11月3日:パート3




 午後8時。 高崎から東京に向かう新幹線の中でパソコンのキーボードを叩き始めた。 午後6時30分から桐生市内で行われた「きものサミット」の夕食交流会では、自分を除く「来賓全員」が着物姿だった。 挨拶に立った桐生着物組合の理事長が、何度も、「この会は着物を着てくる人だけをお呼びしています!」と繰り返した。 来賓のスピーチでマイクを握り、「背広のままやって来た山本一太です。先ほどの理事長のお話ですと、混ぜていただけないルールになります。(笑)が、朝から群馬県中を飛び回り、様々な行事をこなしながらここまでやって来ました。そのことに免じてご容赦いただきたいと思います!」と釈明した。 乾杯後、各テーブルをササッと回って、車に乗り込んだ。

 

 桐生から高崎に向かう車内で、地元秘書が「ETーKING」のCDをかけてくれた。 巷で流行っている「ギフト」を大声で歌っていたら、あっという間に高崎駅に着いた。 ううむ。 メロディーラインもいいけど、歌詞が泣かせるんだよなあ。 なるほど、ヒットするのも頷ける。

 

 さて、昨日から今日にかけて、数多くの若手・中堅議員と「大連立」について意見を交わした。 そこは一国一城の主たち。 それぞれが「好き勝手な分析」(笑)を披露していた。 そのうちの一部分を紹介しておこう。

 

「今回の党首会談が決裂したことで受けたダメージは、福田総理より小沢代表のほうが大きい!」「この話は終わったように見えて、まだくすぶっている。特に小沢代表の動きから目を離せない。」「福田総理から会談を働きかけたことになっているが、実際は小沢党首のほうが熱心だったという噂もある。小沢さんはよほどの弱みを握られているんじゃないか?」「福田総理は連立とはハッキリ言っていない。閣外協力とか、政策協議の枠組み作りとかを考えているのではないか?」「今回の連立話は、解散を回避するための究極のクリンチ作戦かもしれない!(笑)連立が出来れば2年は選挙がないと言っていた仲間もいる。」




 さらに紹介を続けよう。 「今回の件で、民主党は対決姿勢を強めざる得ない。年内解散の可能性が高まったと考えるべきだ。」「現在の小選挙区制の下で、選挙区の候補者調整をするのは至難の業だ。それはすなわち、捲土重来を期して頑張っている落選組、浪人組を切り捨てるということだ。」「総理と小沢党首は中選挙区制の復活を考えているのでは?その場合、参議院はどうなるのか?」「自民党と民主の候補者は2年前の選挙でマニフェストを掲げて激突した。公約にも入っていない連立を組むことは、国民から理解されないだろう。」「万一、自民と民主が本格的な連立政権を作って、それに公明党が乗ると、国会議員の9割が与党になる。そんな大政翼賛会的な態勢になったら、何のチェックも働かない。選挙区では有権者の選択肢を奪うことになってしまう。民主主義の危機だ!」「もし大連立を組むと言うなら、政策ごとの擦り合わせが必要だ。まして、最も大きな2つの政党の連立には、国民の民意が全く介在していない!」




 上記の様々な見方や意見を総合すると、次の3点で「共通の認識」を持つ議員が多かった。

 

1.突然の「連立構想」は驚き。両党首の交渉は決裂したが、福田総理を批判したり、責めたりするのは得策でない。今回の件は、福田首相が難局を打開するために試みたこと。しかも、(結果として)小沢民主党にダメージを与えることになっている。




2.「小選挙区制」は定着している。現在の選挙制度の下で300小選挙区の候補者調整をやるのは(実際には)不可能だ。加えて、民意が反映されていない「連立」は有権者の理解を得られない。福田総理が意図したのは、連立政権ではなく、政策協議のメカニズムではないか。




3.小沢党首には何か「弱み」があるのではないか。そうでなければ、福田総理からの会談の申し入れを(しかも2度も)受けるはずがない。「結論を持ち帰る」という対応は、小沢党首自身が「連立」に前向きだった証拠。党内の反発を押し切ってまで(?)「連立」を模索した理由が分からない。




 あ、東京に着いた。 急いでパソコンをしまわないと! この続きはまた。

 

追伸:明日の「報道2001」は、自民党から山本一太、民主党から原口一博氏、公明党から高木陽介氏という組み合わせになったようだ。




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