10月28日:パート2




 夕方。 青山付近のカフェでパソコンの電源を入れた。 「隠れ家」のカフェではない。(笑) 最近、永田町付近の数少ない「一太ファン」(恐らく世界で数名しかいない)に(それも2人続けて)こう聞かれた。 「一太さんのブログに出てくる隠れ家のカフェってどこですか?」 「あの空間」に政治関係者が来るようになったら、最悪だ。 考え過ぎだとは思うが、「隠れ家」を使う頻度を減らすことにした。

 

 先日、自宅で静養中の安倍前総理を訪ねた。 仲良しの木村太郎衆院議員と一緒だった。 詳しいことは書かないが、安倍前首相はかなり回復していた。(思った以上に元気だった。) 以前のブログにも書いたように、安倍前総理からは、慶応病院に入院した翌々日に電話をもらっていた。 本当は、もう少し早くお見舞いに行きかった。 が、安倍前総理自身にも、周辺にも、「迷惑をかけたくない」と思って我慢していた。 「ゆっくり体調を整えて、あせらずに復帰してください!」 そうお願いして東京の自宅を後にした。

 

 安倍前首相が突然の辞意表明をした数日後、ある国会議員から電話がかかってきた。 その政治家が、「私にもいろいろ情報が入っていたんですが、一太さんも、安倍総理のモロさをもう少し分かっているべきでしたね!」と言った。 「それはそうかも知れない」と答えながら、心の中で思った。 「コイツ、何にも知らないくせに!」と。

 

 「政治家・山本一太」は、「政治家・安倍晋三」を「盲目的に」応援してきたわけではない。 安倍前首相を「万能の政治家」だとか、「聖人」だと思ったことは一度もない。 そんなふうに見ていたとしたら、最初から政治家としてのセンスを疑われる。 以前のブログにもチラッと書いたが、自分は(恐らく安倍前首相が思っている以上に)安倍前総理のことをよく知っている。 たとえば、「安倍総理の側近」と呼ばれる政治家たちがいる。 過去1年間、総理の外遊に同行したり、会議に同席したり、プライベートな食事を共にした「彼ら」は、安倍総理の政治手法や人間性を「最もよく知る人々」だろう。 「ボヘミアン(素浪人)」として外から安倍さんを応援してきた自分には知る術もない安倍さんの「様々な顔」を目撃してきたに違いない。 が、世の中には「近すぎるから気がつかない」ということもある。 時々、不遜にもこんなふうに思ったりする。 「ある部分では、あの人たちより、自分のほうが安倍さんのことを理解しているのではないか?」と。 根拠は...ない!(笑)

 

 なぜ、そう思うのか、根拠が全くないわけではない。 それは、安倍応援団としての「歴史の長さ」だ。 安倍前首相と初めて会ったのは12年前。 参議院選挙に当選して国会に登壇したその日だった。 当選後2ヶ月目に自民党総裁選挙に遭遇。 党内の主要派閥が推す橋本龍太郎氏に対して、小泉純一郎元総理が「ほとんど勝算のない闘い」を挑むという構図だった。 小泉元総理にとって初めての「総裁レース参戦」だった。 当時、同じ派閥だった荒井広幸代議士に引っぱり込まれて、コンビで小泉選対の企画部長をやった。 以来、小泉純一郎と安倍晋三という「2人の政治家」を(*ずっと「片思い」だったとはいえ)一貫して応援してきたのだ。 

 

 総裁選挙の候補者は、自民党の両院議員総会で所信表明をするのが通例になっている。 その重要なイベントの前座として、各陣営から選ばれた1名の議員が候補者の「応援演説」をすることになった。 小泉陣営の代表選手に選出された安倍晋三代議士の「応援演説」の練習につき合ったのは荒井広幸と山本一太だった。 生まれて初めて連れていかれた「料亭」の2階に集まり、安倍さんの演説の時間をストップウォッチで測った。 あの場面は今でも忘れられない。

 

 それからというもの、安倍前総理と様々な場所で会うようになった。 安倍さんからの誘いで顔を出すようになった北朝鮮に関する勉強会、週に何度も行われる派閥(当時は三塚派)の懇親会、野田実氏からの声がけで参院からの最初のメンバーになった「グループ新世紀」(いわゆるYKK)の会合等々で、しょっちゅう顔を合わせた。 親切な安倍さんは、自分が同世代の仲間と一緒に立ち上げた幾つかの勉強会(国連問題や北朝鮮外交等)にもよく顔を出してくれた。 民主党の浅尾慶一郎氏(現在、ネクスト防衛大臣)とともに作った超党派の「北朝鮮に対する戦略的外交を考える会」では、山本・浅尾の「韓国視察」にもつき合ってくれた。(ちなみに、この韓国訪問の際に会った当時の韓国情報院のNo.2が、後のラ・ジョンイル駐日韓国大使だった。)

 

 あ、パソコンの電池が切れかかっている。 この続きは「安倍総理との再会:その2」で。

  




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