを使っていない。あいつは裏切りものだ!」と。 え、裏切りものだって?? 肝心な時に様子見をして「安倍支援の声」もあげなかった議員たちに、そんなことを言われる筋合いはない! そう思った。 嫉妬(?)だか、エラい人々にゴマをするためか何だか知らないが、この手の噂を流す政治家に限って、選挙に弱い。(*日頃から真面目に地元の活動をやっていない!)
 
 振り返ってみると、本当に苦しい選挙だった。 自民党県連は(当然のことながら)同時期に行われた知事選挙に「ほぼすべてのエネルギー」を傾注し、参院選挙まで全く手が回らなかった。 1年前の総裁選挙の「しこり」もしっかり残っていた。 加えて、群馬県を含む参院地方区の「1人区」では、凄まじい「反自民」の風が吹いていた。 その中で、群馬県史上最高の得票を叩き出したのだ。
 
 なぜ、勝てたのかって? 安倍総理とのツーショット・ポスターを使わなかったからではない! 過去6年間、毎週のように地元に戻り、有権者とのコミュニケーションを積み重ねた。 与党の形勢が悪い時でも逃げずにテレビに出演し、(野党議員やゲストに叩かれながらも)自らの信念を発信した。 選挙戦の1年近く前から全県を「真っ赤な遊説カー」で飛び回り、政策やビジョンを訴えた。 5月の連休に行った遊説キャラバンの応援に駆けつけてくれた山内康一衆院議員がびっくりするほどのハードスケジュールで県内を回り、走りながら握手をした。 そうした本人の「小さな努力」の集積に、素晴らしい支持者の熱意とスタッフの頑張りが加わって、あの「大量得票」が生まれたのだ。 「姑息な手段」であの逆風を乗り切れると考えていたとしたら、政治家失格でしょう?!

 申し訳ないが、自分はこの「ふざけた批判」をした人々の顔を忘れていない。 次の衆議院選挙では、絶対に「彼らの選挙区」には入らないつもりだ。 あ、心配ないか。 山本一太を「裏切りもの」と表現した政治家が、自分に応援なんて頼むはずがないもの!(笑)
 
 その代わり、しっかり見届けさせてもらう。 努力もしていない癖に、他人の足を引っ張ることばかり考えている「やっかみ政治家」たちが、次回の衆議院選挙で何を訴え、どう戦うのかを!
 
追伸:
1.ああ、またこんな感情的なことを書いてしまった。 オレって「人格者」とはほど遠い、な。(ちょっぴり反省!) 大丈夫、「ふざけた連中」の名前は絶対に明かさない。 選挙にマイナスになったら困るからだ。 「直滑降」にそんなインパクトはないとしても。

2.明日は終日、愛知県に入る。 政策グループの先輩である杉浦正健衆院議員の会で講演するためだ。 さて、何を話そうかな。


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